リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

なぜニ短調調弦が残ったのか(4)

2022年06月15日 17時50分33秒 | 音楽系
もっとも4度について悩まないのなら、この4度もチューナーでちゃちゃっと合わせればいいし、そもそもチューナーを使うのなら、1コースから順番に合わせて行けばいいのです。でもこれだと先人が少しでもいいハーモニーを出そうと苦労してきたことを体験できません。

リュートの調弦はレッスンの時に先生にやってもらうだけだとか、ペグが緩んだ時に仕方がないのでその弦だけチューナーで合わせるとか、調弦は3日に1回程度かなとおっしゃるあなた、調弦はそもそも弾きはじめに行い、その後は何分かに1回は行うという類のものです。

平均律の5度は純正5度よりわずかに低く(幅狭)、同4度は純正よりわずかに高い(幅広)です。そのわずかの分量は平均律の半音の2/100(2セント)です。

私自身は疑似平均律というべき、限りなく平均律に近いテンペラメントを使っています。どうするかというと平均律と純正の2セント差を2より気持ち小さくするのです。耳を澄ましてよく音をよく聴き、さらにうなりをカウントします。具体的にはどうしたらよいのでしょうか。