物部の森

日常感じたこと、趣味のこと、仕事のこと・・・等々
日記風に書いてます。

【書籍】豊田泰光のチェンジアップ人生論

2008年09月19日 | Weblog
 『豊田泰光のチェンジアップ人生論』(豊田泰光著、日本経済新聞社)を読む。

 日経新聞スポーツ欄の人気コラム『チェンジアップ』を再構成し単行本化。私はいつもこのコラムを楽しみにしている。会社の先輩社員にも結構好きな人が多いようである(いわゆる「サッカーではなくやっぱ野球」っていう人たち)。
 筆者の文章を読んでいて感じることは、「主体性がある」、「軋轢を恐れない」の2点。自分の考えを確立している(結構辛口だが・・・)。タイトルは『チェンジアップ』だが書きぶりは直球である。
 一昨年野球殿堂入りしたが、西鉄時代相当の成績を残したにもかかわらず、「競技者表彰」でなく、文化人等と同様「特別表彰」であるところもこの人らしい。

 印象に残った部分を抜粋

■[運を呼び込め」より
 勝負どころで強い人、弱い人は次のような傾向がある。勝負強い人は(野球の試合において)大差の終盤、つまりどうでもいい場面では平気で凡退するが、勝負弱い人はそういう場面でも手を抜かない。つまり集中力のメリハリがないのだ。そもそものべつまくなしに集中しているのは「集中している」とはいわない。

■[一流の手抜き]より
 舞台の心構えについて聞かれ、「一番得意なところで、手を抜く」と答えた人形浄瑠璃の竹本緑大夫の言葉。もちろん単なるさぼりとは違う。長い演目でずっと集中力を保つことは不可能、部分的に力を抜くことでかえって全体をうまく仕上げられる。その力の抜きどころは、一番得意なところ。ここなら力を抜いても、目や耳の肥えた観客を納得させられるレベルが保てるという部分だ。こうして気力、体力を温存しておき、クライマックスで一気に爆発させるのだという。

 なるほど。「何事にも常に全力で取り組め」といった一般論や良識とは相反する考え方だが、なかなか深イイ話である。
コメント
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