院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

このたびの地震に寄せて(9)

2011-03-18 11:45:45 | Weblog
 ガソリン、乾電池、トイレットペーパーが購入制限されているか、または買えなくなった。これは買いだめによるものであり、各家庭がいつもより余計に買うと、こうなる。

 あすか製薬の福島工場が被災した。この工場は甲状腺ホルモン(商品名チラージンS)を造っている。甲状腺ホルモンは、糖尿病におけるインシュリンのようなもので、甲状腺機能低下症の人には必須の薬である。

 福島工場が生産中止になったので、甲状腺ホルモンが不足する可能性がある。でも、多くの人が甲状腺ホルモンを買いだめしてしまって、市場から甲状腺ホルモンが消えるということはない。なぜかと言うと、この薬は要指示薬であり、医師の処方箋が必要だからである。

 医師は余分に甲状腺ホルモンを処方しない。だから余分に買えない。みなが余分に買わなければ、なくなることもない。

 要するに配給制度みたいなものである。食糧も配給制度にする必要があるかもしれない。

 ちなみに甲状腺ホルモンは数日間飲まなくても、どうということはない。何ヶ月も飲まないと、元気がなくなったり、浮腫が出てきたりするけれども、命にかかわることはない。

 昔、まだ甲状腺ホルモンの化学合成ができなかったころは、豚の甲状腺を粉にして服用していたのだ。もし、チラージンSが不足したら、元の豚の甲状腺に戻ればよい。