前福井県議会議員 さとう正雄 福井県政に喝!

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家庭教育支援条例に反対討論。原子力発電施設等立地地域の振興に関する特別措置法」の期限延長を求める意見書案に反対。

2020年11月25日 | 福井県政
2020年10月7日 福井県議会最終日本会議での佐藤正雄議員の討論です。


■家庭教育支援条例に反対
◯28番(佐藤正雄君) 日本共産党の佐藤正雄です。
 発議第14号福井県家庭教育支援条例案について反対をいたします。第一に、手続の問題です。この条例案は手話言語条例などと違い、関係者や関係団体などからの要望に基づくものではないだけに、より慎重に県民の声を聞くべきでありますが、その手続が極めて不十分であります。実際にパブリックコメントを寄せた方は5人にとどまり、県民の中で条例そのものがあまり知られておりません。一方、条例案の内容を知った県民の皆さんからは、新日本婦人の会や弁護士団体から慎重審議や反対の声が議会に届けられております。
 かつて国会で障がい者に関する立法の際に、私たち抜きに私たちのことを決めないでとの世論が起こりました。この条例案の中間報告が行われた際に、私は子どもたちを含めた当事者の声を聞くべきと提案いたしましたが、行われておりません。コロナ禍の下での条例制定だけに、拙速に進めず一層かかる配慮が求められると思います。
 日本子どもを守る会の増山均会長は5月31日の声明の中で、様々な取組の実施に当たっては、子どもによく説明すると同時に子どもにも相談して子どもの声を聞き、子どもの参加の下で一緒に知恵を出し合って取り組むように求めております。このことの重要性は、コロナ感染症対応のみにとどまらないと私は考えます。
 子どもを権利の主体として認めることは国際的標準であります。当事者の声を十分に聞かないままに行政と子どもを含む県民を拘束する法律を制定することは民主社会においてあってはなりません。また、何より県民の多様な意見を踏まえて十分な議論を行うことを定めた福井県議会基本条例の趣旨にも反するではありませんか。
 第二に内容の問題です。法律家である自由法曹団福井県支部の声明でも指摘されておりますように、この条例案には幾つかの問題があります。そもそも家庭教育という子どもをどう育てていくかという親の生き方に公権力が介入し、こうあるべきなどと強制していくことは、思想良心の自由への侵害となりかねないこと。個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚する家族制度を規定した憲法24条の精神に反すること。条例案第3条などは、他県の条例と比べても家庭の責任、保護者の責任の強調度合いが強く、憲法19条に保障する思想・良心の自由に抵触しかねないことなどが弁護士団体からは指摘されております。
 このほか第8条の祖父母の役割規定は、必ずしも息子、娘の家庭と祖父母の関係性についてはまさに多種多様である現実を踏まえれば、条例で一律に規定することは逆に新たな火種といいますか、問題要因となりかねません。第13条、親になるための学びの強制は、今日のLGBTQなど多様な性の在り方、または結婚する、しないの選択などを否定する風潮を生み出しかねず、生きづらい社会への逆行となりかねません。福井県議会として、このような時代の流れに逆行しかねない条例制定は行うべきではありません。


 次に、請願第16号国の責任による小中学校の「20人学級」を展望した少人数学級の前進を求める請願は採択すべきです。文部科学省が2021年度予算案の概算要求に少人数学級の検討を盛り込みました。義務教育標準法を改正して正規の制度化を目指す意向です。国民の声が、少人数学級に長期に背を向けてきた政府を動かした重要な変化です。同時に、今回の要求は規模も進め方も記されない事項要求です。本当に法改正や予算が認められていくのか全く未定であります。少人数学級は重要な局面を今迎えております。未定となっている要因は、政府の姿勢が定まっていないためです。国の予算を握る財務省は、少人数学級について明確な効果があったとは認められないと敵視し、現在行われている小学校1年生の35人学級を40人学級に戻すべきではないかと要求したことさえあります。
 7月3日に福井で開かれた学校統廃合を考える退職教職員の会では、参加された教員経験者から、「40人のクラスでは分からない子がいても気にならなかったが、5人のクラスを担当したときは1人でも分かっていない子がいると気になった」、「採点も10人足らずならパパッと終わって子どもたちと向き合うことができた」、「小規模クラスの子どもの名前と顔は今でも覚えている。そういうことは教師にとっても子どもにとってもプラス」などの声が出されたそうです。
 文科省の中央教育審議会臨時委員も務められた山本健慈元和歌山大学学長は、「世界で非常識なのは日本のクラスサイズと高学費です。少ない生徒数や学級数では切磋琢磨できないという意見もあるが、切磋琢磨は小規模でもできます。大きいほうがいいというのは、切磋琢磨ではなく経済効率重視のためだ」と喝破されております。まさに一人一人に丁寧に応じられる少人数学級が子どもの成長に大きな効果があることは自明の理です。行き届いた教育実現の上でも、新型コロナはじめ感染症対策の上でも、子どもたちに少人数学級をプレゼントしようではありませんか。
 もう一つ指摘したいのは、今県内各地で学校統廃合計画議論がかまびすしいわけです。しかし少人数学級が制度化されれば、これは子どもの人口が減少する中で地域の学校を守る一つの後ろ盾となると思います。若い御夫婦などが子育てできる教育環境を地域に残すこと、このことが地域が丸ごと限界集落化し消滅していくことから防ぎ、地域再生の可能性につなげていくことにもなるわけですから、福井県議会こそ採択すべきであります。


 請願第15号新型コロナウイルス感染症対策を含めた地方財政の充実・強化を求める意見書提出に関する請願は、政府に十分な財源確保を求めるなど全国知事会なども求めている内容であり、不採択ではなく採択すべきと申し上げ、反対討論を終わります。



◯28番(佐藤正雄君) 日本共産党の佐藤正雄です。「原子力発電施設等立地地域の振興に関する特別措置法」の期限延長を求める意見書案について討論いたします。
 この法律はもともと際限なき原発推進、つまり原発増設と核燃料サイクル推進を狙いとしておりますが、御承知のように福島原発事故は、それまでの政府や電力会社の「日本の原発は安全」、「原発はコストパフォーマンスが高い」などの神話を打ち砕きました。高速増殖炉「もんじゅ」の破綻は核燃料サイクルの破綻にほかなりません。原発推進に国民の支持は得られないのが現状です。
 国内にあった58基の原発のうち25基が廃炉となり、規制基準適合となっても世論の反発で再稼働に至っていない原発が7基あります。コストを見ても、2011年から2019年度の電力10社の原子力発電費は約15兆3,700億円、うち原子力での発電をしなかった電力会社の発電費が約10兆4,400億円、平たく言えば、動いていない原発費用の約10兆円が消費者負担とされております。
 さて、来年3月には福島原発事故から10年を迎えますが、地元の皆さんの苦しみは何ら解決しておりません。日本原子力学会の報告書では、敷地の再利用が可能になるには最短でも100年から数百年かかるということです。原発との共存共栄を信じてきた住民には残酷な結末であります。
 8月末に大地震、原発事故、コロナ禍という3重災害の想定での原子力防災訓練がおおい町を中心に行われましたが、改めて原発事故時に住民避難を責任を持って完遂できないことが浮き彫りになりました。また、福井県では次々と明らかになる関西電力森山マネーの闇に、県民はますます原子力への信頼をなくしております。
 福島原発事故10年を前に私たちに求められているのは、原発依存から脱却し原発ゼロの日本を展望すること、そのためには爆発的な再生可能エネルギーの普及を進めること、財政的には国策原子力に協力してきた地域の雇用と地域経済を支える特別措置を政府の責任で行うことこそ求められております。
 以上を申し上げて、原発依存に頼り続ける「原子力発電施設等立地地域の振興に関する特別措置法」の期限延長を求める意見書案に反対の討論といたします。

医療介護関係者慰労金支給について。PCR検査体制などの拡充を。コロナ禍で国民健康保険税の減免。

2020年11月25日 | 福井県政
 2020年9月24日 福井県議会厚生常任委員会での健康福祉部関係での佐藤正雄委員の質疑です。

医療介護関係者慰労金について

◯佐藤委員  いつもお疲れさまです。
 一般質問でも医療関係への慰労金を取り上げた。部長から答弁いただいた際、実際に慰労金の支給をする医療機関は県内868か所、歯科診療所317か所、助産所24か所で、答弁の前日の15日現在、全体の49.7%、約半数からの申請だと言っていた。県としては100%申請をもらえるという見込みでいるのか。

◯副部長(地域医療)  慰労金の支給については、まず10月いっぱいの申請状況を見て、まだ申請がない医療機関があった場合には、こちらのほうからその医療機関にお知らせをして申請を促すことで100%を目指したいと考えている。

◯佐藤委員  介護事業所等についても、同じ考え方で臨まれるということか。

◯長寿福祉課長  介護施設も同様である。

◯佐藤委員  全員協議会のときにも質問したが、この作業は民間の東武トップツアーズに依頼しているということであった。そこに依頼してスムーズに進んでいるのかどうかということがあるが、プロポーザルをかけて一番機能的なところに依頼したという答弁だったと思う。実際にいろいろ比較されてそこにしたのであろうが、決めた経緯、値段や作業の実績もあると思うので、その辺教えていただきたい。

◯長寿福祉課長  プロポーザルに当たっては公募をかけて2社から応募があった。それぞれの会社から事務の迅速性、正確性、費用の面といったことについて説明いただいた。私どもが特に注視したのは正確性といったところで、非常に大人数の方に一度に一定の額を交付するという作業なので、そこをいかに正確にできるかを注視した。あと費用の面ももちろん注視した。実際、今委託している会社は正確性、迅速性、費用の面についてもう一方の会社に対して優位だったということで選んだ。

