この馬券に神が舞い降りる

だから...
もうハズレ馬券は買わない。

2回中山6日目

2012-03-11 09:33:08 | 馬券
3月初旬。
修平は入院をした。
入院に対して、修平を悩ませていたのは金銭の問題だった。
治療には高額な医療費が掛かる。
多少の負担は保険の範囲で可能だが、それもすぐにカバーされるものではない。
なによりも生活費の問題だ。
北海道の牧場の仕事は移ったばかり、正規雇用ではない。
蓄えがあるわけではない。

46歳の自分になにもない。
自分の人生はなんだったのか。
子供たちに何も残せてあげられない自分とはなんなのか。
治療をして治るものなのか。
いっそ、死んでしまった方が、すべてが楽になるのではないか。
そんな思いが修平を押しつぶしていた。

入院棟の食堂で、修司と竜太は遅い昼食をとった。
竜太は修平と鎌倉の家に戻ったままで、修司と逢うのは誕生日以来だった。
「叔父さんにお願いがあるんだ」

「うん、オジサンでできることなら相談にのるぞ」
父親の入院で気落ちしているだろうという思いもあり、修司はわざと元気よく応えた。

「僕、外国にいきたいんだ」

「外国?」

「兄さんは才能に溢れている。学校では一番の成績だし、乗馬だけではなく、歌も巧い。絵もコンクールで賞をもらっている。それに引き替えて自分にはなにもない。だから外国に行って英語が話せるようになりたい」

「とうさんの病気もあるし、今すぐでなくてもいいんじゃないか」
そう言おうと思ったが、すぐにそれを打ち消した。大人の理屈が通じるわけがない。何よりも竜太自身が、その辺はよくわかっていて出した結論なのだ。

「わかった、知り合いに相談してみよう。だが手続きとかがあるので、2、3か月は先になるかもしれないが」

「うん、わかった。ありがとう。自分もその間に少しは勉強をしておきます」

修司は驚きを隠せなかった。自分が18歳の時に抱いていた姉に対する劣等感を、12歳の竜太が同じ思いでとらえ、そして同じ道を選択しようとは。
そんな甥っ子に、血のつながりという愛情を抱かずにいられない修司だった。

<第46回 フィリーズレビュー>
④アイムユアーズ、⑦ファインチョイス、⑯イチオクノホシが獲得賞金4000万円以上で、桜花賞への出走安全組。彼女達の本番はこの先になるだろう。
といえ、この三頭が主役組であることは変わらない。
三枚の桜花賞切符だが、その中に行く込める馬を見つけるのがこのレースのポイントとなる。

そこで狙ってみたいのが①②③⑫⑭の前走1着組。
①サトノジョリーに食指が伸びるが、同枠の②レッドクラウディアを狙ってみたい。
本命は⑯イチオクノホシ。蛯名騎手から石橋騎手替わってしまったが、この馬を本線に、⑯⑦② ⑯①④ で馬券を考えてみたい。
コメント (3)
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