STAP細胞の共同発表者、若山照彦山梨大学教授は愉快な人だと思った。というのは、STAP細胞が発表されたとき、「僕が世界で初めて冷凍マウスからクローンマウスを作るのに成功したときには、こんなに注目してくれなかった」とにこやかに語っていたからだ。
むろん私も知らなかった。だが18年間冷凍したマウスからクローンマウスができれば、冷凍マンモスのクローンを作る道も開けるので、画期的な仕事ではあるのだ。元の仕事を知らないのだから、その技術に再現性があるのかどうか、そもそも追試が行われたのかも私は知らない。
だが、多くの研究発表とはそうしたもので、研究者の間でだけ発表が知られ、追試が行われ、再現性が証明されたり証明されなかったりしているのが本来の姿である。それらは大衆が知らないところで行われている。
われわれはiPS細胞が発表された2007年には、iPS細胞について何も知らなかったではないか。STAP細胞もそのようにひっそりと発表されていればよかったのだ。再現性が証明されなければ、この発表は静かに消えていったはずである。そして、発表されたことも消えていったことも、大衆は知らなくてすんだ。今回のSTAP細胞のごたごたは、理研が大々的にテレビ発表してしまったことにも大きな原因があるのだ。
むろん私も知らなかった。だが18年間冷凍したマウスからクローンマウスができれば、冷凍マンモスのクローンを作る道も開けるので、画期的な仕事ではあるのだ。元の仕事を知らないのだから、その技術に再現性があるのかどうか、そもそも追試が行われたのかも私は知らない。
だが、多くの研究発表とはそうしたもので、研究者の間でだけ発表が知られ、追試が行われ、再現性が証明されたり証明されなかったりしているのが本来の姿である。それらは大衆が知らないところで行われている。
われわれはiPS細胞が発表された2007年には、iPS細胞について何も知らなかったではないか。STAP細胞もそのようにひっそりと発表されていればよかったのだ。再現性が証明されなければ、この発表は静かに消えていったはずである。そして、発表されたことも消えていったことも、大衆は知らなくてすんだ。今回のSTAP細胞のごたごたは、理研が大々的にテレビ発表してしまったことにも大きな原因があるのだ。