院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

名古屋の市議会議員

2011-03-05 13:57:35 | Weblog
 昔、私が名古屋市役所に「医師免許を持った役人」として奉職していたころ、市議会議員は役人に対して極めて横柄だった。むろん市議会議員全員ではないけれども、とくに与党の議員の横柄さは目に余った。

 普通の常識人ならどんな相手に対しても、丁寧さや謙虚さをもって接するはずだ。しかし、自分を何様だと思っているのだろう、そういう常識を欠く議員が目立った。

 役人の方も内心はバカにしているのに、議員に対してはペコペコしていた。もし逆らおうならば、どんな仕打ちに遭うかわからない。議会の資料を深夜まで作らされて、それが使用されないなんてまだよい。もしかしたら出世できなくなるかもしれない。終身雇用の(医者でない)役人は、生活がかかっているから、議員になんと言われようとじっとこらえなくてはならない。

 「議員が家業になってはいけない」という河村たかし市長の主張は、とりあえず役人にも支持されるだろう。しかし、やがて「減税日本」の議員のあまりの素人ぶりに嫌気がさすだろう。

 思い起こせば、野党にもひどい議員がいた。私が赴任した精神障害者リハビリ施設ができるとき、少なからず地元の反対があった。そのため、リハビリ施設がある地元選出の野党議員は、当時先進的といわれた同施設にさまざまな嫌がらせをしたという。

 その後だいぶだってから、その議員は収賄罪で失脚した。もともと人望がないから、誰もかばってくれなかった。

 この野党議員は、自分が反対していたリハビリ施設で工事があったとき、「他に業者がいなければ、この業者にやらせてくれ」と臆面もなく言ってきた。「よくやるな」と当時の私はにがにがしく思った。競争入札が行われなかったので高くついた。

 平成3年、私はその施設から全く別の病院に移った。せいせいした。役人による医者いじめも当時はあった。議員もそうだが、役人にも一流と末流がある。

 私は終身雇用でないから良かったが、普通の役人たちは身軽に動けない。気の毒に思う。私が役所を去って20年近く。その間、一緒に仕事をした役人たちは、かなりの数が定年を迎えた。

 (註)収賄罪というのは今や「犯す」のではなく、「造られる」ものである。「越後屋」みたいなあからさまな収賄というのはありえない。収賄罪はときどき検察が屁理屈でもって「造る」のだ。