◯佐藤委員  今回新たに提案されている保育関係についても、そこに委託するということか。

◯副部長(子ども家庭)  現在のところ、同じ会社に委託する予定になっている。

◯佐藤委員  確か7,200万円という金額だったと思うが、それが幾らぐらいに増えるのか。

◯副部長(子ども家庭)  予算上は1,200万円程度を見ている。

◯佐藤委員  国の制度でいろいろ問題になったのは8,000万円、9,000万円というお金を使ってやって、中抜きみたいになっては困るというような議論、国は電通との関係だと思うが、ほかの県でも電通に頼んでいるところもあると聞いている。福井県は東武トップツアーズであるが、実際に県の職員とか市町、そういう関係者でやるよりもそこに1億円近い費用をかけてやったほうが費用対効果の面から見てもいいという判断をされたということでよろしいか。

◯健康福祉部長  県に各部局があるので、そこで手分けということも考えられなくはないが、コロナ対策自体が県の各部局それぞれ人を出し合って通常の業務をやっている中で結構大きな業務になる。これを県職員でやると、確かに費用面ではどうかというところはあるかと思うが、現実的にできるかというところもある。例えば県でアルバイトを雇うという手法もあるとは思うが、そういった仕事を正確に、迅速にできる企業があるのであれば、そこにお願いするという考え方は全国的にも同じで、国もその費用を見るという形になっている。いろんな給付金等の作業もこれまでしてきたが、保育士については県単になるが、この件についてはこのような形でお願いすると考えてやっていくということである。


PCR検査体制の拡充を

◯佐藤委員  看護師さんとか現場の当事者からすれば、随分早くに5万円とか10万円とか20万円とかアナウンスはあったが、いつ届くのかという気持ちもあると思うから、迅速に手元に届くようにお願いしたいと思っている。
 それから今の質疑の関係になるが、私が一般質問をしたその前日に厚生労働省の新型コロナウイルス感染症対策推進本部から各県に通知が出されたと聞いた。これを読むと検査のやり方について、検査が必要なものはより迅速スムーズに検査を受けられるようにすること、濃厚接触に加えて感染拡大を防止する必要がある場合には広く検査が受けられるようにすることが大事であるということで、必要な場合は幅広く検査をするということが書いてある。特に医療機関、高齢者施設などの入所者は重症化率が高いことから、施設内感染対策の強化が重要であり、こうした観点から、そこでクラスターが出るということであれば、職員全員とか定期的な一斉検査も考えるという通知である。一般質問で提案したのもこういうことで、この通知と趣旨は大体一緒である。だから必要なときには、病院とか高齢者施設、介護事業所で一斉検査、定期的な検査をやって、そこの安全を担保することが必要ではないかということを提案もし、長崎県とかいろいろ事例も紹介した。知事は今後いろんな知見も踏まえてやるという答弁であったが、基本的に15日付の厚生労働省の通知のとおり福井県も取り組むということで違いはないのであろうか。

◯健康福祉部長  その通知に書かれている内容の範囲で申し上げれば、既に福井県ではやっているという考え方でいる。陽性の事例が出ないと発表はしていないが、施設とか病院とかクラスターが発生しているようなところで、例えば一人でも濃厚接触者がいる場合や、本県の場合は濃厚接触ではないが陽性者との接触があった人がいるというケースでも施設の職員、入所者がいれば入所者全員の検査をするということはこれまで何度も繰り返してきて、全員の陰性を確認してきた。そういう経験を積み重ねており、そういった意味ではその通知の内容については、私どもとしては既に実践済みであると考えている。
 一般質問で答弁申し上げたものは平時に、例えば定期的に1か月置きとか2週間置きに検査をする必要があるかどうかというところについてはまだしっかりとした知見がない。どれくらいの間隔でやればいいかとか、全員にやって意味があるか等についてまだ知見がなく、国も研究をしているのでそういったことを待ちたいということを申し上げたところである。

◯佐藤委員  福井市内のある病院の入院患者で感染者が出たということで、ちょうど福井県内の第2波のピーク時期ぐらいに重なったと思う。それで福井県内だけではPCR検査が追いつかないので、石川県にある民間の検査機関に送って検査をしたということがあったとお聞きをした。病院で入院患者さんの中に陽性者が出て、付添いの奥さんも陽性者だったというようなケースで、周りの看護師さんとかは今言われたようにもちろん検査はされたのであるが、その際にその病院周辺の介護事業所、ほかの病院と行き来がある場合にはどの範囲で検査をやるのか。

◯副部長(保健予防)  患者さんが出られたところ、濃厚接触で通っておられたところは、その施設全体をやるというのは今部長から話があったとおりである。そこからの感染者が分かっていない状態で、いきなり周りの病院を全部調べるということはちょっと非合理な感じがある。まず、その病院で感染者がどれぐらい出ているのか、その患者さんを中心にしてうつった者がいるのか、クラスターが発生したのかという事情を踏まえて、その方が2次利用とかほかの曜日に通っている施設等があれば、そこに対しては同じように施設の検査を当然進める。ある程度患者を通してつながりがあったところを中心に検査をしっかりやらせていただくという考え方は軸にさせていただきたいと考えている。

◯佐藤委員  一人の方が一つの病院だけにかかっているということはあるが、複数の病院にかかっている場合も当然あるわけである。そういう意味で、その範囲をきちんと情報提供してもらわないと、これから150医療機関ぐらいで広く検査をするとなってくると、お医者さんとか看護師さんの感染リスクもある意味では高まってくることになる。どういうフェーズなら部長の答弁にあったように医療従事者とか入院患者さんを含めて広く一斉検査をやれるのか示さないと心配というか、危機感というか、自分の病院は何とか守るが、よそから入ってきたらどうしようというところもあると思うので、その辺は今後示してほしいと思うが、いかがか。

◯健康福祉部長  私どもがやっているのは、例えばA病院で感染者がいた場合、A病院でその方と接触の可能性がある方、濃厚であろうがなかろうが全員検査をする。それから、A病院の方が感染可能期間に通院でほかの病院にも行っていたということになれば、その病院も同じ扱いである。ただ、そこの病院の患者さんがほかの病院に行っていると、2次的な方が行っているところについては、この病院で全員が陰性であればそこから当座は感染が広がる可能性はないので、そこの検査で陰性であったことを確認して終わりになる。ただ、仮にこの病院でまた一人出たということになると、病院名の公表といったことも含めてにはなってくるが、その病院の中でさらに接触者が増えるので、そこは全員検査をする。さらに広がっている可能性があれば、接触の可能性のない方も含めて、その病院に関連した方、出入りの業者さんも含めてやるということを今までやってきている。そういった意味では、福井県は恐らく一つの施設について感染者が出た場合はマックスの検査をやっていると考えている。余り個別の施設名を申し上げるということはしていないが、広くお伝えしなければならない場合には施設と相談の上、ちゅうちょなく公表していくという形で、県民の皆さんに安心していただけるような検査は日々続けている。そういうことを折に触れて申し上げているつもりではあるが、余り個別の事例を挙げて申し上げることが困難なジャンルであるので、今はそういうことになっている。

◯佐藤委員  先日、会派代表でテレビ出演した際にも指摘したが、これだけ広くやると、ちょっと失礼な言い方になるが、どうしても県立病院とか感染防止策がしっかりした病院以外のところでも広く患者さんを受け入れることになる。その際、医院とかクリニック、開業医さんのところで感染者が出て一定期間その病院、診療所が機能できなくなった場合の補償はどうなるのか。

◯副部長(保健予防)  まず、大前提としてそういう感染が起こらないように研修や国からの防護具の配布等を行い、動線をきちんと分けて感染防御をした上で診察に当たっていただくことになっている。今までたくさん患者さんが感染可能期間に開業の先生のところへ受診されている。A医療機関受診後に感染症指定医療機関で診断されたと報道で発表してきたが、そういう医療機関で濃厚接触に該当して、そこの医院が営業できなくなったというのは県内一度もない。先生方には熱のある患者、風邪の症状の患者さんの診察には感染防御をしながら十分気をつけていただいているが、さらに気をつけていただいて、防護具もきちんと渡して、休業の対応をしなければならない、濃厚接触にならないような体制の強化はインフルエンザのシーズンに向けて医師会とともに引き続き進めていきたいと考えている。万が一、休業等になった場合には、先生方が入っている民間の保険があるので、そちらのほうで補償が受けられるシステムになっているとお聞きしている。

◯佐藤委員  民間保険ということで、補償の範囲がどの程度か詳しくは知らないが、それぞれの病院なり、お医者さんが入っている保険の補償の範囲内で自己責任でということになるわけである。県の皆さんも細心の注意でいろいろ指導もなさっていると思うが、逆に言うとこれから一層感染リスクが高まる状況にもなっていくことにもなるから、引き続きその辺はよろしくお願いしたいと思う。


生活保護とエアコン

◯佐藤委員  今年は大変暑い夏であって、福井でも熱中症でたくさんの患者さんが出たと報道されている。東京では8月に熱中症の疑いで搬送された4,250人のうち約6割が60歳以上、重症者217人、死者187人と1月での熱中症者数としては統計開始以来最多というふうに発表された。この死者187人のうち8割がエアコンの設置がないか、あっても使用していなかったと報道にある。福井県の状況を教えていただきたい。

◯副部長(保健予防)  令和2年度の熱中症による緊急搬送の件数であるが、8月25日現在で278件、死亡1件、重症5件、中等症が105件、軽症は167名で全体の60%に相当する。

◯佐藤委員  東京ではエアコンの有無も調べられたみたいであるが、福井県はそういう調査はされていないということであるか。

◯副部長(保健予防)  死亡原因について、詳細は報告をいただいていないので分からないが、今のところ熱中症が室内で起こって冷房がなかったからというようなところは聞き及んではない。

