院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

大倉幸宏著『「昔はよかった」と言うけれど』

2014-03-26 06:12:09 | 読書
(新評論刊。)

 3月20日にご紹介した『本当はひどかった昔の日本』には古文書に出てくる子どもや老人に対する残虐な処遇などが書かれていた。

 上の本は友人に紹介されたのだが、もっと軽く、明治以降のマナーについての古今の比較である。電車で席を譲らない、人前で化粧する、電車内を汚すといった行為は、むかしのほうがずっとひどかったという内容である。それらが、当時の新聞記事や書物で立証されている。

 私は戦後生まれだが、幼少時に、道端で大の大人が喧嘩しているのを見たし、電車の席取り合戦も見た。旅館の備品を盗む人もいた。

 ところが、1970年を境いに国民がいっせいに紳士的になり、往来での大人の喧嘩を見なくなったし、電車内の秩序も格段に美しくなった。

 このような現象は日本だけに起こったのではなく、先進国に共通して起こったらしい。これを「ジェントル革命」と呼んだヨーロッパ人がいたことは、2008-10-28 の記事に書いたからご参照願いたい。