リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

ノンフィクション作家星野博美さん(4)

2021年06月04日 15時03分24秒 | 音楽系
「秀吉は伴天連追放令を出したあとである。さらに、朝鮮半島の侵略をもくろみ、スペイン副王領フィリピンへ触手を伸ばそうとする向きすらあった。そんな絶頂期にある秀吉の前でスペイン国王ゆかりの曲を演奏するなど、喧嘩を売るようなものだ。バランス感覚に優れたイタリア人のヴァリニャーノがそんな危険を冒すとは、到底思えない」

全くそのとーり!

私の音楽面での考察と星野さんの説を合わせるともう完璧です。もっとも当の発信源であるMT先生もあとになって御前演奏曲=皇帝の歌うた説は時代的に合わないない旨の発言をされているわけで、問題になってくるのは御前演奏曲=皇帝のうたを定説としてしまっている世間をどう正しい方向に向けるかです。これがなかなか難しいというかメンドクサイ話です。

それにしてもこの定説に関しては、音楽関係者であっても疑問に思わない人も多く、まして音楽史の専門家ではない方だと、高名なMT先生説ということで頭から信じ込んでしまう現状があります。

こんな現状は日本の恥です。音楽関係者でも異論を唱える人もいますし、そういう方たちと星野さんと私とで現状を打破して行こうではありませんかーっ!というほど大きな問題ではありませんけどね。(笑)

今回購入した星野博美さんの著書2冊、もう一度今度はじっくりと読んでみようかと思います。また他の作品も面白そうなものがあるので、それらも読んでみたいです。星野さんとはコロナ禍が終息したら一度お目にかかれる機会があるといいなと思っています。