くじびき はずれ の 見た世界

シニア初級者というのに世間知らず。
少年のようなつぶらな瞳?
そろそろ大人の記事を書きたい毎日です。

ヌル(温)奈良

2011年10月21日 21時21分57秒 | 奈良学

奈良に住んで18年と半分、仕事で絡んで31年なぁ。

移り住んですぐに栽培が大和盆地(大和郡山市)を発祥に、のちに全国に
広がり各地で研究・改良が進み、今じゃ西九州・東海・北関東の3地域に定着
していると聞き「なんと不甲斐ない」と思い知らされた。

つい最近黒豆ボタン(猪肉)が東吉野から丹波に転地を命じられた大名が
そのまま現地で導入して、今では押しも押されもしない丹波黒となって定着。
「やっぱり牡丹鍋を食べるには本場の丹波やで」などと関西の聖地のようになっていると
これまた聞かされて、臍をかむ思いをした。

そりゃかなりオーバーやし、まだ心の奥底ではドップリ奈良に漬かっていない自分が居る。
『ワテはなんちゅうても天下の台所、水の都八百八橋、太閤はんのナニワの人間』 と
意地を張っている部分は隠せない。

しやけどやで! 悔しいやん!!

よう考えてみたら工業製品としても
薬 ; 飛鳥時代から 役の行者が陀羅尼助を製造、奈良時代には各寺院が施薬を行う
葛 ; 吉野大峰山で修業する山伏が自給自足の糧として葛根から澱粉を精製したのが始まり
素麺; 大神(三輪)神社の穀主という人が地元でとれた小麦粉から素麺を作ったのが始まり
墨 ; 興福寺の僧侶が油の煙から墨をつくったのが始まりといわれている
清酒; 正暦寺(奈良市)で清酒のルーツとなる「諸白酒」が製造された
晒 ; 江戸時代のはじめ清州美源四郎が製法の改良に成功し奈良でにわかに盛んになる

みぃーんな 富山(薬)、播州(素麺)、灘・伏見(酒)、泉州(晒)なんかに美味しい
とこ持って行かれてしもうて、そんなに人気もなくなった葛と墨だけが辛うじて
残っている。

農産物ならいろんな野菜がドンドン流出して行って、『京野菜』なんてもてはやされてるのも
ほとんどは歴史の都と共に奈良から出て改良を加えられたもの。

そら、「元はシルクロードを辿って来た外来種やったんとちゃうのん?」て突っ込まれたら
元も子もないけどね。
おんなじモンを飽きもせず毎年毎年作り続けたのは功労賞モンやけど、もっと美味しい物、
病気や虫や天候に強いモン、収穫量の多いモンなどと改良する研究熱心な御仁は?
愛すべき辛抱強い粘り強い県民性なんやろか?

奈良の果物と言えばトップに思いつくだろう柿。
これも【花御所柿】っちゅう素晴らしい柿があったのに
「鳥取県東部の因幡地方でのみ栽培される甘柿で約200年前、旧郡家町花の野田五郎助
翁が大和の国から枝を持ち返り接ぎ木したのが始まり」と紹介されるほど。

甘いだけやなしにお尻の部分が花ビラのように盛り上がって見える話題性のほか
画像の「合格花御所柿」のように縁起物としても希少価値で高価に扱われている
というのに。
イチヂクもそうやなぁ。  残念やなぁ。  なんとかならんのかなぁ?

ボヤキまくりの日記でした。