リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

リュートとの出会い (16)

2005年04月30日 04時25分42秒 | 随想
 晴れて加納氏の楽器を買うことになったのはいいのだが、実はお金のことなんぞ何も考えないで決めてしまったことなのだ。いや正確にいうと自分の楽器を売ってお金を作ることを考えていたことはいたのだが、今でもそんなに演奏人口が多くない楽器のこと、当時はもっと少なく、冷静になって考えると、売ってお金を作るということはあまりにも都合がよすぎることだと思えた。しかし、何という幸運か、ある人の紹介で野上リュートを欲しいという方が現れ、驚くことに加納氏の工房を訪れて1週間後には氏のリュートを買うための資金をほぼ手にしていた。