リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

なぜニ短調弦が残ったのか(2)

2022年06月11日 12時03分18秒 | 音楽系
バロックリュートを調弦するには、まず1~3コースまたは4~5コースを合わせることです。でも1~3コースの方が弦が少ないのでこちらから合わせた方がいいと思います。それらの3つのうちどれとどれを合わせるかというとまず3コースと2コースを合わせます。

3コースのラの音を覚えていない人の場合は、チューナーなり音叉など基準となる音を出してそれに3コースを合わせます。チューナーを使うときはメーターを使わないで実音を出してそれに合わせます。

3コースと2コースが合ったら、2コースの3フレットを押さえてその音と1コースを合わせます。こうして1~3コースがあったら、4~5コースをオクターブで合わせます。残り7コース以下も全て1~3コースのオクターブで合わせます。

こうしていくと、一か所だけ「あいまいな」4度であとは全て明快なオクターブやユニゾンで合わせることができます。これがニ短調調弦の特質=調弦のし易さなのです。