◇福島原発事故について
東関東大地震に付随して発生した東京電力福島第一原発事故は、今世界が固唾をのんで見守っている。
CO2削減に向けたエネルギー対策の切り札として改めて原発に注目していたアメリカや中国は、日本の原発事
故への対処に重大な関心寄せている。アメリカは事故対策にどんな協力も惜しまないと言っている。
福島原発の周辺市町村の住民の人たちは、地震・津波と原発事故の三重苦にあえいでいる。ほんとにお気の毒
である。
「外に出るな」と言って、食料や水や燃料も運んでくる人がばたっと止まる。これでは「生殺しだ」と、悲鳴を上げて
いる。まったくその通りで、原子力サイドは避難や、屋内待機を指示すればそれでいいと思っているかもしれないが、
住民は生活をしているのだから、避難生活を併せて考えないと本当に死んだり病気になったりする人が出る。まさ
に四重苦の人災になってしまう。
原発災害の統合連絡本部はこの辺りをどう処理しているのだろうか。地震災害は政府緊急災害対策本部が一元
的に指揮を摂っているのだろうが、果たしてうまく連携しているのだろうか。
私は早い時期に交通困難で避難先に食料や水などの救援物資が届きにくくなるので、地震災害が軽微であった
周辺自治体が災害用に備蓄していた救援物資を、ヘリを使って投下する方法をとってはどうかと思っていたが、
何故か4日目くらいになってようやくそんな動きが見られた。東京都などは、あれだけ強力な指導性を発揮する石原
知事のことだから、手持ちのヘリを動かして機敏に行動するのかと思っていたら、姉妹都市のどこそこに救援物資を
車で運ぶなどと言っている。がっかりである。四選の心配などしている時ではないだろう。 こんな未曽有事態のとき
は、お互いさまだと迅速に動かないと被害を大きくするばかりである。
そこへ行くと関西広域連合はえらい。1万人規模で避難民受け入れ用施設を用意すると発表した。阪神淡路大震災
の時の恩義とか、経験とかいろいろあるだろうが、偉い、ありがたいことだと思う。
今心配なのは、使用済み燃料の冷却水の補給中心であるが、格納容器の燃料棒の方はその後どういう状況なの
かよくわからない。第一原発の5号機も使用済み燃料プールの冷却用水ポンプが故障し温度が上昇中らしい。
ほかにも使用済み核燃料棒が6,400本プールされていて、この冷却も課題という。何しろポンプ電源ダウン、測定
計器も測定不能状態と伝えられているので、真相が当事者にもよくわからないのも無理はない(そんなことを言って
いられないのだが)。
米国のメディアによれば米国が独自に放射能測定器を積んだ無人機を飛ばした結果、4号機の冷却水は既に干
上がっているのではないかという話がある。
まさかどこかで誰かが重大な情報を隠していたりしていないでしょうね。人の、大勢の人の命にかかわることなの
だから、面子や何かでことを隠ぺいするようなことがあってはならない。真実を見つめて対処することを考えなけれ
ばならない。
放射線の限界線量は職業人は5年平均で 20msv(マイクロシーベルト)/年で、一般人は 1msv/年と言われるが、
この先福島原発の機器損傷が続き、放射線の拡散が続けば…ガンや遺伝障害発生の確率はどんどん高くなるこ
とになる。悲観的に考えると実に憂鬱な状況で、何とか早く収束してほしい。切なる願いである。
この一週間で余震が250回程度起きているとのこと。一日平均で40回程度か。この辺も多少間遠くなったものの、
一日に何回も震度3程度、偶に4かなと思われる余震が来る。慣れっこになってその都度飛び起きることはないが震
度4では心理的にはやはり身構える。避難所の人たちは寒さと余震の不安感と疲労とストレスと空腹と・・・。とても
眠れないと思う。心が痛む。
昨日も今朝もちょっとした余震があった。しかし今日は一日輪番停電はないという。電車も間引きながら終日運転さ
れるという。幾分ほっとする。
(以上この項終わり)