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20231218 野生鳥獣被害対策研修会

2023-12-23 08:24:59 | 食・農業

 

長野県農政部農業技術課が主催し、令和5年度野生鳥獣被害対策研修に係る現地下見及び集落住民向け研修会が開催され参加しました。自治体職員は3年に一度くらいの頻度で職場が変わるため、専門的な知見をもった人が育ちにくいきらいがあります。そこで、自治体職員向けの研修の一環として、加えて当該地域の鳥獣被害対策を進めるための研修が12月18日に行われます。その下見として、6月に現地調査を行った松本市梓川地区の上野集落と上丸田集落が研修を受け入れてくれ実現しました。

 

今回の研修は、長岡市にある鳥獣被害対策の支援をしている株式会社「うぃるこむ」の山本麻希社長と下見をし夜は研修を行いました。下見に先立ち、上野、上丸田の集落の現状と猿の被害の状況の聞き取りを行い、その後、雨が降り始め寒さの中現場の下見を行いました。上野集落は10年ほど前に県の指導で電柵を張り、集落捕獲隊を組織し、定期的に見回りをするなど先進的な取り組みが行われています。隣接する上丸田では、販売農家が少なく、やはり10年ほど前に環境整備は行いましたが、その後手がつかず、サルの群れが生息する地域となり、毎日のように猿の被害にあっています。

 

夜7時から上野・上丸田の住民の皆さん60人ほどが参加して研修会が行われました。うぃるこむの山本社長から、「サル・イノシシの生態と被害対策」として90分の講義が行われました。

 

12月18日長野県農業技術課の県内鳥獣被害対策の担当者を集めて研修会が開催された。地元の上丸田、上野集落からもそれぞれ3人が参加し、猿の被害の実情を話してもらいながら総勢40人ほどで「集落環境調査」を行いました。

 

出発地の上丸田公民館の側にある神社の柱に明らかに動物のひっかき傷がありました。地元の方によれば「ハクビシン」ではないかとのことです。続いて、猿の被害が人家に及んでいる上丸田の集落内を調査。集落のあちこちに①カキやクリがある、②猿が潜みそうな竹藪がある、③追い払いができる若い人がいない、などの課題がありました。

 

続いて上野集落の環境調査です。上野では10年ほど前に県も入って対策を行ってきた集落です。鳥獣被害対策協議会で鹿柵を張ったり罠をしかけたりしています。加えて集落捕獲隊を組織し鹿柵の点検や罠の点検を行い、かかっている場合は猟友会に連絡をしています。猿や熊の通り道となっている河川にも電気が通る鎖を張り巡らし、完璧に思える対策をしていますが、①神社・仏閣の大木をつかって侵入してくる、②一部竹藪を通じて侵入してくる箇所があり、それは廃棄された果樹をめがけてきている、③構造上、鹿柵の支柱を伝って侵入してくる箇所がある、ことなどが課題として見えてきました。

 

その後、五つの班に分かれ、地図上に猿の生息区域、往来をする場所、誘引しているカキやクリの位置、空き家などをマーキング。

次に、①集落の特徴について意見を出し合う、②何が問題か出し合う、③そのうち最も問題であることについて対策を出し合うという方法で話し合いを行いました。

ウィルコムの山本さんから「住民の方が、いかに自分事として取り組めるのかが大事。県は市を、市は住民を支援して、集落単位で対策を進めていくようにする」などのお話がありました。しかし、県は3年ごとに人事異動があり、市は担当者が一人か二人、集落は高齢化で、そう簡単にはいかない実情があります。今後、上丸田地区に、誰が支援をしながら、どんな対策を、誰が行っていくのかは、これからの課題です。

 


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