2021年6月24日、県議会本会議での佐藤正雄議員の一般質問、理事者答弁の議事録です。
◯28番(佐藤正雄君) 日本共産党の佐藤正雄です。
まず、鉄道危機と交通に関してです。
第1に、敦賀駅での乗換え不便の解決をいかに図るかについて提案し、質問いたします。
県は新幹線開業後の敦賀─福井方面間の特急存続を断念することを発表しました。そして、乗換え利便性などを高めるとしています。知事はJR西から拒否されたと述べていますが、70年続く大阪─北陸間の鉄道を寸断することに国もJR西日本も痛みを感じないのが驚きであります。
もともと敦賀までの新幹線認可の際の国土交通省委員会の議論でも、乗換えが発生するなら費用対効果は1倍ぎりぎりであり、フリーゲージトレインや対面乗換えの工夫なら1.1倍となるなどの試算が示され、事業認可されました。当時は地元新聞でも1面トップで、フリーゲージトレインなら乗換えがなく、現在のサンダーバードと利便性は変わらないなどと大きく報道されたものです。しかし、技術的な課題もあり導入が断念されました。私は、現行特急存続しか今の高速鉄道の利便性を維持する道はないではないかと提案し、自治体でも声が広がり、県議会でも全会一致で決議したわけです。
いろんな無駄な公共事業と批判される事業はありますが、巨額の税金を投じながら、先人たちが70年近く営々として守ってきた乗換えなしの高速鉄道の利便性が失われ、しかも長期間続きかねないというのは前代未聞ではありませんか。
乗換えが発生することは、県内の観光と経済にも大きな影響を与えかねません。特急という形での存続が難しくとも、敦賀まで来るサンダーバード、しらさぎ号の幾つかを現行敦賀駅への接続とし、運転士と車掌がJRの社員から3セク会社の社員に交代し、乗客はそのままで快速列車として福井、芦原温泉まで走らせることぐらいは、国やJR西日本の協力・合意を勝ち取るべく交渉を行うべきではありませんか。
全員協議会の際には、行き先が新幹線接続と福井、芦原温泉止まりでは関西の利用者に分かりにくいとのことでしたが、そんなことは行き先で乗車列車を分ければいいので問題とはなりません。また、列車トラブルの際の懸念も言われましたが、基本はその線区の会社の担当であり、3セクに多数のベテランのJR西日本社員が出向してくるこの時期だからこそチャンスであります。
あれこれできない理由をたくさん並べるのではなく、70年も続く利便性を私たちの時代に寸断させないために、あらゆる知恵と工夫で利便性維持を図るべきではありませんか、知事の見解をお尋ねいたします。
第2に、小浜線、越美北線の便数の削減問題です。
さきの開会日の意見書の賛成討論でも紹介しましたが、6月3日にJR西日本は国土交通省鉄道局に以下の4点について、すなわち、1、ダイヤについて具体的な内容はまだ決まっていない、2、減便は利用状況と輸送力の乖離に基づくもので、輸送力の確保は今後の利用状況に応じて柔軟に対応する、3、今回の減便は廃線を前提にしたものではない、4、自治体関係者に対し、理解を得られるよう丁寧かつ十分な説明を行うことを報告しております。
自治体関係者に対し理解を得られるよう丁寧かつ十分な説明を行うということであれば、まず、7月中に決めて秋からダイヤ変更で減便するという性急な計画自体を見直していただくことが必要です。そして、自治体は当然ですが、利用者、住民などへの説明と意見交換などをJR西日本が行うべきです。
これらの点を県からJR西日本に要請すべき、また、国がJR西日本に要請すべきと考えますが、見解をお尋ねいたします。
第3に、北陸本線第3セクターについてです。
北陸本線第3セクターの運賃について、県は利用料金と税金での支援ということで、10月の経営計画で示したいとの考えです。県の見通しでは、北陸3県の中でも福井県は一番利用者が少なく、経営は厳しく年間15億円程度の赤字となる、先行するところは値上げしている、富山、石川も15%程度値上げしているとしています。
特急問題、小浜線・越美北線問題、北陸本線3セク問題、ほかにも福鉄、えち鉄などもあり、まさに福井県は鉄道危機の様相です。私は自治体というのは鉄道会社ではない、北陸本線も引き続きJRが経営すべきとの立場で、新幹線建設費負担と北陸本線第3セクターのスキームに反対をしてまいりました。しかし現状では、便利な乗換えなしでの関西・中京へのアクセスができなくなる、身近なローカル線がさらに不便になる、通勤・通学の足が大幅値上げになるということではありませんか。県民の交通権の危機でもあります。
