◇フィップ・マーゴリンの「野生の正義」(原題:Wild Justice)
著者:Phillip Margolin 訳者:加賀山卓郎 2001年6月刊 早川書房
先にフィリップ・マーゴリンの作品「黒い薔薇」の読後感をご紹介した。作者は大学卒後2年間平和部隊
(日本のJICAの海外青年協力隊のようなもの)に参加したのちにニューヨーク大学で法律の学位を取得
した。弁護士の資格を取り、取り扱った死刑訴訟はすべて勝訴しているというつわもの。
デビュー作は「封印された悪夢」であるが「葬儀屋の未亡人」、「暗闇の囚人」、「炎の裁き」、「女神の天秤」
など出せばヒットの10割打者との声もある。
登場人物は弁護士、警官、保安官、外科医師、病院事務局長、研修医、検察官、裁判官、マフィアの親玉
殺し屋、麻薬の売人・・・。
監禁・拷問・惨殺・解剖・臓器売買・・・。これでもかとばかりに凄まじい場面が繰り広げられる。何しろ生首
や切り取られた手首が何度も出てくる、近くの森からは暴行・凌虐された9体もの死体が掘り出されるなど
とにかく情景が凄まじい。
最後にどんでん返しがある。(といっても物慣れた読者には何となくわかってくるが…。)主人公は女性弁護
士であり、法律手続きや法廷場面もあるが、単純なリーガルサスペンスではない。むしろ連続殺人鬼はだ
れか。犯人探しをめぐるストーリー展開の面白さが中心である。
最後まで息をつかせない。「葬儀屋の未亡人」の方が面白かった気もするが、読者を眠らせない作家の一
人とされるF・マーゴリンの面目躍如というところである。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6f/be/6ec41ecce91f2cfd6cd2bd63ea1277ea.jpg)
(以上この項終わり)
著者:Phillip Margolin 訳者:加賀山卓郎 2001年6月刊 早川書房
先にフィリップ・マーゴリンの作品「黒い薔薇」の読後感をご紹介した。作者は大学卒後2年間平和部隊
(日本のJICAの海外青年協力隊のようなもの)に参加したのちにニューヨーク大学で法律の学位を取得
した。弁護士の資格を取り、取り扱った死刑訴訟はすべて勝訴しているというつわもの。
デビュー作は「封印された悪夢」であるが「葬儀屋の未亡人」、「暗闇の囚人」、「炎の裁き」、「女神の天秤」
など出せばヒットの10割打者との声もある。
登場人物は弁護士、警官、保安官、外科医師、病院事務局長、研修医、検察官、裁判官、マフィアの親玉
殺し屋、麻薬の売人・・・。
監禁・拷問・惨殺・解剖・臓器売買・・・。これでもかとばかりに凄まじい場面が繰り広げられる。何しろ生首
や切り取られた手首が何度も出てくる、近くの森からは暴行・凌虐された9体もの死体が掘り出されるなど
とにかく情景が凄まじい。
最後にどんでん返しがある。(といっても物慣れた読者には何となくわかってくるが…。)主人公は女性弁護
士であり、法律手続きや法廷場面もあるが、単純なリーガルサスペンスではない。むしろ連続殺人鬼はだ
れか。犯人探しをめぐるストーリー展開の面白さが中心である。
最後まで息をつかせない。「葬儀屋の未亡人」の方が面白かった気もするが、読者を眠らせない作家の一
人とされるF・マーゴリンの面目躍如というところである。
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(以上この項終わり)