リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

カンタータコンサート本番

2007年10月20日 23時37分16秒 | 音楽系
金城学院大学チャペルで行われたバッハカンタータのコンサート、無事終了しました。
このチャペルはそんなに優れた音響を持っているわけではないんですが、直前のリハーサルがすごくデッドなところで行われたので、結構響いていた感じがしました。

大学は学園祭の真っ最中で、その中のイベントとしてこのカンタータコンサートが行われているようです。ゲネプロの前におなかが減ってたので、学生が出している模擬店でやきそばを買うことに。結構人気で少し行列ができていました。並んで待っていると、やきそばがなくなってきました。するとどっかから、解凍した焼きそばが入った袋を持ってきまして、ハサミで封を切り鉄板の上に。要するに味付け不要、もうすでに出来てるものを使ってるわけです。いよいよ私の番でいただく直前で、やきそばやさんの手が滑って、目の前にばしゃーっとこぼしてしまいました。はやくほしかったんですが、そこはやさしく、「いいですよ、あせらないでやってね」なんて言って待ってました。

コンサートは昨年と同じくらい盛況でした。このコンサートを企画して頂いている金城学院大学のK先生が即興でいろいろおしゃべりになったり、さらにはその話の流れで、「では、カンタータ140番の○小節目からちょっと演奏してみてください」なんておっしゃる。こちらはそういうことになるとは思っていなかったのでおおあわてです。

先生はさらにご丁寧にもリュートのコンティヌオのことも皆さんに紹介してくださいました。いつも縁の下の力持ち的な役割でしたからこれは嬉しかったですねぇ。でもコーラスとリュートだけでカンタータ140番の第1曲目17小節目からやってみてください・・・といわれてちょっとあせりました。(笑)コーラスは10人以上いますから。でもちょっと強めのタッチで楽器も少し持ち上げて(笑)弾いたお陰で、音は充分通ったようでした。

私は昨年から参加させて頂いていますが、打ち上げのときに昔から参加しているという方にお話を伺ったら、何と30年以上も続いているとのこと。でもまだ演奏していないカンタータが100曲は残ってるようなので、あと30年くらいは続けられそうですね。

バッハカンタータ

2007年10月19日 19時04分18秒 | 音楽系
明日は金城学院大学チャペルでバッハカンタータのコンサートです。昨年から入れていただいていますが、今年は39番、138番、140番を演奏します。140番はよく知られた曲ですね。

リュートでバッハのコンティヌオを弾くのは結構たいへんなことも多いのですが、何よりバッハの作品は質がきわめて高いので、やってて本当に楽しいです。こういうのを至福というのでしょうか、深い感動につつまれます。

とはいうものの、弾きにくい調性(ホ短調とかロ短調)だと何とかならんかいな、と思わないでもありません。今年はロ短調はなしにと祈ってましたが、またしても138番にロ短調が出てきました。(笑)でもこの曲はいい曲です。ただ楽譜をいただいたときに、通奏低音の数字が全く書いてない楽譜を頂いたので、気合いを入れてこの曲を一番最初に数字を書きながらさらいました。

今回はプロ、アマ混成のモダンピッチ(モダン楽器)ですが、いずれはピリオド楽器によるオケで名古屋でやってみたいですね。明日は15時からです。入場無料ですので、お時間のある方はぜひお越し下さい。

ダイレクト・メール

2007年10月18日 10時28分21秒 | 音楽系
ビアンカ・ローザ桑名公演に向けて、DMを出しました。DM名簿は今までに私のコンサートに来て頂いた方を中心に400人くらい登録してあります。今回は地元ということで、近隣の方を中心に発送することにしました。

名簿から条件を絞り込んで封筒印刷をするあたりまではそこそこはやくできるのですが、難物は中に入れるチラシとか挨拶文を折って封筒に入れて封印する作業。退屈な単純作業なので、いつも音楽を聴きながらやることにしていますが、今回はどれにしよう?