◯佐藤委員  東京で起こることは福井でも起こり得ることだと思うので、これからは気をつけなければならないと思う。
 生活保護の申請の際、言葉が適切かどうかは別としてクーラーはぜいたく品だから、生活保護でクーラーをつけることはできないという時代が結構あったと思う。数年前から新たに生活保護になる人には生活保護費を活用してクーラーをつけることも認められるように変わってきたと思う。ただし、既に生活保護を受給されている人は依然として認められないと、こういう解釈だったと思う。
 福井県内で、生活保護でクーラーをつけた世帯は何世帯ぐらいあるのか。国の方針ではこれを一部変更するというふうに聞いているが、どのように変更されるのかお尋ねする。

◯地域福祉課長  国の方針が変更されるという件だが、今特に変更の話は聞いていない。生活保護に入る段階でクーラーの持ち合わせがない方については、別途クーラーを設置する費用を保護費で見る。生活保護を受給されている中で既存のクーラーが壊れたとなると、それは毎月の生活保護費の中で回していただくということに今も変わりはない。
 それと今の枠組でいうと、クーラーが壊れて、クーラーの取替えをしたいが手元にお金がない場合は生活福祉資金を借りて、生活保護費の中で工面しながら何か月かかけて返済されるというやり方をされる方が多い。私は生活福祉資金の審査会に出ているのだが、今年はそういう資金需要があんまりなかったと思う。一昨年の暑かったときは確かにそういった申請が多かった。今年は定額給付金とかいろいろあったからかもしれないが、件数的には少なかったと思う。

◯佐藤委員  確かに定額給付金の10万円でクーラーをつけた方もいるかもしれない。市町から定期的に生活保護世帯の状況を伺うことなどをやっているはずであるので、来年もこのような暑さになるかどうかは別として、熱帯夜でクーラーがなくて亡くなるということにならないように、県民全てそうではあるが、まずは県として調査しやすい生活保護世帯についてやっていただけないであろうか、お尋ねする。

◯地域福祉課長  生活保護の方のところには定期的にお邪魔をして、生活状況を拝見させていただいている。その中でクーラーがなく心配なときには、元からついていなければ保護費で買われたらどうかということも言うであろうし、壊れているようであったら生活福祉資金を借りられてはどうかといったアドバイスを個別にしていくことかなと思っている。


国民健康保険税の減免

◯佐藤委員  だんだん高齢化していくのでその辺も留意して、お願いしたいと思う。
 それから前回も聞いたが、コロナの影響での国民健康保険税の減免の状況だが、どうなっているのか。

◯健康政策課長  減免の実績であるが、令和元年度分と2年度分とあって、元年度分であると県内全てで214件、令和2年度分であると299件である。

◯佐藤委員  これは各市町に申請してということになる。299件と214件というのは実際に減免された件数だと思うが、減免申請されている件数はどのくらいなのか。

◯健康政策課長  減免の決定をされた世帯数であるので、実績だと思っていただいて結構だと思う。

◯佐藤委員  そうすると、前年比で3割とか減収になっていれば全て対象になっていると、申請してきたら全て対象にしているということでよろしいか。

◯健康政策課長  それで結構だと思う。

◯佐藤委員  聞き方が適切かどうか分からないが、国民健康保険税は所得割なので、単純に言うと前年比の所得というのは市役所のコンピューターでどの程度減っているかは分かると思う。そういう調査はされているのか。

◯健康政策課長  本人への通知のときに減免の規定があるということで、全てにチラシを入れるなりして分かるようにしている。そのほか全市町において広報もしているので、漏れがあれば分かると思っている。申請がないところはまだだと思うが、来ているところについては全て終わっていると思っている。

◯佐藤委員  引き続き広報を含めて丁寧な対応をお願いしたいと思っている。
 それと、あんまりケースはないのかもしれないが、コロナによる傷病手当の状況というのはお分かりになるか。

◯健康政策課長  8月までの実績はゼロである。まだ途中であり、最終的ではないが、1件話があると聞いている。

◯佐藤委員  全ての市町で対応できるように条例はつくられたということでよろしいか。

◯健康政策課長  それで結構である。



沖縄への看護師派遣

◯佐藤委員  沖縄県知事からの要請に応えて、福井県から確かお二人の看護師さんが2週間ぐらい応援に入られたと思う。復命されていると思うが、具体的な活動内容、教訓等があればどういう内容だったのか教えていただきたい。

◯健康福祉部長  全国知事会の第一弾の派遣として、沖縄県那覇市で具体名を申し上げてはいけないと思うが、院内感染が多量に発生した病院で、医療従事者も感染してしまったので、そのマンパワーの補充ということで他県から派遣された数名の看護師と一緒に2週間業務を行った。
 実際にばたばたしていたのだろうと思うが、グリーンゾーンとレッドゾーンというような言い方をするが、施設で院内感染が発生した場合にはそういうゾーン分けが必要であるが、そこがしっかりとされていない状況で病院に入り、院内感染が発生したところではまず何をしないといけないかということを、身をもって体験されたという話を伺っている。外来診療とかを止めて、入院患者で感染した人はまた別のところに行くということもあったようであるが、病院の中でうまく機能し出して、安全に治療を続けていくという状況を実際に体験された。福井県内ではこういった事例、現実には一部を除いて起こっていないので、そういったことを県立病院から派遣された看護師が体験したということで非常に貴重な体験になったと伺っている。

◯佐藤委員  ちょうど台風の時期でもあったので、そういう意味でも大変であっただろうし、院内感染の状況も大変だったと思う。派遣されたその看護師2名のメンタル面とかは大丈夫だったのか。

◯健康福祉部長  戻られてからPCR検査を2回受けて、戻ってからの1週間強はホテルで滞在していただいて、その間電話ということにはなるが、病院との間でも県との間でもやりとりをしながらいろいろ話を伺っていた。行った方が比較的明るい方で、そういった意味で我々としても励みになったというところはあった。

◯佐藤委員  貴重な体験だったと思う中で、知り合いの看護師関係の方からかわいそうにとか、そういう声も一部聞こえたので、そういう気持ちもあるのかと思ったが、元気で帰ってこられたのであれば今後の教訓に生かしていただくようにお願いしたいと思っている。


コロナを受けて、子どもがいる家庭、子どもの貧困への新たな対応は

 それから、一般質問の部長答弁で母子父子寡婦福祉資金の貸付けの追加給付申請が、8月末現在で約1,900件というような答弁があった。また教育長の答弁では、給食費を公費で出している子どもさんは小中学校で約4,985人いるが、休業中に給食はもちろんないし、手当はされなかったという答弁があった。そういう意味ではコロナの影響も加わって貧困問題については、これからもフォローが必要だと思う。コロナを受けて、子どもがいる家庭、子どもの貧困への新たな対応はどのようにお考えか。

◯副部長(子ども家庭)  先日、部長からも答弁させていただいたが、先ほどの1,900件というのは、国がつくったひとり親家庭臨時特別給付金、児童扶養手当を受給している世帯に一律に支給される定額5万円とそれに加えて特に収入が減った世帯に対して追加給付がされるが、この追加給付に関して今1,900件の受付をしている。ちょっとした家計の変動があれば速やかに申請を受け付けるという形で各市町も頑張って声をかけている。
 ひとり親家庭に関しては、通常から各市町や県の健康福祉センターに相談員がおり、県の相談センターなどで個別に連絡を取っているので、その中で新しい問題があったら対応していきたいと考えている。


●新型コロナウイルス感染症に係る医療機関への支援に関する意見書案

◯田中(宏)委員長  
 それでは、先ほど兼井委員から提案があった意見書案の提出についてを議題とする。
 兼井委員から、新型コロナウイルス感染症に係る医療機関への支援に関する意見書案が提出されているので、書記から意見書案を配付させる。

      〔意見書案配付〕

◯田中(宏)委員長  それでは、兼井委員より、本意見書案の趣旨説明をお願いする。

◯兼井委員  それでは、本意見書案の趣旨を説明する。
 新型コロナウイルス感染症については、依然として事態の収束が見えない中、本県においても感染症指定医療機関を初めとする医療機関が最前線に立ち、感染拡大防止と患者の治療に尽力されている。
 一方、一般患者の受診控えの傾向が全国的に広がっており、本県でも病院、診療所の別なく、診療報酬が大幅に減少する等、医療機関の経営に大きな影響を及ぼし、新型コロナウイルス感染者を受け入れた病院では救急や手術などの診療の抑制が経営状況の悪化に追い打ちをかける結果となっている。
 こうした状況が続けば、新型コロナウイルス対策だけでなく、地域医療の提供体制そのものが維持できなくなることが懸念される。
 よって、受診控えにより経営が悪化している医療機関に対する経営支援策を早急に講じること、患者、感染者受入れ病床の確保により、診療抑制した減収分を補填できるよう支援すること、医療用物資の安定供給・確保について一体的な体制の構築を早急に行い、所要の財政支援を行うことを国に対して求めるものである。

◯田中(宏)委員長  説明は終わった。意見書案について発言をお願いする。

◯佐藤委員  非常に大事な意見書だと思う。従前から私も主張してきたが、前回の議会のときには福井県全体の減収状況が分からないという話もあったが、保険医協会の新聞を読むと全国で、3か月で前年比8,158億円減ったと。福井県の社会保険と国民健康保険と合わせた合算の数字を見ても入院は全国トップの減少である。何で福井県がトップになるのかはいろいろ分析もあるとは思うが、入院にしても外来にしても、福井県の医療機関で大きな減収があるので、先ほどの副部長の答弁もあったが、こういう意見書を出して、国からの支援をしっかり求めて、福井県なりの医療体制を守っていくということは極めて大事だと思う。

◯力野委員  先ほども申し上げたように、地域の医療体制の崩壊につながらないように、直接コロナだけでなくて、疲弊している病院がたくさんあるということを踏まえて、私も国に求めることに賛成したいと思う。

◯田中(宏)委員長  ほかに発言はないか。

      〔「なし」と呼ぶ者あり〕

◯田中(宏)委員長  ないようであるので、意見書案についての質疑、討論を終結する。
 これより採決に入る。
 本意見書案を議長宛てに提出することに賛成の方は挙手願う。

