院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

友達の弁当

2011-03-10 13:44:01 | Weblog
 子供のころ、遠足などの行事以外でも、幼稚園や学校に弁当を持って行くことが多かった。学校給食の準備が完全には整っていない時代だった。

 小学校低学年だったか、つぶし麦まじりの弁当を持って来る子がいて、白米しか食べたことのない私にとっては珍しく思えた。「ああいうのが食べたい」と言って両親を仰天させた。池田隼人首相が「貧乏人は麦を食え」と言って顰蹙を買うだいぶ前のことだ。

 ロールサンドを持って来る子がいて、あまりのおシャレさにき驚嘆した。ロールサンドというのは、パンに具をはさむ従来のサンドイッチではなく、具をパンで巻いて、セロハンで包んだものである。当時が「走り」だった。参考までにその子は男子である。

 私の弁当はというと、母親が手抜きの性格のため、「のり弁」が多かった。「のり弁」というのは、ご飯の上に醤油をたらし、海苔を敷きつめたものである。おかずは卵焼きオンリーだった。手はかかっていないが金はかかっているというのが、母親の言い訳だった。

 今でも印象的に覚えている弁当は、黒こんにゃくと白こんにゃくを煮て賽の目に切り、それらを市松模様に並べた弁当だった。これには驚いた。金はかかっていないが、おそろしく手間がかかっている。

 語りぐさになっている「昼食どきに(弁当がなく)校庭でぶらぶらしている子」や「サツマイモのふかしたものだけが弁当」というような子は、私の時代、すでに見られなくなっていた。