そこで提案し、県の見解を求めます。
一つ目は、通学定期は値上げしないことです。今、県と市町が協力して、高校卒業までの医療費無料化など子育て支援策を拡充させております。福井市も導入を決め、北陸本線沿線のあわら市、坂井市、鯖江市、越前市、敦賀市を含む各市は高校卒業まで、大野市では19歳、20歳の県内通学の学生まで医療費無料化をして必死の子育て支援の努力を行っております。そうした中、通学定期値上げというのは逆行する事態であり、回避すべきではありませんか。
二つ目は、10月の経営計画について、9月議会でも議論になるでしょうが、並行して沿線市町でも住民の声を聞くなど県と市町、3セク会社が共同で開催し、運行や料金などについて地元住民の声を聞きながら決めていくことが必要ではありませんか、見解をお尋ねいたします。
第4に、交通問題の最後に、テーマは変わりますが、免許返納と課題について質問いたします。
県も県警も高齢者の免許返納を促進しているわけですが、交通事故抑止とともにその後の生活状況については県としてフォローすべき事柄でもあります。
まず、基本的な数字をお尋ねします。過去5年間の20代、70代の免許保有者に占める交通事故を起こした件数と割合、免許返納者数の推移と70代、80代の交通事故発生件数にどのような相関関係が見られたのか、見られないのか、お尋ねをいたします。
また、県として、免許返納者のその後の生活状況、例えば買物や通院などの回数に変化が起こっているのかいないのか、どのように把握しているのかお尋ねするとともに、今後も増え続ける免許返納者への生活サポートの取組方針をお尋ねいたします。
次に、コロナ対策について質問いたします。
私は先日、福井県看護協会の江守直美会長、長谷川まゆみ専務理事さんらにコロナ対応の現状と要望などについてお話をお聞きいたしました。
コロナ禍で実習や研修などに大きな障害があり御苦労されたこと、経営では病床稼働率を下げたりして厳しいところも生まれた、コロナ関連での診療報酬が増えてもターミナルケアを外したりすると割に合わない、また、コロナ対策の中で例年流行するインフルエンザが出なかったことで経営にダメージ受けたところもあるなどのお話でございました。
これまでも訴えてまいりましたが、医療機関への減収補填が必要なわけです。県は、民間などの医療機関が厚生労働省関連の福祉医療機構から5年据置きの借入金をいくら増やしているか、把握はしていないとの回答でありますが、しかし、例えば中小企業では、県の信用保証協会などを通じた分などは明確になって、どの業種でどれだけ資金が流れているかなどが分かり、県の政策対応にも生かせていると思います。
医療機関もサービス業分類ですが、サービス業の中で医療機関の保証承諾額のコロナ以前、コロナ以後の推移と特徴をお尋ねいたします。
また、県内の医療機関などにおいて、どれだけコロナ禍で福祉医療機構を通じた緊急の資金需要が起こったのか、これは県としても把握することが必要ではありませんか、お尋ねをいたします。
さて、今回のコロナが終えんしましても、次の感染症が来ればすぐに体制をつくることが必要です。その点で、中小病院や高齢者福祉施設などへの研修支援が必要となります。県内の感染管理認定看護師は25人とお聞きしていますが、認定看護師を計画的に増やしていくことが必要です。しかし、現状は県外にしか養成のコースがなく、コロナ問題もあり、なかなか養成が困難な要因となっているとお聞きしました。健康福祉部長は2月議会で、研修会を通じて資格を取得したいと思う看護師を増やしていくと答弁されました。
そこで、具体的な養成目標数も県としては持ちながら、福井大学などとも協議し、県内に認定看護師養成のコースを開設すべきではありませんか、見解をお尋ねいたします。
さて、昨日23日に関西電力美浜原子力発電所3号機が、日本で初めての40年超原発の60年間運転へ踏み出しました。4月臨時議会でも反対討論いたしましたが、国民・県民の反対の声もますます高まっております。改めて老朽原発再稼働はやめるべきと強く申し上げます。