今回はナクソス・ミュージックライブラリから聴くことにしました。まず選んだのがスティーブン・ライヒ(笑)。こういうミニマル的な音楽は単純作業にあってるかなと思ったんですが、これは音楽と自分がやってる作業が同じような感じになるのでだめです。次に選んだのが、マルコム・アーノルドのピアノ協奏曲。マルコム・アーノルドは昔ギター協奏曲をレコードで聴いたことがあります。けどなんとなく作業に乗れませんねぇ。

やっぱり古楽でしょう。次に選んだのがエマニュエル・バッハ(ヨハン・セバスチャン・バッハの息子)の鍵盤楽器のための協奏曲全集。BISから出ている全集で14巻まであります。これはなかなかいけました。それにしてもエマニュエルは華麗な曲を書くもんです。リュートで言えばヴァイスの次の世代、つまりドイツリュート楽派の最終世代、ファルケンハーゲンとかハーゲンあたりと大体同じか少しあとの時代ですけど、音楽のクオリティは格段に違いますねぇ。

全集は第1集、第14集、第2集と聞いて作業終了。いい音楽を聴きながらだと単純作業もはかどるもんです。

バッハ饅頭

2007年10月17日 10時36分27秒 | 日々のこと
宮城県加美郡中新田町にあるバッハホールは、本格的コンサートホールのはしりとして知られています。オープンは1981年だそうです。このころは確かまだサントリーホールもできていなかったころで、日本に「音楽専用ホール」といえるものがまだなかった時代です。フラウト・トラヴェルソの有田正広さんもバッハホールがオープンした頃ににCDをそこで録音しています。

このバッハホールのオープン記念かどうかしりませんが、バッハ饅頭、バッハサブレと清酒バッハが売り出されました。清酒バッハはなんと仕込みのときにカンタータ「おお快き調べ」BWV210aを聴かせたという一品です。ライプチヒの聖トマス教会近くのおみやげ屋さんよりはるかに強烈ですねぇ。(笑)

このことを知り、さっそく中新田町物産店に電話注文してとりよせました。もう10何年か前のことです。清酒バッハは、金字で「音楽醸造酒わしが國バッハ」と書かれた立派な箱に入っていました。味はなんとなくまろやかな感じがしないでもありませんが、実際はよくわかりません。飲むときも当然BWV210aを聴かないといけません。

バッハ饅頭はごく普通のおまんじゅうですが、くるんであるビニールに、有名なトッカータとフーガニ短調の一節が印刷されていました。バッハサブレはどんなんだったかあまり印象はありません。(^_^;)

去年ふと思い出して中新田町物産店に電話して注文しましたら、清酒バッハはあるがバッハ饅頭はもうないとのこと。バッハサブレがあるということなので、清酒とサブレを注文しました。清酒はもう金字の箱には入っていなくてちょっと残念。でもラベルにはBWV210aを聴かせていると書いてありました。ということはそこの酵母も代々聴いているわけですし、酒蔵の人も10何年かの間BWV210aを聴いているわけですよね。暗記でドイツ語で歌えたりして。(笑)かえすがえすも残念なのはバッハ饅頭がなくなったこと。ぜひ復活してほしいですね。

とらや(2)

2007年10月16日 11時50分51秒 | ローカルネタ
とらやの饅頭はその性質上大量生産に向いておらず、生産量はごくわずか、販売も本店とあと近所に何カ所か出しているという程度のようです。ただ、ちょっと宣伝が行き届いていないきらいもあって、同じ限定生産の老舗、奈良のだんご庄みたいに行列ができるというところまではいっていません。でもこういうとらやさんみたいなのって好きなんですよね。さりげなくふつうに売ってるのに、創業は300年を超える超老舗ブランド!って感じですね。今の世の中はちょっと老舗とかブランドとかいうとガツガツしすぎなんですよ。

