リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

プレリュード・フーガ・アレグロのヘ長調編曲(22)

2022年06月02日 13時34分08秒 | 音楽系
フーガ編その2

フーガは8段で印刷するとA4で3ページになりますが、今回はその2枚目、32小節~55小節までです。



このページは難所がいくつもあります。リュートは10フレットあたりでもギターだと14フレット以上を弾いているような感じになります。弦幅が広がり複弦の幅が広がりかなり弾きにくくなります。ヘ長調編曲の場合は最高音がFになりますので、そのあたりで動いているフレーズは弾きにくいのと、あと音がキンキンしがちになるので注意が必要です。

難所その1:35,36小節:バスに関してはそれほど難しくないですが、中声部のテーマを弾きながらポジション移動をしていきます。

難所その2:一難去ってまた一難と言う感じですが、39、40小節です。そんなに無理がある訳ではありませんが、音が出にくいポジションを使うので力み過ぎてキンキンしないように弾く必要があります。

難所その3:41小節目。ここはものすごく弾きにくいところです。指のエクステンションが必要ですし、複弦を押さえ損なわないようによく練習してかつ細心の注意を持って弾く必要があります。

難所その4:43小節~44小節の冒頭。こういうところはシングル弦だったらまだだいぶ楽ですが、5~3コースが複弦なのでフーガのテーマをきちんと聴かせるのはなかなか大変です。

あとは「普通に難しい」かなという感じです。1ページ目も結構大変な箇所がありますが、2ページ目は難所のオンパレードです。次の3ページ目は音域が少し低くなるのでそれまでよりはずっと楽になります。

このタブは何度も弾いて運指も含めて検討を重ねたタブなので、そこらのネットにころがっているような演奏不可能なものではありません。お時間がある方はぜひ実体験をして頂くといいかなと思います。