      〔賛成者挙手〕

◯田中(宏)委員長  挙手全員である。よって、本意見書案を議長宛てに提出することに決定した。

災害対応時被災の自治会長への補償。コロナ禍での原子力防災訓練の検証。救急車の平均の現場到着時間と病院への到着時間。関西電力美浜原発事故・再稼働問題

2020年11月25日 | 福井県政
 2020年9月24日 福井県議会厚生常任委員会 安全環境部関係での佐藤正雄委員の質疑です。

災害対応時被災の自治会長への補償

◯佐藤委員  全国各地の災害を見ていれば、自治会長さんが要支援者の救護に対応され、救護中に被災されるという場合も想定される。前回も言ったが、福井市はこれまで自治会長さんが災害時に救護に当たり被災された場合は公務災害という扱いをしていたが、それもやめることになったと聞いた。県内17市町でいろんな方が救護されるであろうが、とりわけ自治会で中心的な役割を果たす自治会長さんの災害時の補償はどうなっているのか。

◯危機対策・防災課長  市町によってその状況は変わってきている。包括的に入っている場合もあるし、対象としていない市町もあり、そこはばらばらである。

◯佐藤委員  私が聞いたのは、災害時に自分の集落の方を救護したり、要支援者の方をおぶって逃げるとか、手をつないで逃げるとかいろいろあるが、自治会長さん自身が逃げ遅れて被災された場合について、17市町でどういう災害補償になっているのかということである。

◯危機対策・防災課長  今データを持ち合わせていないので、後ほど調べさせていただく。

◯佐藤委員  6月議会で質問したので、そこはきちんとやってほしい。消防団や水防団の関係者はもちろん補償されるであろうし、福井市の場合もお聞きすると、福井市が直接依頼した場合は補償されるが、自主的に動いた場合は補償されないと。災害のときに市役所からあの人を助けに行ってくれという指示を全部自治会長さんに何千人、何万人分出せるかというと、それも非現実的な話であり、そこはそれぞれの地域で自主的に救援活動をされると思う。自主的に救援活動をした場合は災害補償されないというのでは実際の中身としては不十分ではないかというのが質問の趣旨であるので確認してほしい。また、実際に自治会長さんが安心して災害時の対応に当たれるようにしてほしいという趣旨でもあるので、よろしくお願いしたい。



コロナ禍での原子力防災訓練の検証

 先般、原子力防災訓練が行われた。課長ともお会いしたが、はまかぜ交流センター、オフサイトセンター、敦賀のプラザ萬象を同僚議員の皆さんと一緒に視察をした。今回、はまかぜ交流センターでは入口で混乱した。マスコミの報道にもあったように、ちょうど暑い日で歩いて避難された人は体温も高くなり、最初の検温でエラーになってしまうこともあって、少しばたばたしたことや、誘導が不十分だったという状況も実際に見ていた。50人と数を限った、数十人の単位でもあれだけばたばたというか、混乱するというのが明らかになったと思う。実際に原子力災害が起こった場合、コロナと原子力災害、大地震ということで対応できるのかというと、少なくともあのシステムだけでは対応できないということが明らかになったのではないか。

◯危機対策・防災課長  はまかぜ交流センターの受付等で少し密になったところは正直あったかと思う。避難所ごとで入口の形状が違うと思うが、天候等に応じて受付を建物の中でやって、できるだけ正常な体温で測るようにするとか、きちんとソーシャルディスタンスを保った上で受付をするとか、各施設でレイアウトの変更も検討していただきながら大人数が避難してきた場合にも対応できるように今後、市町とも話をしていきたいと思っている。

◯佐藤委員  外で受付されていたが、あの会場は知ってのとおり、玄関に行くと狭くなって余計密になり大変になると思う。課長も知っていてそういう答弁をされたのであろうが、実際にそういうことが不可能だということを訓練からも見ないと、訓練をやって、コロナと原発事故と大震災ということの対応で何とかなるねという教訓を導き出されると、これは大変な間違いになると思うが、そうは思わないか。

◯危機対策・防災課長  コロナ禍ということで、住民の方から感染者が出るリスクをできるだけ避けたいということもあり、おおい町とも話をさせていただいて、今回人数を少し絞って訓練をさせていただいた。
 今後、人数も増やしながら検証させていただき、そういう課題の対応を訓練等を通じてやっていきたいと思っている。

◯佐藤委員  非常に問題が多いということは、現場に行った県議会議員も多分同じ認識だと思う。50人の参加であれだけばたばたするわけであるから、それが何百人、何千人ということで動き出すと、全体が大変だというのは実感されたと思うので、そこはしっかり教訓として見ていただきたいと思う。


救急車の平均の現場到着時間と病院への到着時間

 それと原子力防災訓練だけではないが、救急車の平均の現場到着時間と病院への到着時間が今どうなっているのかということで資料をもらったが、平成27年と令和元年ということで5年間の推移を見ると、現場到着時間は9つの消防本部のうち5つの消防本部で遅くなっている。とりわけ原発のある若狭の地域では1分以上遅くなっている。それから現場で救急処置をしてから病院まで搬送する時間、これは9つの消防本部のうち8つの消防本部で遅くなっている。とりわけ若狭の消防本部では4分近く遅くなっている。消防本部の体制の問題とか事情はいろいろあるが、どのように分析され、どのように改善されようとしているのか。

◯危機対策・防災課長  平均現場到着時間、平均病院到着時間については、委員指摘のとおり、若狭消防組合等で4分ほど長くなっているが、これは一概に単純比較するものでもなく、それぞれの案件の状況によって、遠い現場で救急活動をされた例もあるので、遅いからこれをもって体制を見直すとかは今のところは考えていない。

◯佐藤委員  そうすると、県としては現場へ到着する時間、あるいは病院へ到着する時間が遅れぎみになっていても、特に問題ないという認識ということでいいのか。

◯危機対策・防災課長  遅れていることについては、事実としてはそうであるので、改善といったところはやっていかないといけないと思うが、一つ一つの案件で変わってくると思うので、そこは各消防本部できちんと分析しながらやっていくべきものだと思っている。

◯安全環境部長  今ほど課長が答弁したが、個別の事案があるので、過去との比較で言うと若干遅くなっている部分はあるかもしれない。ただ、全国と比較すると、県内の消防本部の平均到着時間は全国よりも早いという水準の中であり、過去との比較において個別の消防組合で案件によって遅くなるというようなこともあろうかと思う。ただ、傾向として今後も遅くなっていくようなことがあれば、それは構造的な問題もあるかもしれないので、我々としても注意深く見ていきたいと思っている。
 それと、先ほどの原子力防災訓練の話もあったが、私もはまかぜ交流センターにいたが、現場においては出入口が狭くなったということもあった。報告でも申し上げたが、この訓練は原子力防災訓練として全国で初めてであった。個別の避難所の運営訓練はそれぞれの市や町でやっていたが、それは住民の参加を得ずに行政だけでやっていた。そういう意味でいうと住民が参加した訓練としては県内でも初めてであるし、全国でも原子力防災訓練としては初めてである。その中で、いろんな課題が見つかったということについては、当然改善できるところはあると思う。先ほど課長が申し上げたように、検温を外でやっているというのは日陰でやればいいわけであるし、問診も一緒にやっていたが、熱があるかどうかの確認だけ先にして、問診などは中に入ってからやればいいのである。こういう手順の見直しをして、ガイドラインの修正も行って、より効率的かつ効果を高めるように訓練を重ねていきたいと考えている。

◯佐藤委員  消防の救急の話であるが、要因が何かあるのかないのか。全国に比べて福井はまだ早いほうだという話であったが、全国に比べて早い遅いということを問題にしているのではなくて、十数年前であるか、県内の消防本部の統合計画というのが県でも議論されたことがあって、消防本部を統合したら、今言ったように救急車や消防車の現場到着時間が遅くなる危険があるから反対だという声が消防署の中にも結構あって、結果的にはそうならなかったといういきさつがある。だから、地理を含めて地元をよく知っている職員が消防の最前線で任務を担うということは極めて大事だと思っている。
 今心配しているのは、これは令和元年までの資料であるが、今年はコロナの関係で救急隊員の活動も厳しくなっていると思う。倒れていると、コロナなのかどうかということでシールドやマスクをしたり、より厳重な患者対応をされていると思うので、より負荷はかかっていると思う。そういう点ではコロナ時代の救急とか消防の体制というのが、今のままでいいのかどうかというのは、もちろん機材の見直しはされているだろうが、増員とか必要な体制、どうあるべきなのかというあたりも含めて検討してほしいと思うが、どうか。

◯安全環境部長  今年度についてはコロナの対応ということで、それぞれの消防組合でもどういう防護服を着るのか、どういうシールドを貼るのかというところも含めて具体に患者の搬送を行っている。職員一人一人にはこれまで以上に負荷はかかっているだろうと思うが、そこは研修などを通じてスキルや考え方を平準化しながら、それぞれの消防組合がやっていることかと思う。我々としては、消防組合がいろいろ抱えている課題を幅広く聞き取って、これからより良い消防活動、救助活動につなげられるようにやっていきたいと考えている。

◯佐藤委員  原子力防災訓練のときに、コロナの対応で人数を絞ってやったという話があったが、絞ることができないのは消防である。コロナだから出動回数を減らそうというわけにいかない。これまでと同じように例えば熱中症とか、けがをしたとか、倒れたとか通報があれば出動するわけであるから、そういう点では単純に負荷がかかるというだけではなくて、病状の確認とかいろんな手間もかかる。病院へ搬送したときの受入れの関係もこれまでだったらすぐに病院の中へ入っていけたが、発熱していたらぱっと病院の中に入れないということも含めて時間もかかることになっていると思う。体制の問題とか対応の問題とか含めてしっかり見ていかないと、コロナがいつまで続くかは分からないが、今の人数でやっていくと無理が出てくる。要するに、これまでと同じような対応ができなくなる状況がもしかすると出てくるかもしれないという危険性もあるわけであるから、そこは考慮してほしいと思うが、いかがか。