名古屋の納屋橋饅頭も酒蒸し饅頭ですが、こちらはあちこちにでまわっており、かなりの量が生産されているようです。なんでも聞くところによると、昔桑名のとらやさんの職人さんがのれん分けで創業したのが納屋橋饅頭だそうな。こちらは商売上手で、とらやとは違う薄皮の製法を編み出し、大量生産を可能にしました。薄皮にすこし気泡が入っていてこれが長持ちの秘訣のひとつなんでしょう。あとパッケージングも工夫してあるんでしょう。でも味はとらやに比べれば数段落ちます。自動車などのようにもともと大量生産して品質を上げていくというものは別として、元来少量生産していたものを「工夫」して大量生産しようとしるとどうしても味はおちてしまうもんなんですね。赤福さんしかり。納屋橋饅頭さんしかり。ま、でもそこそこおいしいですけどね。でもとらやさんはもっとおいしい。

とらや(1)

2007年10月15日 12時33分34秒 | ローカルネタ
桑名にはいろいろ老舗ローカルブランドがありますが、とらや饅頭もそのひとつ。創業が1704年といいますから、まだバッハが二十歳になっていないころです。バロック時代の空気を伝えるバロック饅頭。(笑)赤福と競るくらいの老舗です。

お店はマイカルにも出していますが、本店は石取り祭りで知られる春日神社のはす向かいにあります。このとらやの売りはこしあんの酒蒸し饅頭です。いろんな酒蒸し饅頭を食べましたが、このとらやのが多分ベストじゃないかなって感じです。

酒蒸し饅頭はすぐに皮が固くなるという性質をもっていますので、朝作ったものをその日のうちに食べるというのが一番おいしい食べ方です。翌日まで置いておくとちょっと皮の感触が今ひとつになります。そういうときは蒸したり電子レンジであたためるといいのですが、やはり作りたてが一番おいしいです。

赤福

2007年10月14日 20時27分09秒 | ローカルネタ
赤福さん、やられちゃいましたねぇ。昔うちの近所の赤福の売れ残り再処理工場がありました。中をのぞいたわけではありませんが、噂によると、(近所の)あそこが赤福の売れ残り再処理工場で、そこであんこを落として餅をあられにしてどっかに売っている、という感じでした。ひょっとして話はでたらめかもしれませんが、聞いたときはなるほど、と思いました。

赤福はその日に作ったものしか売らない、と聞いてましたので、そういう再処理工場はあって当然だと思いましたね。老舗で製造量も限っていて、なおかつその日の製造物しか売らない、さすがだねー、なんて思ってました。赤福の販売「北限」名古屋あたりまでだって聞いてましたが、今は実際はどうだったんでしょうね。

ま、大体たくさん売ってもうけようとすると、どっかインチキをしたり、品質が落ちてしまうのが常です。私が大好きな、奈良県橿原市のだんご庄というお店の団子は、その日売り切ったらおしまい。お店も確か2件だけで、昔からの製法をかたくなに守り続けています。http://dango.kir.jp/about_dango.htmlいやーこういうのって好きなんですよね。奈良に住んでいる友人に教えてもらったお店なんですが、それ以来すっかりとりこになってしまって、だんご庄のおだんごを買うためだけに、近鉄に乗って大和八木駅までいったりするときもあります。以前そうやっていったら定休日だったりしてがっかりしたこともあります。(定休日は毎週火曜日と、第一水曜日日です)定休日をさけて、朝早くいかないと、確実には手にはいりません。

赤福さんも金儲けばっかし考えてないで、品質にとことんこだわった老舗ブランドとして再出発してほしいですね。

ハム音

2007年10月13日 10時06分36秒 | 音楽系
消防法と言えば、以前名古屋市の名東文化小劇場で師匠のホプキンソン・スミスのリサイタルを催したときのこと。リハーサルをしていたら、妙なハム音みたいなものがしました。実はこれと同じ音が市内の別の文化小劇場でコンサートを行ったときにしていました。この音はスピーカーから出ている低い音程のハム音(ブーンという音)で、会場の担当者によると、消防法による定めで災害時の緊急放送用に常時スイッチを入れておかなくてはならない由。つまりハム音は消せないということです。そういや非常口を示す誘導灯も煌々とついていました。