ところで、関西電力のコンプライアンス、信頼についてはますます疑念が深まってまいりました。4月には関西電力や中国電力などが、事業者向けの電力供給をめぐり、互いの営業活動を制限するカルテルを結んでいる疑いで公正取引委員会が調査に入っております。4月の全員協議会でも関西電力に事実関係についてただしましたが、いまだに公式に否定する見解も出されておりません。さらに、関西電力の元役員らが高浜町元助役の森山氏から金品を受領する一方で原発関連工事での便宜を図っていたが、関西電力が2016年から元助役関係会社の所有地を、資材置場として相場の2倍を超す高値で今年3月まで借りていた、関西電力は賃貸借契約を結んだ4か月後に森山氏に契約の内容を知らせる資料を渡していた云々と、朝日新聞で6月に報道されました。森山マネー事件が起こりながら、県議会や知事が老朽原発再稼働判断する直前まで、このような形で不透明な資金提供が森山氏の関連会社に行われていたことは重大ではありませんか。
さらに看過できないのは、市民団体の公開質問に対して回答もせず、無視する姿勢であります。5月14日にオール福井反原発連絡会は、老朽原発の総点検の内容、炉心の脆性遷移温度など計測の元データ開示などを福井県と関西電力に要請をいたしました。福井県の担当者は、要望は関西電力に伝えると回答し、県から関西電力にも要望が伝えられました。市民団体は回答返送用の封筒まで持参して要望したにもかかわらず、要請した5月中の期限の回答はおろか、6月半ばになっても何の回答もありません。「来週に電話で答える」との回答だけが、ようやく私がこの質問通告をした後の22日に届けられたそうです。
様々な県民の反対、慎重の立場の声を県や関西電力に届けてきた県内の住民団体に対しての関西電力の対応、しかも福井県が口添えしたにもかかわらず、まともに回答をしない会社は、その姿勢だけでも信頼できません。しかもその内容というのは、全員協議会で自民党、公明党、民主・みらいなど党派を超えて少なくない議員が懸念を表明し、明らかにするよう求めた炉心の脆性遷移温度のデータの問題であります。
何点か述べましたが、森山マネー問題でのごまかし、安全面における県議会からの指摘すら無視し続ける姿勢、このような関西電力の態度、姿勢では真摯に森山マネー事件を反省し、業務改善が進んでいるとは全く評価できないのではありませんか。知事の見解を求めます。
さて、国会は新型コロナ対策や国民生活支援の補正予算の編成が求められていたにもかかわらず、菅政権はしゃにむにオリンピック推進で閉会してしまいました。オリンピックより国民の命と生活が大事ではありませんか。しかも、最後の16日未明の午前2時半に、土地利用規制法案が参議院の本会議で強行されました。これは、基地とか原発などの周辺1キロを注視区域に指定し、住民の情報を収集し利用状況を調査して、機能阻害行為があれば利用中止を命令・勧告し、従わなければ刑事罰が科されます。調査対象や範囲、期間、実施主体などの歯止めがなく、法施行後の政令などに白紙委任されております。憲法が保障するプライバシー権や財産権を公然と脅かすものです。
しかも原子力発電所は、廃止措置中の原発もそこに核物質があれば対象となるとされております。原発周辺の地域と住民が未来永劫、監視対象とされかねないものです。言わば防衛とか原子力ということで、国策に協力してきた地域住民が監視対象に置かれ、土地利用が規制されるなどはとんでもないことです。その範囲についても1キロという広い範囲ですが、国会審議の中では自民や維新の議員から、漫画の「ゴルゴ13」並みのスナイパーの話が出て、3キロ先からターゲットを狙撃可能ということで規制範囲を3キロに拡大すべきなどの議論もあり、政府は検討をする旨の答弁を行っております。住民監視や土地売買の規制が、鯖江市の自衛隊関連施設や嶺南各地の原子力施設の周囲で行われることになりかねません。
そこでお尋ねします。一体どれだけの県民が監視対象となるのか、大体の数字で構いませんが、鯖江市の自衛隊施設から1キロ内、3キロ内のそれぞれの世帯数と人口、嶺南の原子力施設一括で構いませんが、その1キロ内、3キロ内のそれぞれの世帯数と人口をお尋ねいたします。
最後に、教育行政で校則の見直しについて質問いたします。
文部科学省が6月8日に校則についての通知を出しました。全国の事例を示し、校則の見直しを要請する内容となっています。私も以前、県立学校の校則の見直しなどを2019年に議会で質疑したことがあります。
そこでお尋ねします。私が校則見直しを提起して以降の県教育委員会の取組をお尋ねするとともに、県立学校、私立学校の校則についての文科省通知を受けた現状認識や今後の取組方針についてお尋ねをいたします。