◯安全環境部長  繰り返しになるが、コロナに関連して消防、救急でもいろいろと課題というふうに認識されている部分もあろうかと思う。例えば、保健所とそれぞれの消防組合は具体的な搬送の手順についても連携しながらやっているところであるが、これからも連携がしっかり続くように我々としても努力していきたいと考えている。


犯罪に関して

◯佐藤委員  犯罪被害者を支援するということで、犯罪者の扱いは何か定めるのか。

◯安全環境部長  犯罪被害者等ということで、何が犯罪かということだが、刑法に触れるようなもの、例えば暴力というようなこともある。一方で危険運転等も含めた交通事故の被害者についても犯罪被害者に含まれる。等というのは、本人は当然であるが、遺族も含まれることがあるということで等が入っているところである。

◯佐藤委員  どちらかというと凶悪的な犯罪被害に関わる条例ということで、軽微なものについては余り関係しない条例だという回答だと思うが、そういう認識でよろしいか。

◯安全環境部長  一般的に犯罪に遭われて、精神も含めて心身に負荷がかかった方を支援するということであるので、一般的に軽微な犯罪については余り心身の負荷が与えられないということだろうとは考えている。

◯佐藤委員  これは少し微妙な話にはなるが、例えば、東京や大阪の新聞の紙面と、福井の新聞の紙面とで犯罪事件の報道を比べると、車のひき逃げとか殺人とかの凶悪事件はその紙面は変わらないと思うが、コンビニで500円のパンを盗んだとか、100円のおにぎりを盗んだとか、福井の場合はこういうケースも紙面に載る場合が多い。これは検挙されればマスコミにも通知するので、マスコミはそれを載せるということになるわけだが、再犯防止という観点から考えると、この条例制定の中で議論すべきかどうかは別として、そういう軽微な犯罪まで全部周知するのはいいかどうかという問題を考える必要があると思う。初犯と再犯の場合とで扱いは変わってくるであろうが、福井のような小さな町では名前が新聞に載ることによって、あの人はコンビニでパンを盗んだと周知されてしまう。そのことがその人の将来に与える影響も出てくる面もあると思う。再犯防止という観点に立てば、そういうことがいいのかどうかということも、これは凶悪犯罪とは別で軽微な犯罪の扱いということで、県民の犯罪の再犯を抑止するという点から警察本部も含めて検討いただきたいと思うが、いかがか。

◯安全環境部長  今回の条例は犯罪に遭われた方を対象としているので、今の質問の犯罪をした者に対する報道については県警察の所管だと思うが、犯罪被害者等の条例をつくるに当たって県警察とも連携を取り、いろいろ情報交換をしながらやっているので、今日こういう議論があったことは伝えておきたいと思う。



関西電力美浜3号機事故に関して

◯佐藤委員  原子力の関係で、先日視察もさせていただいたのでお尋ねしたいと思う。美浜3号機の事故のことは一般質問でも取り上げたが、確認であるが、美浜3号機の事故は福井県の原子力行政の下で起こった事故だという認識はあるか。

◯原子力安全対策課長  美浜3号機の事故は平成16年8月9日に発生した。委員がおっしゃられたように、運転をしている中、定期検査に入る直前の段階で2次系の配管の破損により蒸気が噴出して11名の死傷者が出た事故である。

◯佐藤委員  私は福井県の原子力行政として責任を感じているかどうかをお尋ねした。

◯原子力安全対策課長  発生した後に、我々としても安全最優先の意識がなかったのではないかということで、上から下の方までしっかりと徹底すること、さらには安全を確保する上での支援機能を強化するため原子力事業本部を美浜に設置するよう求めた。我々としても事故を踏まえて安全性を高めることについていろいろと関西電力に求めた。

◯佐藤委員  8月9日に安全の誓いという式典が原発の中で社長も参加して行われていることが毎年報道されている。ここに県の幹部は参加されているのか。

◯原子力安全対策課長  これについては関西電力の社長以下、原子力に関わる者全てが安全最優先の心持ちをしっかり思い出す、さらに事故の反省、教訓を胸に刻むという意味で行われているものと思っている。

◯佐藤委員  亡くなった方を慰霊し、二度とこういう事故を起こさないという誓いの場に、なぜ福井県は参加されないのか。

◯原子力安全対策課長  これは関西電力において、再発防止対策をいろいろ行う上での一つとして、その意識を風化させることのないようにということで事故以降ずっと取り組まれているものだと思っている。

◯佐藤委員  県のその姿勢というのは、もちろん関西電力が悪いのであるが、事故が起こったのは関西電力が悪いということで突き放して、自分の責任を感じないという問題があるのではないかと思う。事業主体は関西電力であり、第一義的な責任はもちろんであるが、一度も配管が点検されていなかったとか、利益優先で原発の運転中に点検の準備作業を始めるように変わってきたとかを県がどこまでチェックしたかどうかは別にして、そういうことも含めて行き届かなかったという反省が足りないのではないか。

◯安全環境部長  先ほどの8月9日の件であるが、これは関西電力が会社の行事としてやっており、我々は関西電力を監視する立場として同列には参加していない。
 平成16年の美浜3号機の事故だが、関西電力には原因の徹底究明と他の発電所も含めて再発防止を求めている。県としてもしっかり監視するが、県の原子力安全専門委員会においても専門家の方の幅広い知見を生かしてソフト、ハード両面から対策をしている。これは美浜3号機を一つのきっかけに活動しているが、その後のいろんな再稼働に当たっても、我々としてもしっかり県としての責任を果たしながら原子力の安全を地元の立場から守っていると考えている。

◯佐藤委員  今、原子力安全専門委員会のことをお話しされた。前の委員長の中川先生が、県庁の売店にも売っている雑誌の中で最近何と言っておられるかというと、40年運転、これが60年まで延長というが、40年間の中で、例えば5年か10年かは別として運転していない時期があると。これは40年の運転期間の中に入れなくてもいいのではないかということまでおっしゃっている。こういう方が福井県の原子力安全専門委員会の委員長だったのかとちょっと衝撃を受けた。以前も関西電力は60年までのあと僅かな期間の運転にこれだけの巨額を使って元は取れるのかと、さらなる運転延長も考えているのではないかというようなことをおっしゃったこともある。原子力安全専門委員会の委員長をされた方が、今は委員長の職ではなくなったが、こういう発言を公にされて、雑誌の中で堂々とおっしゃっていることについてどうお考えか。

◯安全環境部長  個人的な見解は別にして、原子力発電所の運転は法律で40年運転を原則とするが、1回に限り最長20年運転ができると決まっているから、その範囲の中で運転していくことが原則だと考えている。

◯佐藤委員  そんなことは中川先生も分かって雑誌で発言されている。
 先ほどもあったが、部長報告の中で再稼働の議論を始める状況にはないという後に何点か指摘されている。金品受領問題の調査結果とか業務改善計画の問題、労働災害問題、新型コロナ対策、地元の安全や地域への貢献という点で、県がこうなれば議論に入るというような基準点みたいなのは考えているか。

◯安全環境部長  金品受領問題や業務改善計画の実施状況については、報告すると言っているのでその報告があるものと考えている。コロナ対策と労働災害問題については、これまでの対策を強化しているということであるが、これからも起こって、それが構造的な問題とならないように求めているものであって、それが何件であるとか、いわゆる数値的な目標があるというものではない。

◯佐藤委員  そういう曖昧なことではずるずると行きかねないという懸念があるわけである。先ほどの中間貯蔵施設の年内の期限の問題にしてもそうであるが、先ほどの答弁をお聞きすると、年内期限が守れなかったらもう駄目であるというような態度は取らないわけである。駄目だと、信頼できないから止めなさいというのではなく、ずるずると期間を延ばす、基準を延ばして、そして40年の運転継続を認めるということになりはしないかという懸念があるわけである。そういう県民の心配にはどう応えるのか。

◯安全環境部長  一つ一つの行動を我々も含めて県民が見ているわけで、信頼回復につながるような実績をしっかりと示していただく。その中には当然、地元との約束を守っていただくということも必要なことだろうと考えている。

◯佐藤委員  仮に中間貯蔵施設の場所が年内に示されなかったら、40年再稼働もリンクさせるということまで踏み切れるのか。

◯安全環境部長  信頼回復をどういうふうに進めていくかということの一環として我々としても見ていきたいと考えている。

◯佐藤委員  先ほども言ったように、いろんな問題を起こしてきている関西電力に対して、そういう姿勢では県民の信頼を得る福井県の原子力行政にならないということを申し上げて質問を終わる。