この時は担当者に無理を言って音を消してもらいました。師匠のリサイタルのときもお願いして消してもらうことはできましたが、結構難航しました。それにしてもハム音にしても非常誘導灯にしても無粋というか無神経なもんです。もっともハム音が問題になるのは、リュートとかギターとかいった音量の小さい楽器の場合であって、吹奏楽などでは全く問題にならないでしょうから、滅多に苦情を言われることはなかったんでしょう。

もちろんしらかわホールや電気文化会館コンサートホールなどのクラシック専用ホールではこういった音はなく、会場は限りなく無音になります。確か無粋な誘導灯も演奏中は消してもらえるはずです。お上のやっているホールはさすがに杓子定規です。県立の芸術劇場はなんかはどうしているんでしょうかねぇ。ここはコンサート専用ホールだし、ハム音云々はないでしょうけど、そもそもここは巨大ホールでリュートみたいな消音量の楽器のコンサートはないでしょうから、仮にハム音がしていても問題にはならないでしょうね。

消防法

2007年10月12日 11時25分43秒 | 音楽系
12月から始まる「バロック音楽の旅」講座(桑名市教育委員会主催講座)の申し込みがすでに40名届くくらいになりました。これから市内の各小中学校にポスターを配布して宣伝をしようかと思ったんですが、会場に入るスペースがあるかどうかを確認する必要を感じましたので、会場の精義公民館に行くことにしました。

計画では20名程度の参加を想定していましたので、うれしい誤算です。現在小中学生の参加はごく少数ですが、各学校に宣伝をしてひょっとして10名とか20名という数の申し込みがあって、会場に入りきらないというのでは困りますから、会場のキャパを見てみようと思ったわけです。

ま、こういうのは、講座を始める前にきちんと算定しておくべきなんでしょうが、事前に会場を見に行ったときは、おお、これなら20名は充分だ、なんて軽く考えていましたから。(笑)

講座の募集要項には定員30名程度、申し込み多数の場合は抽選なんてかきましたが、30名ジャストになるように抽選するつもりはありません。この30名程度の「程度」はかなり拡大解釈をするつもりです。でもあまりにも多いとやはり抽選ということにならざるを得ません。

公民館に行き、館長さんに案内してもらって、会場の会議室へ。なんか前みたより小さいような印象・・・でも実際に椅子を並べてみましたら、前に演奏するスペースをあけて、70名いけることがわかりました。そのことを念のため館長さんに伝えると、70名はだめだとおっしゃる。なんでも消防法による制限があるそうで、会場の会議室では50名以上はだめなんだそうです。うーん、となると講師が最大で4名だから46名が定員ってことになります。「30名程度」は最大値が46名ということになるわけですねぇ。微妙な数です。桑名市内に小中学校は40校くらいはありますから、なんかのはずみで10人くらい募集があると抽選ですよねぇ。まあ残念ですが、今年は小中学校への働きかけは断念したほうが良さそうです。

若き二人の演奏家(4)

2007年10月11日 09時51分50秒 | 音楽系
コンサートでは、フレスコバルディ、ストラーチェの作品をイタリアン・チェンバロで、ラモー、バッハをジャーマン・チェンバロで演奏しました。200数十席はある会場もほぼ満杯でしたが、もともとあまり残響が多くないこの旧東京音楽学校奏楽堂、今回はかなりデッドな感じの響きでこれがちょっと残念でした。

プログラム始めのイタリアンの作品ではちょっと固くなっていた感じでしたが、リコーダーの共演者Tさんといっしょに演奏した、バッハのトリオソナタ(オルガン用のトリオソナタの編曲です)あたりから、リラックスしてきたようです。ラモーの作品の技術的な冴えもすばらしかったですが、バッハのフランス組曲で聴かせた歌うような弾き方は彼女の成長を物語っていました。あと2年はバーゼルで勉強を続けるようですが、勉強を終えて帰ってきたときが本当に楽しみです。でも向こうでのコンサートで人気が出ると日本に帰らないということがあるかも。こういうのって残念ですけど、ありがちなことなんですよねぇ・・・(笑)