◯議長(鈴木宏紀君) 知事杉本君。
〔知事杉本達治君登壇〕
◯知事(杉本達治君) 佐藤議員の一般質問にお答えを申し上げます。
まず、特急存続問題について、あらゆる知恵と工夫で利便性維持を図るべきとの御意見についてお答えを申し上げます。
特急存続については、これまでも長年にわたりまして国、JRに対して何とか1日数往復でもいいから特急を存続できないか、今、佐藤議員が御指摘されたような、直接乗り入れるものと、それから今のルートでいくようなものに分けてでもできないかとか、様々な提案をさせていただいてきているところでございます。
ただ、その点について、決してJRとか国の側に立って物を言っているわけではございませんけれども、向こうの反論としては、新幹線から乗り継いで特急に行く、それを我々はできるだけ確保しないと利便性が損なわれるわけでして、そうするとプラスアルファでもう1本別に特急を走らせることになるわけですが、そうしますとどうしても運行上の制約、特に大阪方面は混み合っているとか、名古屋方面だと必要な人員の数に比べてたくさんの特急を走らせるというような状況も起きてくるというようなことを含めて、大変難しい交渉が続いたというところでございます。
また、そのほかにも並行在来線の収支が悪化するということ、それから同じような特急を存続することで、利用者の利用料が逆に上がってしまうというようなことも明らかになってきたところでございまして、今回御提案もさせていただいておりますけれども、現状においては特急存続できなかったことの利便性を損なう部分をできるだけ小さくして、逆に新幹線が来ることの効果を大きくすることで何とか乗り切っていけないかと考えたところでございます。
具体的に申し上げますと、まずは特急電車がなくなりますので普通列車などを増発することができる。また、ダイヤも自由に決められるようになりますので、一つは新幹線から降りて特急電車に行く本数の維持と、そこの乗換えができるダイヤの維持、それから普通列車を増発する、それからそれに対してダイヤもいい時間帯に走らせる、そういうことも考えられる。それから、今は普通列車だけになっていますけれども、特急並みの快速電車を走らせて、それを新快速と対面でいい時間帯で乗換えができるようにしていく。それから、特急並みに早い快速をつくる。いろんな工夫をしながら既存駅の利用者の方の利便性を高めて、並行在来線のお客様を増やす、収入を増やす、そういったことを考えていきたいというふうに思っているところでございます。
続きまして、森山問題や県議会からの安全面等の指摘に対する関西電力の姿勢についてお答えを申し上げます。
関西電力の森本社長は、4月27日に私と面談をいたしました際に、信頼回復の取組に終わりはない、さらには業務改善計画については常にブラッシュアップをしていくというふうに答えたところでございます。
今言われたようなことが幾つか起きているわけでございまして、関西電力は県民の皆さんの信頼を回復するということについては、県民の皆さんの日頃からの不安、懸念、いろんな材料についてしっかりとその都度答えていく、説明責任を果たしていく、こういうことは大変重要だと考えておりまして、県といたしましても引き続き関西電力にそうした姿勢を求めてまいりたいと考えております。
また、国におきましても、この業務改善計画をしっかりと守るようにしていく、それを守らせる立場にあるわけでございまして、これからも国から関西電力を厳しく指導、監督するよう引き続き求めてまいりたいと考えているところでございます。
そのほかにつきましては、担当より御答弁を申し上げます。
◯議長(鈴木宏紀君) 地域戦略部長前田君。
〔地域戦略部長前田洋一君登壇〕
◯地域戦略部長(前田洋一君) 私から4点、お答えいたします。
まず、JR西日本による性急な計画自体の見直しと、利用者や住民への説明等についての御質問でございます。
JR小浜線、越美北線につきましては、県民の暮らしを支える重要な交通機関でありますし、これから開業する新幹線、これを控えて観光客の二次交通ともなるわけでございます。こういった時期に減便を行うということは、極めて遺憾でございます。運行本数の見直し自体につきましては、県議会や沿線市町と共に、JR西日本、国に対して、性急な減便をすることなく運行本数を維持するように要請しているところでございまして、今後とも強く求めてまいります。
