リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

日本のマーチ

2021年06月21日 19時39分38秒 | 音楽系
ナクソスMLで日本の行進曲ばかりを集めた「行進曲」というアルバムを聴いてみました。副題に「世界に冠たる日本のマーチ」とあります。

行進曲

演奏は吹奏楽ではなく、オーケストラです。オケはロンドン・フィル、指揮は武藤英明

曲目は:
小関裕而: オリンピック・マーチ、栄冠は君に輝く、スポーツショー行進曲
團伊玖磨:祝典行進曲
レイモンド服部:コバルトの空
吉本光蔵:君が代行進曲
瀬戸口藤吉:軍艦行進曲
奥村一:太陽の下に
川崎優:希望
大沼哲:立派な青年
黛敏郎:スポーツ行進曲
高井達雄:鉄腕アトム

戦前の君が代行進曲や軍艦行進曲は独自のハーモニー感がとてもいい感じです。軍艦行進曲なんか昔パチンコ屋でよく流れたものよりは、オーケストラ編曲なので大層立派感じで歴史の厚みすら感じさせます。

個人的な好みとしては團伊玖磨の祝典行進曲です。この日本的で典雅な行進曲は、ウォルトン作曲の英国的歴史を感じさせる豪華絢爛の戴冠行進曲と対峙するのではないでしょうか。

行進曲は実用音楽ですが、こうして聴いてみると過去のオリンピックや皇太子の婚礼、旧日本軍の儀式、儀礼、野球やプロレスなどのスポーツ、人気アニメ、ニュース、パチンコ屋の喧騒など、これらを聴くと日本国の歩みや生活を俯瞰しているような気になります。

現在も使われているのは、小関裕而のスポーツショー行進曲で、再編曲されたものがNHKで使用されています。黛敏郎のスポーツ行進曲はオリジナルが吹奏楽でオケ用の編曲は作曲は自身ではなされていないようです。團伊玖磨の祝典行進曲だけが作曲家自身によるオケ編です。