トラブルシューター

私の修理・製作体験記(茨城・県西おもちゃ病院・JA7FJP/1)

拍手制御スイッチ(AKIT-107)調査難航→原因判った!

2012-06-12 20:02:00 | おもちゃ病院

「hakushu-sw.pas」をダウンロード

 新入サークル部員の入門工作としてaitendoの「拍手制御スイッチ(AKIT-107)キット」を作ってもらったが、動作せず、私が調査することで預かった。
前のブログで紹介したが、このシリーズのキットに使われているプリント基板はパターンが薄く細いので、部品を動かすだけでパターンが切れてしまう。預かった時点で4箇所程修正(スズメッキ線でジャンパー)してある。部品の定数はチェックしたが間違えていない。
Hakushuswhakei_2Akit107_sch回路シュミレーションもしてもらったが、波形は出るので回路上は問題無し。プリントパターンもコピーして接続を確認したら回路図とは合っている。だが、パターンのルートが複雑に通っている。多分CADの自動ルーターでも掛けて引かせたのだろう。
調べ始まったが、マイクアンプのコレクタに波形が出ない(コンデンサマイクの出力はOK)。
Hakushuswhaisenいじっている内に次々とパターンが切れて行くので、これ以上調べるのは止めにして、新たにユニバーサル基板で再現出来るか配線図を書いてみた。
ジャンパー無しで引くことは出来た。
これで、もう一度半田付け作業実習を兼ねて製作してもらうことにする。
「hakushu-sw.pas」をダウンロード
「hakushu-sw-haisen.gif」をダウンロード

これを見た、先輩おもちゃドクターからアドバイスをいただきました。
マイクの信号出力が間違っているのではと。
(シュミレーションではECMを使っていないので判らない)
ECMの内部はFETのインピーダンスコンバータが入っており、使用方法としては、マイナスはGND、プラス側は2.2kΩ程度(電源電圧により異なる)でバイアス電圧を加え、このプラス側から信号を取り出す様になっている。aitendoの回路接続で書いて見ると、確かにこれでは信号が出てこない気がする。帰ったら接続変更して確認してみます。

【帰って調査:原因判った】
Img_2487_rImg_2489_rアドバイス通り、ECMの接続を変更。パターン切れの修正も綺麗に張り直した。それでも動作せず。
調べるとマイクアンプのトランジスタQ4(S9014)B-E間の抵抗値が0Ωになっていたので、同じNPNで手持ちのS8050 に交換したら動作OK(拍手する毎にON/OFFを繰り返す)となった。
壊れた原因は不明だが、トランジスタ不良が原因だった。
最低動作電圧も確認してみた。1.5VでもLEDは点かなくなるが、トランジスタのON/OFFは動作した。
Img_2486_rImg_2488_r波形を観測してみる。左がQ4のコレクタ出力。右がQ2のコレクタ出力。400ms幅の整形波形が出力される。

ついでに、ECMの接続をオリジナルにしたらどうなるのか単体で回路を組み、オシロで観てみたが出力レベルは予想に反して(-をGND接続と)殆ど変わらなかった。結果的に、どちらでも動作する様だが、ECMのケースはマイナスに接続されており、ここから出力信号するにはノイズ的に問題になると思われるので、やはりマイナスをGNDとして使用すべきだと思う

コメント
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