くさか里樹の漫画「ヘルプマン」は、山崎豊子の小説「恍惚の人」に匹敵する優れた社会派漫画である。
主人公の恩田百太郎は勉強はからっきし駄目だが、こと老人介護に対する熱意がものすごい。一方、相手役の神崎仁は百太郎の親友で、怜悧な頭をもっている。
最初の設定では、百太郎がいつまでも地べたで介護を行なっていくのに対して、神崎は頭脳を使って老人介護の仕組みを巧みに利用し、経済的にのし上がっていくように描かれている。
その設定が途中から変わってくる。神崎のほうも損得抜きで老人介護に熱意を燃やすようになるのだ。
この方針転換は成功した。神崎が金儲けだけに走ったら、この漫画はこれほどには面白くはならなかっただろう。
この漫画は老人介護のもつ問題点を鋭くえぐり出している。高校でもこの漫画を読むように奨励されているらしい。学校が漫画を薦める時代になったのだ。
2011年、この漫画は日本漫画家大賞を受賞した。今、第20巻まで出ている。一読をお薦めしたい。
主人公の恩田百太郎は勉強はからっきし駄目だが、こと老人介護に対する熱意がものすごい。一方、相手役の神崎仁は百太郎の親友で、怜悧な頭をもっている。
最初の設定では、百太郎がいつまでも地べたで介護を行なっていくのに対して、神崎は頭脳を使って老人介護の仕組みを巧みに利用し、経済的にのし上がっていくように描かれている。
その設定が途中から変わってくる。神崎のほうも損得抜きで老人介護に熱意を燃やすようになるのだ。
この方針転換は成功した。神崎が金儲けだけに走ったら、この漫画はこれほどには面白くはならなかっただろう。
この漫画は老人介護のもつ問題点を鋭くえぐり出している。高校でもこの漫画を読むように奨励されているらしい。学校が漫画を薦める時代になったのだ。
2011年、この漫画は日本漫画家大賞を受賞した。今、第20巻まで出ている。一読をお薦めしたい。