リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

ヘビーな日 (2)

2005年04月07日 02時41分48秒 | 日記
1時の列車に乗ってまたまたシャテル・サン・デニです。もうこれで何回目でしょう。(笑)
今日モーリスのところへ行くのは、新しい楽器の複弦のスペースが少し広めなので、それを狭くしてもらうのと、ついでにペグの調整と1コースのナットの溝をもう1本刻んでもらうためです。ペグの調整とナットの溝刻みくらいは自分でできるのですが、なんせこっちには工具が何もないので、彼に頼むことにしました。
いつものように、ベルンで乗り換え、パレジューでシャテル・サン・デニ行きにまた乗り換えるんですが、きょうはいつもと違う時間の列車に乗ったためか、接続がありません。(涙)1時間以上待たなくてはならないのですが、携帯でモーリスに電話したら、パレジューまで来てくれるそうで、一安心。
ル・パコの彼の工房に行く途中の道にはまだ雪少し残っているものの、もうすっかり春です。で、彼の家に到着して、すぐ工房へ。
ブリッジの穴のスペース調整は、一旦もとの穴を埋めて、そして再度開け直すという方法をとるそうです。どうやってやるか興味津々で見ていました。
まず、穴を少し広げ、それに合う棒を入れて長さを決めます。そして接着剤をつけて再度穴にいれて埋めます。接着剤が乾いたらスペースをはかって印をつけ、そこを電動ドリルで穴をあけるという感じでしたが、さすがプロ、あざやかなものでした。
ペグはもともとすごくよく調整されていたのですが、いくつか動きがぎこちないので再調整です。

「私のペグはみんなすばらしいといってくれるね。再調整を頼まれたのは、あんたがはじめてだよ」

とは言いながら、結構楽しそうに作業してくれました。

「私が楽器を楽器屋に出さず、直接でしか売らないのは、こうやって細かい調整ができるからだよ。楽器屋に出したら、なかなかこうやって楽器を買った人とコンタクトを取って細かい注文に応じることはできないからね」

うん、なるほど。

作業は一時間ほどで終わり、しばし雑談。彼はクラシックギターも作っているので、作りかけのを見せてもらいました。独特のブリッジの形状にびっくり。ギター好きな方、彼のギターに興味ありませんか?

帰りは、駅まで送ってもらい、帰途につきました。ベルンからは上手い具合にドイツの特急(ICE)乗ってバーゼルまで。9時過ぎにやっと到着でした。お疲れ!
(往復で、Rio SU70に入れておいたヨハネ受難曲とBWV1001 - 1004をたっぷり聴きました)