新型コロナ、PCR検査の社会的拡充を。11名が死傷した関電美浜原発事故の教訓。新幹線と北陸本線第三セクター化の諸課題

2020年11月25日 | 福井県政
2020年9月16日におこなわれた佐藤正雄県議の一般質問です。

◯28番(佐藤正雄君) 日本共産党の佐藤正雄です。
 新型コロナ問題で議論が交わされてきましたが、改めて痛感するのは、コロナ危機で浮かび上がったのは弱者に対する社会政策の貧弱さということです。独り親世帯、フリーランサー、日雇い労働者、技能実習生などの外国人労働者は、雇い止めや仕事がなくなり収入ゼロとなる。コロナ禍での生活困難は、日本では生活保障が基本的に自分の労働所得に依存している自己責任の強い環境であり、新自由主義の下で歴代政権が国民生活を守る生活を軽視してきた結果にほかなりません。国民生活基礎調査による日本の相対的貧困率は、2016年は15.7%でOECD平均より高く、G7の中ではアメリカに次いで貧困率が高いという状況です。
 これまで政府・財界は、「国民生活は自助・共助で守れ」という自己責任論を振りまき、少なくない国民も影響を受けました。本日誕生する菅政権はその方向をさらに露骨に進めようとしております。しかし、コロナ危機は、「国民生活を守るのは政府だ、地方自治体だ」ということを明らかにしたのではないでしょうか。だから、国民1人10万の給付金が実現し、雇用調整助成金を1日8,300円から1万5,000円に引き上げる、休業手当も会社が申請しないなら労働者が自己申告してもいいと、ある意味、画期的な大きな変化が起こったわけであります。福井県も今回の補正予算案を含め、県民生活支援、医療機関や中小企業支援へ積極的に財政出動を行っています。病気にかかるのはあなたが悪いとの自己責任論ではコロナを乗り越えることはできないからです。
 また、歴代政権、安倍政権の下で医療の縮小、公衆衛生分野が後退させられ、この21年間で伝染病ベッドの数は、1998年に9,060床あったものが1,869床に大幅減少するなど、驚くべき削減が行われてまいりました。保健所の削減も1992年の852か所から今年4月には469か所と半減です。そこで安倍政権は、陽性者の早期発見、早期治療を遅らせるしかなくPCR検査の抑制策を取り、人口比での検査順位は世界152位という状況になっているわけです。
 二つの「M」ということが言われます。医療「メディカル」と軍事「ミリタリー」です。医療や公衆衛生分野の削減の一方で、軍事費は5兆3,000億円に膨らみました。核兵器廃絶国際キャンペーン──ICANの試算では、フランスの核兵器費用を医療に回せばICU10万床、人工呼吸器1万台、看護師2万人、医師1万人の給与が払えるそうです。日本でも5.3兆円の軍事費のうち、戦闘機とか武器などの支払い約1.1兆円を医療分野に回せば、ICU1万5,000床、人工呼吸器2万台、看護師7万人、医師1万人の給与が払える勘定になります。財政は無限ではないわけで、使い道の転換をコロナパンデミックは世界と日本に突きつけているのではないでしょうか。
 さて、長崎県では医療機関でのクラスター発生を教訓に、インフルエンザの時期に備えて病院、介護施設、障がい者施設、精神科医療機関で全ての新規の入所、入院患者を対象に無料でPCR検査を実施いたします。全国各地でこのような取組を行う自治体が広がってきております。なぜこういう取組が必要なのか。それは、無症状の感染者を含めて早期発見、早期保護・治療につなげ、感染拡大を抑えるためです。
 東京の世田谷区でも取り組むことが報道されております。ここはPCR検査能力の現状も踏まえて、一度に5人分の検体を検査するプール方式も採用するとのことです。この検査は、陰性が出れば5人全員が陰性と判断できます。仮に陽性が出た場合に1人ずつの検体検査を行い陽性者を突き止めます。このような方式であれば仮に福井県のように1日約300の検査能力があれば、1,500人分の検体検査が可能だということになり、インフルエンザ流行期への備えともなります。10人分のプール検査を行えば3,000検体の検査が可能になります。日赤の献血のウイルス検査でも採用されている手法とお聞きいたしましたので、合理性、科学性はあるわけです。福井のような感染状況なら、5人まとめてのプール検査を行っても、陰性が多いために職員の手間の省略にもなるでしょう。感染者が大量に発生していない福井県でこそ実施すべきではありませんか。
 そこで知事にお尋ねいたします。インフルエンザ流行期に備え、病院、介護事業者などでの感染クラスターを阻止するために、徹底した社会的な検査の拡充に踏み出すべきではありませんか、見解をお尋ねいたします。


 次に、医療、介護事業者の慰労金の申請支給状況について質問します。
 対象となる医療機関、介護事業所のそれぞれの総数と申請した事業所の数と割合、また、事業者に支給された慰労金が確実に対象の労働者に行き渡ることの確認はどのように行うのか、お尋ねいたします。

 次に、原子力行政について質問いたします。
 原子力発電所の所員や作業員について、県外から入構する場合には県外でPCR検査を行い、陰性を確認した後に福井県入りするとのことです。しかし、関西電力子会社の社員が県外に出て戻った後で感染が確認されるなど、不徹底の部分も明らかになりました。8月5日、県議会厚生常任委員会で美浜発電所を視察した際に、大飯原発の定期検査では約1,000人の県外からの作業員をPCR検査し、全員が陰性だったとの報告を受けました。
 そこでお尋ねいたします。電力事業者各社について、県外から入構する社員、作業員などのPCR検査件数と陽性だった人数を答弁願います。

 ところで最近、大飯発電所、美浜発電所での労災事故が相次いで報道されました。労災事故の頻発はさらなる重大事故につながる懸念があります。再稼働優先、利益優先で工事を急ぐと、平成16年の美浜3号機事故の教訓が風化しているなと感じざるを得ません。あの事故は配管の検査が運転開始以来一度もされていなかったこととともに、定期検査準備作業を原発の運転をしながら下請作業員に行わせていたこと、つまり1日でも原発を止める期間を短縮して利益を上げたいという関西電力の利益最優先の姿勢が起こしたものでした。絶対に同じ過ちを福井県の原子力行政の下で繰り返してはなりません。
 県の原発事故根絶の決意も含め、美浜3号機事故の国民、県民への継承の必要性について知事の答弁を求めます。

 コロナ禍での大地震による原発事故想定での原子力防災訓練が8月27日に行われ、私もおおい町のはまかぜ交流センター、大飯オフサイトセンター、敦賀市のプラザ萬象でほかの同僚議員の皆さんと共に訓練を視察いたしました。ニュース報道でもありましたが、暑い中での訓練で、一時集合施設の検温で引っかかる方も出るなど夏場のコロナ対策にも課題を残したと思いますし、そういう混乱の中で集合施設内の誘導にも不手際があり、現場に居合わせた私や北川県会議員が住民の方を誘導するなどの一幕もありました。
 さきの台風10号の九州での避難所報道を見ても、コロナ対策で避難所の定員が当初の計画より削減され、親戚宅などに避難してくださいなどのアナウンスがなされておりました。避難所に入れない方々がすぐに代わりの避難先を見つけられる保証はありませんし、近距離に親戚宅があるとも限りません。
 このように、コロナ禍での大規模災害の避難所運営は困難を増すことが容易に想定されます。また、福井市などでもコロナ対策でエアコン設備のある公民館などから、エアコン設備のない体育館などに避難所が変更された例もあります。猛暑の中、エアコンのない体育館での避難生活では熱中症の危険も増大いたします。
 そこで質問します。今回の原子力防災訓練は、台風10号で浮き彫りになったコロナ禍での避難所運営などの課題が明白にならない少人数での住民避難訓練でした。6月議会で私が、住民参加規模の小さな訓練では十分に検証できないのではないかなどと指摘したにもかかわらず、なぜ改めなかったのかお尋ねをいたします。
 また、異常な猛暑、熱帯夜の中での避難所生活が過酷なものになることはこの夏で証明されました。
 避難所として指定されている場所について、エアコンの普及率は何パーセントかお尋ねします。災害対策の事業として、避難所として指定されている体育館などの施設には、県の補助制度も創設しエアコン設置を計画的に進めるべきではありませんか、見解をお尋ねいたします。

 次に、新幹線に伴う北陸本線第三セクター化について質問いたします。
 私が従前から指摘してきました、北陸新幹線沿線の中でも福井県民の1人当たりの新幹線建設費の負担が一番重くなる問題に加え、北陸本線の買取りと第三セクター化の負担が自治体財政にも、また県民利用者にも大きな負担となりかねないことが、今回県が出した試算によって一部明らかになりました。新幹線の犠牲にふだんの通勤・通学で在来線を利用する県民がなることは許されません。
 しかも、経営計画については年度内に策定するとのことですが、そうなりますと県議会としての実質的な審議はこの9月議会と12月議会しかありません。しかし、今議会に出された「並行在来線への出資および経営安定資金について(案)」という簡単な資料は、出資、経営安定基金、運賃水準との関係について触れられていますが、全体像についての大まかな説明がありません。私はJR西との北陸本線買取り交渉などの資料も示すべきと求めましたが、出されておりません。
 振り返れば新幹線建設決定の際にも、沿線自治体の市長、町長の並行在来線分離に合意する旨の承認は急いで取られたものの、福井市議会はじめ沿線自治体議会の承認を得ないまま、極めて非民主的なやり方で北陸本線のJRからの経営分離が県民に押しつけられた経緯があります。今回も、県議会はじめ沿線自治体議会に詳細な説明を行わないままに、タイムリミット論で押し切ろうというのであれば県民不在のそしりは免れません。

 そこで何点か質問いたします。第一は、私は鉄道施設などはもともと日本国有鉄道であり国民の財産であったわけですから、無償譲渡を求めるべきとの立場ですが、県は「JRは簿価での譲渡を基準としており、富山県並みの削減での取得を目指す」との説明でした。交渉も最終盤でしょうが、その方向でまとまる見込みなのか、お尋ねいたします。
 第二に、今回示された資料にはJR貨物などからの収入を含めた経営収支の全体像が示されておりません。その案をこの議会に示すべきではありませんか。
 第三に、その際に、県議会でも全会一致で議決し、県も求めている在来線特急存続の行方が欠かせません。しっかり県民益を守る立場で、JRとの交渉、国への要請、関西圏との連携をしていただき、特急存続を実現していただきたいがどうでしょうか。
 第四に、運賃水準については、新幹線が来ることにより在来線利用の通勤・通学者の負担が増えるようではふだんの県民の利益が損なわれます。ここは、共に新幹線推進をしてきた経済界にも応分の負担を求め、県民に新幹線に伴う不利益が生じないようにするべきではありませんか。
 第五に、JR西は県内16駅の無人化計画を発表しました。ICOCAカードへの対応シフトとして北陸本線の今庄、南条、森田、春江、丸岡、小浜線は乗務員への対応シフトとして美浜、三方、若狭本郷、若狭高浜など10駅と越美北線の九頭竜湖駅です。理由の一つに利用者の減少を挙げております。しかしこれは、利用者を増やし地域活性化を、と取り組んでいる自治体にとっては乱暴な計画であります。高齢化社会にあって利用者の安全の問題も課題です。
 県はこのJRの計画に対してどのような見解を持って、JR側に伝えたのかどうか、お尋ねをします。
 また、北陸本線の3セク化の後には、仮にこのJRの計画が実施されていたとすれば、住民の利便性や安全の観点から復元すべきと考えますが、見解をお尋ねいたします。