なお、沿線市町におかれましては、利用促進団体などを通じまして、利用者や住民の御意見を踏まえた上で要請されているというふうに思っております。住民への説明などにつきましては、市町の意向を伺いながら検討していきたいというふうに思ってございます。
次に、並行在来線の通学定期の運賃についてのお尋ねでございます。
本県の並行在来線につきましては、輸送密度が北陸3県の中では最も低く厳しい経営が見込まれるということから、一定の運賃値上げの検討が必要だというふうに思ってございます。運賃水準の設定に際しましては、先行県の事例も参考にして、利用者の負担と経営安定基金に拠出する行政の負担、そのバランスを考えて、県議会をはじめ利用者団体、経済団体等の意見も聞きながら検討していかなければならないというふうに考えてございます。
なお、富山県や石川県の先行例で申し上げますと、通学定期の値上げ率を普通運賃や通勤定期よりも抑制をしてございます。本県におきましても、こうした事例を参考に、自己負担となります通学利用者にとって過度な負担とならないように検討してまいりたいと考えております。
続きまして、並行在来線の経営計画を、地元住民の声を聞きながら決めていくべきとのお尋ねでございます。
並行在来線の経営計画の策定に当たりましては、高等学校PTA連合会や連合婦人会など、利用者団体が参画する並行在来線対策協議会において意見を伺い、8月頃までに案を取りまとめたいというふうに考えております。取りまとめた案につきましては、9月の県議会、市町の議会での御意見、さらには並行して進めております地域公共交通計画の作成に際しまして、パブリックコメントも実施する予定でございます。こういった意見を反映した上で、10月頃には対策協議会で決定したいというふうに考えてございます。
また、開業に向けまして、住民が参加するサポーターズクラブといった組織も考えてございまして、利用される住民の方の御意見、アイデアを生かしながら乗る運動を展開してまいりたいと考えております。
最後に、鯖江市の自衛隊施設及び嶺南の原子力発電所の施設の1キロ圏内、3キロ圏内の世帯数と人口についてのお尋ねでございます。
総務省統計局が提供する集計によりますと、これは平成27年の国調ベースということにはなりますが、鯖江市の自衛隊施設につきましては、1キロ圏内におきますと世帯数は約1,100世帯、人口でいいますと約3,500人、3キロ圏内でいいますと世帯数は約1万500世帯、人口は約3万1,700人となっております。また、嶺南の原子力発電所でございますが、1キロ圏内の世帯数は合計で約440世帯、人口は約1,000人、3キロ圏内になりますと、これは一部地域で重複が出てくるということではございますが、世帯数は合計で約1,200世帯、人口は約3,000人ということになってございます。
◯議長(鈴木宏紀君) 安全環境部長野路君。
〔安全環境部長野路博之君登壇〕
◯安全環境部長(野路博之君) 私からは、免許返納者の生活状況の把握、生活サービスサポートの取組の方針についてお答え申し上げます。
県では、市や町との会議の場などを通じまして、免許返納者を含みますいわゆる交通弱者の方が、例えば買物ですとか通院などで移動する際の交通手段に問題がないかということで把握に努めているところでございます。こうした地域の実情などに応じまして、市町が行う、例えばコミュニティバスでありますとかデマンドバスなどの運行に対しまして支援を行っているところであります。
免許返納者に関しましては、平成25年度から高齢免許返納サポート制度を導入いたしまして、例えば民間事業者と連携して、タクシー料金の1割引きでありますとか自動車教習所などの送迎バスを活用するということによりまして、移動手段の確保に努めているところでございます。また、買物の代行ですとか配送サービスなど、交通弱者の方に対しまして民間の事業者の方が実施している生活サポートにつきまして、周知を行っているところであります。最近も、例えば移動販売サービスのエリアを広げるなどの民間の取組も広がっているところでございますが、今後とも生活のサポートに対しまして、市町と共に、民間事業者にさらなる協力を働きかけてまいりたいと考えているところでございます。
◯議長(鈴木宏紀君) 健康福祉部長窪田君。
〔健康福祉部長窪田裕行君登壇〕
◯健康福祉部長(窪田裕行君) 私から2点、お答えをいたします。
まず、福祉医療機構の融資状況でございます。
