リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

ニッサン・サクラ好調!だが。

2022年06月14日 11時46分44秒 | 日々のこと
軽自動車規格のBEV、ニッサン・サクラと三菱ekクロスEVが受注好調だそうです。販売は6月16日からですが納車状況はどうなんでしょう。1年後とか。(笑)

好調の理由は何と言って販売価格でしょうね。国からの補助金55万円を貰うと200万を切るそうですから、昔の軽BEV三菱iMievなんかに比べるとはるかに安いです。さらに東京都で購入した場合は45万~60万の補助が出るといいますから恐れ入ります。

さらに登録時の軽自動車重量税9000円が0円、第一回目の継続車検時の軽自動車重量税6600円が0円、軽自動車税10800円が2700円(登録の翌年のみ)、環境税割非課税とまるで携帯電話のナントカプランみたいな値引きです。239800円の車が最大124800円になり諸経費が23700円安くなるわけです。車両価格最大48%引き!スーパーの大根でもめったにない値付けです。ちょっと常軌を逸しています。いくらなんでもこれちょっと制度設計がおかしいです。

ここまでやれば受注好調なのは当たり前でしょう。少しお金に余裕があり(けどクルマに500万は出せない)、あまり遠出をせず持ち家で自宅充電可能な層、高齢層なら飛びつくに違いありません。

制度設計のおかしさついでにもうひとつ挙げますと、軽自動車規格に関する問題があります。軽自動車枠とは660cc未満の内燃機関パワーソースを前提に高さ、幅、全長を一定の寸法以下にすることで自動車税、高速道路通行税を減税する仕組みです。そもそも電動モーターは前提とされていません。

ニッサン・サクラと三菱ekクロスEVは馬力こそ軽自動車の自主規制枠の64馬力ですが、トルクがなんと190ニュートン!うちのミニF56は1500ccターボで220ニュートンですからそれに近い値です。軽のターボエンジンの倍近くあります。これだけトルクのあるパワーソースであれば少なくとも町中走行では普通車以上に快適でしょう。F56は1210kg、サクラとekクロスEVは1080kgですからF56と同程度の中低速加速力があるでしょう。

いや高速道路でも今時の軽自動車ですから快適そのものでしょう。しかも通行料は安い!軽自動車税の減税って、そもそも少し狭い車体でやや非力なエンジンで我慢するなら税金をまけたる、ということではなかったでしょうか。軽自動車税10800円(しかも登録時は2700円)では安すぎます。

走りは普通車並みで快適、価格はスズキアルトより安く*1、税も安い、高速代も安いとなれば売れない方がおかしいです。
(*1 東京都で最大補助金の場合で、アルトHybrid Xとの比較)

どうも制度設計がおかしく不公平感満載ですが、ここまでして環境政策としてBEVを普及しなくてはいけないのかは疑問です。最近ユーグレナがバイオディーゼル燃料をウチの近くのスタンドで通常販売するそうです。この燃料は廃油とユーグレナお得意のミドリムシ油から作ったサステオという燃料を軽油に20%混ぜたものだそうで、価格はリッター300円とのことですが、これでも軽油の倍以上します。まだまだお高いバイオディーゼル燃料ですが、供給量の問題もあるでしょうけど、減税と補助金を入れて現在のレギュラーガソリン並みにするという政策なんかいいと思うのですが。ディーゼル車はEV車よりはるかに台数は多いので、CO2削減には相当効果があると思います。どうもBEV普及だけがCO2削減だ、ということにすり替わっているみたいで、なんか特定の勢力だけが力を持っている感じがします。お役人さん、政治家の皆さん、税金はちゃんと公平に使ってください。