院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

「バッチリ」と「行ってみよう」

2012-10-22 05:13:41 | 日本語
 流行語が日本語として定着することは極めて珍しい。その珍しい流行語は「バッチリ」と「行ってみよう」である。いずれもクレージーキャッツが使い始めた流行語だった。

 現在では「バッチリ」は落ち度がないという意味に使われる。落ち度がないことを一言で表す日本語はなかった。それを「バッチリ」は一言で言えるようにした。「バッチリ」が生き残った理由はそこにあるのだろう。

 「行ってみよう」は「(試しに)行ってみよう」というニュアンスがある。時にこれは婉曲を表す。「行こう」と言わずに「行ってみよう」と言うと、少し遠慮した感じがあって、そこが日本人に受け容れられたのだろう。

 谷啓さんの「ガチョーン」は今頃やると、相当古い人に見なされてしまうだろう。植木等さんの「お呼びでない」も同じである。

 クレージーキャッツの流行語で残ったのは、「バッチリ」と「行ってみよう」だけしか私には思い浮かばないが、まだあったら教えてほしい。