リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

ヴァイスからマッテゾンへの書簡(1)

2021年04月16日 12時45分26秒 | 音楽系
ヴァイスからマッテゾンにあてた書簡が残されています。リュート-----神々の楽器、E. G. バロン著※(菊池賞訳、水戸茂雄音楽監修、東京コレギウム刊)の付録として掲載されていますので、それを引用します。(書簡の原典は記載されていませんので不明)

マッテゾンについての詳細は省略しますが、1722年から1725年にかけてドイツ最初の音楽雑誌とされる「クリティカ・ムシカ」を刊行しました。そこにヴァイスに関する記事があり、ヴァイスの書簡はそのことにも触れています。

書簡の日付は1723年3月21日、したためた場所はドレスデンです。

手紙をしたためたのは、

「・・・さらには、最近の音楽ジャーナル(クリティカ・ムシカ)287及び288ページの私のミュンヘン域にかんする箇所で先生が大変好意的にも不肖わたくしにまで差し向けられました身に余る讃辞に励まされまして、永く望んでおりましたご好誼にあずかろうと思い立ち、ペンをとった次第です。・・・」

ということだそうです。まぁ理由はもっと他にあったのかも知れませんが。(笑)

そのクリティカ・ムシカの287ページと288ページです。

P287

真ん中より少し下「音楽ニュース、人と話題」の項目にヴァイスとビュッファルダンの名前が見られます。(赤の下線)ビュッファルダンはドレスデンの宮廷オケのフルート奏者。ヴァイスとは同じ職場の人です。

P288

前のページの下の方とこのページの6行目までにお褒めのことばが一杯書いてあるのですよね。私のドイツ語力でこのCritica Musicaをすらすら読むのはちょっと無理です。( ;∀;)



※ Historisch Theoretisch und Practische Untersuchung des Instruments der Lauten; Ernst Gottlieb Baron, Nuernberg 1727