院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

保健所長という存在

2011-03-07 11:25:46 | Weblog
 保健所長はみな医者である。というより、医師免許を持っている。だが、保健所長で臨床能力はない。名ばかりでも医者だから、行政能力もない。まぁ、保健所長は保健所の「お飾り」みたいな存在である。

 なぜ、もっと行政能力がある人に保健所長をやらせないのか?それは、保健所法に「保健所長は医師でなくてはならない」と定められているからである。

 保健所法は戦勝国アメリカの肝いりで造られたのだが、くだくだしいから経緯は省く。

 保健所長になりたい医師はほとんどいない。公衆衛生に興味があるという医者は少ない。では、どういう医者が保健所長になるのかというと、まずペーパー医者。彼らには、研修もなしに臨床をやってほしくない。そういう人の受け皿に保健所長はなっている。

 あと、臨床に疲れた医者。臨床でミスを犯した医者。臨床能力が自分にないと見限った医者。だから保健所長は医者でなくてはならない理由は何もない。

 保健所の仕事に医療監視というのがある。病院やクリニックを回って、適正な医療をやっているかどうか調べるのだ。

 病院やクリニックは医療に素人の役人が監視に来ても相手にしない。医者が監視に来ると相手にする。そういうときにだけ、保健所長が医者であることが役に立つ。

 行政側もそのことを知っているから、保健所法を換えよとは言わない。保健所長はふだんは遊んでいるみたいなものだ。

 妻が長く保健所長をやっていたから、上記のことは誤りではないはずだ。