リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

みんなのリュート通奏低音(1)

2022年02月22日 11時26分13秒 | 音楽系
ヨーロッパではバロック音楽のアンサンブルやオーケストラにリュート(アーチ・リュートまたはテオルボ。以下同様です)が通奏低音で入るのは普通で、むしろそうでない場合を探す方が難しいと思います。残念ながら日本ではバロック音楽のアンサンブルやオケがそもそも少ないこともあるのですが、リュートが通奏低音に参加するのはそれほど多くない感じがします。まぁ以前よりは増えてきてはいますが。

プロのリュート奏者であれば通奏低音ができるのは当然でしょうけど(というか通奏低音ができないリュート奏者はプロとは言えません)最近はアマチュアの奏者の中にも通奏低音をする人が出てきています。

ただ私が聴いた範囲では、ほとんどの場合がやってほしくないレベルのものです。そもそもテクニック的にあまりに未熟であり、ハーモニーの知識もほとんどない感じがします。そのレベルで通奏低音を人前で弾くのは言語道断、一万光年早い!というのはちょっと言い過ぎでしょうけど、例え無料のコンサートであっても時間をさき、会場まで交通機関を使って足を運ぶのですから、それ相応のものは出さないといけません。

やってほしくない人がいる反面やってほしい人もいます。「リュート村」みたいに凝り固まってリュートのソロしか弾かないとか、リュート同士のアンサンブルしかやらないみたいな人たちです。こういう人たちは頭でっかちになる傾向もあります。こういう形態は安心感があるのでしょうけど、もちろん全面的に否定するつもりはありませんが、他の楽器と合わせる楽しみもぜひ味わってほしいものです。

あとやりたいのはやまやまなんだけど、どうしたらいいのかさっぱりわからないという人もいます。迷える子羊さんたちです。

そこで、通奏低音をやってほしくない人、やってほしい人、やまやまな人のためにヒントになることを少し書いてみようかと思います。ただ書くべきことはとても多いし、アマチュア向けではない内容に入ってしまう恐れもありますので、だれでも通奏低音ができるようになる完璧メソッド!みたいな大風呂敷を広げるつもりはありません。何かのヒントになるようなポイントを次回から書いていこうと思います。