 さて、今議会には家庭教育支援条例が提案されました。女性団体からは、今議会で拙速な条例制定は行わないよう、要望書が議会に届けられております。私も、子育て中の方や独身の方などから条例案への御意見をお聞きしましたが、総じて保護者への責任の強調、自己責任の強調が強いのではないか、支援というが自己責任で苦しめられるものになるのではないか、本当に支援が必要な人に支援が行き届くのかなどの声でした。
 実際、今回のコロナ禍で小中高生にも突然の学校休校や夏休み授業など、大きな負荷がかかりました。このような実態は、少なからず家庭にも負荷をかけました。特に独り親家庭では、急に仕事を休まざるを得ないことなどで家計にも大きな影響が出たことなどが報道されております。独り親家庭への新型コロナウイルスの影響についてNPO団体が調査した内容がマスコミでも報道されました。収入減少が7割、収入途絶──なくなった方が約2割。食事を3回から2回とか1回に減らしたとか、親は食事を抜いて子どもだけに食べさせた、などといった回答が少なくなかったといいます。まさに貧困日本の実態が浮かび上がりました。
 今求められているのは、自己責任を強調しかねない家庭教育支援条例ではなく、本当に困っている御家庭や子どもたちへの生活支援ではありませんか。福井県の以前の調査でも独り親の貧困問題が指摘されていたではありませんか。
 そこでお尋ねいたします。県はコロナ禍で、特に子育て中の独り親家庭、貧困家庭の状況をどのように把握し、どのように支援されたのかお答えください。
 また、就学援助で学校給食では給食費が出ているお子さんに対して学校休校措置を講じているのであれば、自宅での昼食代の補助が必要でした。しかし、準要保護の就学援助では学校休校中の昼食代を支給しなかった自治体も少なくなかったようです。
 そこで質問いたします。県全体で給食費の就学援助を受けている児童総数、コロナ休校中にその分の昼食代が手当てされた市町数、児童総数をお尋ねするとともに、県として今回のような休校の事態の場合、今後の改善方向をどのように考えるのかお尋ねし、答弁を求めます。

◯副議長(島田欽一君) 知事杉本君。
    〔知事杉本達治君登壇〕

◯知事(杉本達治君) 佐藤議員の一般質問にお答えを申し上げます。
 まず、感染クラスターを阻止するために徹底した社会的検査の拡充をすべきではないかという御質問についてお答えを申し上げます。
 幾つかの検体を一度にまとめてプール方式で検査を行うという方法につきましては、一度に多くの検体が調べられるというメリットはありますけれども、一方で、一度陽性が出たときにもう一度検査しないと陽性者が特定できないということがございまして、再検査の必要があることと、陽性者を特定するまでの時間がかえってかかってしまうというようなデメリットもあるわけでございまして、御指摘いただきました世田谷区におきましても当初そうしたことを検討された経緯があるようですけれども、最終的には断念したというふうに私どもは伺っているところでございます。
 クラスターが発生したときに大きな影響があります医療機関、それから高齢者福祉施設、こういったところで入所のときまたは入院のときにPCRの検査を行うという考え方もあるわけですが、検査を行いましても、その後ずっと陰性であるということが保証されているわけではございませんので、その後も頻繁に検査を繰り返していかなければいけないということでもございますし、そのときにどれぐらいの頻度でどの範囲でやっていけばいいのかという知見も今得られていない、そういう状況かというふうに思っております。
 また、国のほうでは新たに高齢者とか基礎疾患のあるような方々に対して検査の費用の助成を行うという閣議決定がされたわけでございます。こういったことで、国のほうは検査の対象を増やそうということを検討中だと認識しております。
 こういう中で県といたしましては、当面は今やっておりますようにそうした医療機関、それから福祉施設で感染の疑いがあるような症例が出てきたときには、接触の可能性のある方を全て検査を行って迅速に隔離していく、この現状のやり方を継続しながら、さらに効果的な知見が得られればそういったことに範囲を広げていく、こういった方向で検討していきたいというふうに考えているところです。
 引き続きまして、美浜3号機事故の国民、県民への継承の必要性についてお答えを申し上げます。
 美浜3号機事故は、私も総務部長でこちらへ参りましてすぐ、平成16年の8月9日に発生したわけでございます。このとき関西電力に対して、安全最優先の意識を徹底するようにということ、また、関西電力は福井県に軸足を置いて、プラントの安全性、安全確保、こういったものに万全を期すようにということで申入れを行ってきたところでございます。翌年には原子力事業本部を福井県内に移すということもございましたし、また、検証委員会の助言に従いまして再発防止策を徹底してきた、そういう状況にあるわけでございます。
 また、8月9日を安全の誓いの日としまして、先日も行われておりましたが社長自ら従業員と共に安全を守るという決意を誓うということを行ってきているわけでございます。美浜3号機の事故を風化させないためにも、関西電力はこれからも事故の教訓、それから反省を県民に伝えていく努力を続ける必要があると思っております。
 県といたしましても、福島のような事故を二度と起こさないという覚悟を持って、関西電力の安全対策の取組をこれからも厳格に監視していきたいと考えているところでございます。

◯副議長(島田欽一君) 地域戦略部長前田君。
    〔地域戦略部長前田洋一君登壇〕

◯地域戦略部長(前田洋一君) 私から、北陸新幹線に伴う並行在来線の課題について5点、お答えいたします。
 まず、JRとの資産譲渡交渉について、富山県並みの削減で取得の方向がまとまる見込みなのかとのお尋ねでございます。
 JRとの資産譲渡交渉につきましては、年内の基本合意を目指しまして、JRから提出された資料に基づきまして資産内容や現地の確認作業を進めております。交渉中の内容につきましては守秘義務の制約もございまして、現時点で詳細な御説明はできませんが、不要資産の撤去費相当額の減額、例えば長大な、長いホームの要らない部分については減額してくれという交渉をしているということでございます。そのほか、事前修繕を徹底して良好な状態で譲り受けると、こういった交渉をしてございまして、富山県をはじめとした先行県と同等以上の条件で譲渡されるように粘り強く交渉してまいります。
 次に、JR貨物などからの収入を含めた経営収支の全体像を示すべきと考えるがどうかというお尋ねでございます。
 今回お示しいたしました運賃水準と経営安定基金の規模についての資料でございますが、県民生活に影響する運賃水準等につきまして、先んじて議会の御意見を伺いたいということで、利用者数は今後10年現状を維持する、経費等につきましては現状の普通列車の運行にかかる費用とするなど一定の条件を置いた形で、幅を持たせた形での試算を出させていただいております。
 経営収支の全体像でございますが、現在並行して増便とか快速列車の運行などの利用促進策でありますとか、資産譲渡交渉の結果──まさに先ほど申し上げたところの反映をしていく、そうしたものを踏まえた経費に連動する貨物線路使用料などの収入見込み、こういったものを合わせて収支見通しの精査を進めてございます。経営計画案と併せて12月議会でお示ししたいというふうに考えてございます。
 次に、県民益を守る立場でJRとの交渉、国への要請、関西圏との連携をして、特急存続を実現してもらいたいということでございます。
 特急存続につきましては、新幹線の収支悪化を招くため難しいと、国のほうはこのように申しておりますが、その国に対しても、毎年度の重要要望などの機会に直接要請してございますし、JRに対しましては、1日数往復程度だけでも残せないかといった提案をし、協議を重ねているところでございます。しかしながら、JRの考えとしましては、新幹線を利用することが基本かつ大前提であること、経営分離された区間に特急が運行されている例というのは全国的にもないとの原則を主張されてございまして、なかなか特急存続は難しいといった主張を繰り返されているのが現状でございます。
 また、現行の料金体系で新幹線が走った場合と特急が直接乗り入れた場合というのを比較してみますと、運行区間が三セクとJRという経営主体が二つに分かれるということ、新幹線が入ることによって特急のほうは乗り継ぎ割引ということで特急料金が半額になるということになりますので、そういうふうにして現行の料金体系で試算しますと、乗り入れた特急で直接大阪まで行く料金が、新幹線を利用した場合よりも高くなるというような形になります。そういったことにつきましては、実際にはさらなる割引の適用など、料金を引き下げるというような交渉が必要になってくると考えてございますが、先ほど申し上げましたように、特急の存続自体がJRとしてはなかなか厳しいといった状況の中で、こういった料金の交渉というところにもなかなか入れていないというのが現状でございます。
 なお、本県以外の沿線府県の状況でございますが、基本的には敦賀開業による時間短縮効果が大きいということもあって、特急存続というよりは敦賀駅での上下乗換えによって乗換え利便性を確保する、それを最優先にすべきというような考え方でいらっしゃるということでございます。いずれにしても厳しい状況にあります。年内ということで残された時間はあまり多くありませんが、引き続きJRと最善の交渉をしていきたいと考えてございます。
 次に、在来線利用の通勤・通学者の負担が増えないように、新幹線推進をしてきた経済界の応分の負担を求めるべきではないかといった御質問でございます。
 運賃水準については、特に学生さんは自己負担になりますので、通学利用者の過度な負担増とならないように配慮するとともに、先行県の事例も参考にいたしまして、利用者負担と行政負担のバランスを考慮するということが大事かと思ってございます。今県議会でありますとか経済団体、利用者団体の御意見も伺いながら、そのバランスをどういうふうに図っていくかということを検討し、調整してまいりたいと考えてございます。経済界に対しては、並行在来線会社の出資のうち2億円の協力を求めてございます。実際の運営の面では社員の公共交通機関による通勤、いわゆる乗る運動を推進していただく、そういうようなことで協力を求めますほか、駅を中心としたにぎわいづくり、こういったようなところにも積極的に企業さんの協力をいただこうということで考えております。
 最後に、JRの駅無人化計画に対する見解と、JRに対してそれを受けてどのように伝えたのか、さらには三セク化後には、住民利便性や安全の観点から復元すべきではないかとのお尋ねでございます。
 JRの駅運営体制の見直し──駅無人化につきましては、唐突な発表でございまして、私ども県、さらには沿線市町につきましても事前に十分な説明がございませんでした。こうしたことから、このことに対して遺憾の意を伝えました。さらには利用者の利便性が著しく低下しないように考慮すること、さらには駅設置市町の意向を十分に尊重すること、こういったことをJRに対して求めたところでございます。
 並行在来線開業後の駅運営体制でございますが、基本的にはJRの体制を引き継ぐ予定ということでございます。ただし、駅でのサービスは、利用者確保のための重要な項目の一つでございますので、沿線市町の意見を聞きながらどのように対応していくかを考えていきたいと思います。