福祉医療機構は年間の融資実績のみを集計して公表しておられまして、月ごとなど随時での状況を私どもとして把握することが現状では困難ということになっております。なお、先頃公表されましたものによりますと、昨年度はコロナ禍等によりまして減収となりました県内53医療機関に、総額で46億4,400万円の融資が行われております。
これとは別で、県内医療機関の経営状況につきましては、これまでも県医師会との情報交換──これはもう毎週行っておりますけれども、これを通じまして把握に努めております。県におきましても、新設医療機関に対する独自の利子補給制度を設けるとか、コロナ患者受入れの病院に対しましては減収補填などの支援を行っております。
また、医療従事者の方には支援金の支給もございますし、診療報酬も時限的な加算措置というものが行われております。そういう中で、現状におきまして経営困難になっている医療機関は県内にはないというふうに伺っております。
次に、感染管理認定看護師の養成の講座を設けてはどうかという御提言でございます。
福井大学に、今年度新たに感染症寄附講座というものを開設させていただきました。ここにおきましては、感染症専門の医師を6人育成していくということにしてございますが、これを開始するに当たって協議を進めてまいります中で、県との間で、新たに感染症に関する基本的な知識と技術を持つ看護師さんを600人養成するということをこの講座の中で進めていくということにしております。
この手法としましては、御提案の感染管理認定看護師養成コースというのはもちろんございますので、その開設については今後も協議してまいりますけれども、今のところ、まずこの受講ニーズを把握する、それから、今年度から実施いたします感染管理リーダー研修の効果などを見ながら、必要に応じてこの開設についても福井大学との間で協議を進めてまいりたいというふうに考えております。
いずれにしましても、今回のコロナ禍におきましても非常に感染管理認定看護師の方の御協力が効果を上げておりますので、これらの取組によりまして、県内各施設の感染対策のレベルアップを図っていきたいというふうに考えております。
◯議長(鈴木宏紀君) 産業労働部長吉川君。
〔産業労働部長吉川幸文君登壇〕
◯産業労働部長(吉川幸文君) 私からは1点、医療機関の保証承諾額のコロナ以前、以後の推移についてお答えをいたします。
県内医療機関の信用保証協会の利用は、コロナ前はおおむね年間20件程度で推移しており、令和元年度の保証承諾額は2億6,000万円、1件当たりにしますと約1,000万円でありました。一方、コロナの影響を受けました令和2年度につきましては、件数で145件、金額で約29億円で、1件当たり約2,000万円となっております。
県内医療機関の保証承諾額は、サービス業全体と比較しますと件数の伸びは若干大きくなっております。数字でいいますと、全体は約5倍、医療機関だけで見ますと約6倍でございます。1件当たりの保証承諾額の伸びについてはほぼ同程度ということで、ともに約1.7倍となっております。全体としましては、おおむね同じような推移となってございます。
◯議長(鈴木宏紀君) 教育委員会教育長豊北君。
〔教育委員会教育長豊北欽一君登壇〕
◯教育委員会教育長(豊北欽一君) 私から、校則の見直しについてお答えいたします。
校則につきましては、昨年度中に県立高等学校──全日制と定時制合わせて18校で、また、私立高等学校6校で見直しを行っておりまして、今年度におきましても、各校が頭髪やジェンダーフリーに配慮した制服の見直しなどを進めております。
今回の文部科学省通知も踏まえまして、これからの校則に基づく指導に当たりましては、規則を守らせることのみに偏った指導ではなく、生徒自身が校則を自分のものとして捉え、自主的に守る指導への転換が必要でありまして、校則の内容が社会の常識、時代の進展などに即したものになっているのかも含めまして、今、各高校で積極的に見直しを行うようにしております。
また、今年度は、県内5校──高志、三国、勝山、敦賀、若狭の5校の高校生が参加いたしまして、生徒自ら校則の在り方を考える「ルールメイカー育成プロジェクト」、これは本県出身で慶応大学特任准教授であります若新さんの御協力をいただいて、今、進めているところでございます。
◯議長(鈴木宏紀君) 警察本部長遠藤君。
〔警察本部長遠藤顕史君登壇〕
◯警察本部長(遠藤顕史君) 私からは1点、過去5年間の20代、70代の免許保有者に占める交通事故を起こした件数と割合、免許返納者の推移、70代、80代の交通事故件数の相関関係などについてお答えをいたします。
まず、原付以上が第一当事者となりました人身事故件数を運転免許人口10万人当たりで見てみますと、平成28年から昨年までの各年で、20歳代では571件、450件、401件、284件、257件と5年間で55%減少してございます。70歳代につきましては、各年、359件、240件、238件、236件、171件と5年間で52.4%減少してございます。
また、原付以上が第一当事者となりました人身事故件数のうち、20歳代の占める割合でございますが、各年で22.0%、20.4%、19.8%、16.5%、19.6%とおおむね20%前後で推移をしてございます。70歳代の占める割合は各年で10.9%、9.5%、11.6%、15.1%、15.4%とおおむね10から15%程度で推移してございます。
次に、過去5年間の運転免許の返納者数の推移でございますが、この各年、1,737人、2,674人、2,609人、3,227人、2,867人と5年間で年間3,000人前後にまで増加をしているところでございます。
また、運転免許の返納者数と原付以上が第一当事者になりました人身事故件数の相関関係でございますが、過去5年間のデータからは弱い負の相関が見られますが、データ数が限られておりまして確たることは申し上げられないということでございます。
◯議長(鈴木宏紀君) 佐藤君。
◯28番(佐藤正雄君) 御答弁ありがとうございました。
知事に一点、再質問しますけれども、特急の存続にこれまでいろいろ御努力されてきたけれども、こういう結果になったという経過は分かるわけですけれども、しかし、何といっても要求しているのは乗換えの不便ですね、大阪で乗ったらそのまま福井とか芦原温泉まで乗ってこられる、あるいは芦原温泉、福井駅から乗ったらそのまま京都や大阪駅に行けるという乗換えがない便利さ、これをどうキープするかというのが私はポイントだと思うんです。だから、そこを最後まで探求してもらいたいというように要請しますので、一点お尋ねをします。
それから、健康福祉部長にも一点、お尋ねをします。
昨日、この本会議が終わってから錦公園を見てきました。たくさんの方が並んでおられて、整然とPCR検査を受けておられました。業者の人も本当に苦しい、自分が陰性で何とか商売を続けたいし、ほかの人に迷惑をかけたくないと、そういう気持ちが伝わってきたわけです。よく部長が言われるのは、今日の陰性は明日の陰性の保証にならないということを、私の質問などでは繰り返し答弁されておりました。
そういう点では、福井市さんとも協力は必要ですけれども、一定の感染状況が続いている限りは、一定程度の頻回といいますか──週1かどうかは別にしてそういうことをやって、一定のエリアの希望者は受けられるという体制が必要ではないかということをお尋ねいたします。
◯議長(鈴木宏紀君) 知事杉本君。
〔知事杉本達治君登壇〕
◯知事(杉本達治君) 私からは、特急の存続の件で申し上げます。
乗換えをしないで済む利便性は大きいということは十分に認識しながらこれまでも対応させていただきましたが、先ほど来申し上げましたように、そうすることの様々なデメリットというか、障害が大きいということもございまして、現状においてはそれ以外の方法でできるだけメリットを大きくしていく、そういう方向を検討しているというところでございます。
◯議長(鈴木宏紀君) 健康福祉部長窪田君。
〔健康福祉部長窪田裕行君登壇〕
◯健康福祉部長(窪田裕行君) 今回の福井市での一斉検査につきましては、新たな感染者の方がいらっしゃらないかということをしっかり見ていくということももちろん意味としてはございますけれども、それと併せてこの地区の、特に飲食店でございますが、そういった皆様がしっかりと感染対策をしていらっしゃる中で、従業員の方、皆さんが少なくとも現時点でコロナに感染していないということをしっかり確認していただいて、新たにしっかりとした感染対策の下で営業を安全・安心の中で続けていただくと、そういう意味合いもございますので、こういった状況が引き続き起こる、または、そういったことが新たに起こる場合にはまた同じようなことを検討していくということになろうかと思います。
◯議長(鈴木宏紀君) 以上で、佐藤君の質問は終了いたしました。
ここで、休憩いたします。
午後0時07分 休 憩