◯副議長(島田欽一君) 安全環境部長野路君。
    〔安全環境部長野路博之君登壇〕

◯安全環境部長(野路博之君) 私からは、原子力行政に関しまして3点、お答えします。
 まず、電力事業者各社におきまして、県外から入構する社員、作業員などのPCR検査の件数、陽性だった人数はという御質問でございます。
 県内の原子力事業者は、県外から発電所に新たに入構する作業員について、県外にいる間にPCR検査を受けさせ、陽性の場合は来県させない取扱いとしてございます。各事業者の昨日15日現在の状況について聞き取りをいたしましたところ、関西電力の検査数は2,237人、そのうち陽性者は2人、原子力機構の検査数は100人、陽性者はなしとなってございます。なお、日本原電につきましては今月8日から検査キットの配付を開始しておりまして、これから順次検査を行っていくところと聞いております。
 続きまして、原子力防災訓練につきまして、小さな訓練では十分に検証できないのではないかとのお尋ねでございます。
 今回の訓練では、コロナの感染流行の懸念がある中、住民の方から感染リスクへの不安の声もございまして、地元のおおい町とも協議をいたしまして参加人数は決定したところでございます。
 今回の訓練は、コロナ禍において住民が参加した全国初の原子力防災訓練でございます。規模は小さくなりましたものの、検温ですとか人との間隔を空けるなど住民避難の基本的な手順については、参加された住民と避難所を運営する側の双方で確認できたということかと思います。一方で、幾つかの課題も明らかになったところです。
 訓練の様子につきましては、今月末から順次、解説付きの映像をケーブルテレビで放映することとしてございます。訓練に参加できなかった住民に対しましても、映像で住民避難の手順を確認いただき、原子力防災に対する理解促進に努めてまいりたいと考えてございます。
 3点目、避難所のエアコン普及率、避難所に指定されている施設に、補助制度を創設しエアコン設置を計画的に進めるべきとのお尋ねでございます。
 自然災害ですとか原子力災害の避難所となっている施設は、学校、公民館、コミュニティセンターなど、約1,500施設となってございます。このうち約5割の施設においてエアコンが整備されてございます。
 国は、東日本大震災を契機といたしまして、エアコンが未整備の避難所に対しまして、発災時にエアコンやスポットクーラーなどの資機材を被災自治体からの要請がなくてもプッシュ型支援で送ることとしてございます。さらに、県では民間企業との応援協定によりまして資機材の提供を受けることとなっておりまして、災害時には、これらの物資供給体制によりまして避難所の暑さ対策を行ってまいりたいと考えてございます。

◯副議長(島田欽一君) 健康福祉部長窪田君。
    〔健康福祉部長窪田裕行君登壇〕

◯健康福祉部長(窪田裕行君) 私から2点、お答えをいたします。
 まず、医療介護従事者の慰労金の対象となる施設の総数、申請した事業所の割合、それから確実に労働者に行き渡るような確認はどういうふうにするのかというお尋ねでございます。
 慰労金の対象となる医療機関は県内868か所──歯科診療所317か所と助産所24か所を含んでおりますが、これだけございまして、昨日現在で全体の49.7%、約半数の431件から申請をいただいております。それから介護事業所につきましては、複数の事業所を同じ法人でまとめるという作業が必要でございまして、その作業に当たり、今事業所から法人への申請書類の提出が約半数終わっておりまして、今月末までには全体の約8割、2,650か所対象がございますうちの2,000件程度の申請が行われる見込みでございます。
 慰労金につきましては、委託でございますとか派遣による従事者も対象になりまして、そういったところの把握にいろいろ時間を要しているところもあるようですけれども、逆に対象者の申請漏れがないように、制度の周知や早めの申請を促していきたいと思います。
 また、医療機関等から対象者の方に確実に支給されているかどうかの確認につきましては、実績報告をいただきます。後日、対象者への振込を証明する書類、または受領を証明する書類の提出を求めてまいります。
 次に、独り親家庭、貧困家庭の状況をどのように把握し、どのように支援したのかということでございます。
 独り親家庭等につきましては、日頃から市や県の母子・父子自立支援員等が窓口となっておりますけれども、今回のコロナ禍におきましては、特に気になる家庭等に対しましては市町のほうから個別に連絡させていただいて、家庭の状況を把握し必要な支援につないでいるという状況でございます。
 経済的に困窮する世帯に対しましては、生活福祉資金貸付の緊急小口資金、総合支援資金の利用を勧めております。また、母子父子寡婦福祉資金貸付につきましては、償還が困難な方に支払猶予制度を設けておりまして、8月末現在で7件の償還時期の繰下げを行っております。
 さらに、家計が急変した独り親世帯に対しましては「ひとり親世帯臨時特別給付金」、これは国の制度でございますけれども、追加給付等の申請を勧めておりまして、これは8月末現在で県内で約1,900件の申請を受けております。

◯副議長(島田欽一君) 教育委員会教育長豊北君。
    〔教育委員会教育長豊北欽一君登壇〕

◯教育委員会教育長(豊北欽一君) 給食費の就学支援を受けている児童総数、コロナ休校中にその分の昼食代が手渡された市町数、児童総数、そして今後の改善方法についてのお尋ねであります。
 県内各市町で学校給食費の就学支援を受けた準要保護児童総数は令和元年度で小学校が3,001名、中学校が1,894名となっており、合わせて4,895名が就学援助を受けております。また、コロナ休校中の昼食代を手当てした市町はございません。
 国からの通知は市町に対して周知を図っておりますが、各市町ではコロナ休校に伴う子育て世帯への支援として様々な給付金を支給しており、就学支援事業による昼食代の手当てを行う予定はないと聞いております。
 国の通知では、それぞれの地域の実情に応じて適切に御判断、御対応いただくようお願いしますということになっておりまして、今後また今回のような休校が生じた場合は、市町教育委員会に対しましてこうした制度の利用について改めて確認させていただきたいと思っております。

◯副議長(島田欽一君) 佐藤君。

◯28番(佐藤正雄君) 時間もあまりありませんけれども、再質問をさせていただきます。
 知事の御答弁でプール検査の問題とかいろいろ御指摘もありましたし、そして、福祉施設などへの検査は、そのときは陰性でもすぐ陽性に変わるかもしれないというお話がありました。だけれども全体としては、今日の日本経済新聞の電子版を見ましても、やはり福祉施設の職員とか入所者を対象にしてどんどん検査をするというのは東京都をはじめ全国でも広がってきていると、こういう流れが生まれているわけですね。これはさっき言った理由からなんですよ。
 ですから、やはり積極的に取り組んでいただきたいということで、いろいろそういう知見があればとかおっしゃいましたけれども、こういう全国の流れも踏まえて積極的に取り組んでいただきたいということを1点、確認したいと思います。

◯副議長(島田欽一君) 知事杉本君。
    〔知事杉本達治君登壇〕

◯知事(杉本達治君) 今、議員が御指摘いただいた状況についてもよく認識いたしておりますので、今後とも効果的な方法が示されてくれば、私どもとしても積極的に行っていくことについて検討を進めてまいりたいと考えております。
◯28番(佐藤正雄君) 終わります。
◯副議長(島田欽一君) 以上で、佐藤君の質問は終了いたしました。

福井県革新懇が福井県議会に、政府は学術会議会員全員任命を、と請願

2020年11月25日 | 福井県政
 昨日は、かねもと候補、渡辺常任との宣伝、理事者説明、請願、新幹線問題での取材などがつづきました。

 平和・民主・革新の日本をめざす福井の会(福井県革新懇)は24日、福井県議会に「日本学術会議の任命拒否を撤回し、105名全員の任命を求める意見書提出に関する請願」をおこないました。代表代理の鈴木孝典県労連議長、松原信也事務局長ら4人が県議会議事堂をおとずれ、山川満寛議会局次長に手渡しました。
 私は紹介議員として同席しました。
 鈴木氏らは「学問の自由を守るために政権による人事介入は許されません。ぜひ意見書をだして欲しい」などと要請、山川次長は「議長にお伝えし、議会で審議していただきます」などと答えました。

 かつての日本が引き起こした戦争により、福井市・敦賀市は空襲をうけ、広島・長崎は原爆、多くの若者が戦死・・・国と国民が滅びかねない手前まで追い込まれた政治の過ちを繰り返さないために、戦後つくられた学術会議は政権・政治とは独立した立場で活動しているのです。歴代の自民党政権が約束し、尊重してきた立場をアベ政治を引き継ぐスガ政権が軍事拡大方針とともに投げ捨てることはいつかきた道になりかねません。