Pの世界  沖縄・浜松・東京・バリ

もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

悲しき風鈴

2007年05月21日 | 家・わたくしごと
 風鈴の音は夏の風物詩である。やわらかい風鈴の音は、やわらかな風そのものだ。夕涼み、浴衣、団扇、麦茶(ビール)、そして軒下に釣り下がる風鈴・・・なかなか風流である。
 さて沖縄だが、基本的に本土に比べると四季が明確とはいえない。そして明らかに夏が長い。もし風鈴が夏の風物詩であるならば、一年の半分以上は軒下に架けていなくてはならない。そうなると季節と涼しさを感じるというよりは、耳障りな音具に過ぎなくなる。
 ところで現在、多くの家がクーラーを使うようになった。世界は温暖化現象で気温が上がり、夕涼みなんて風流な行為は一般的ではなくなり、大半は部屋を閉め切ってクーラーで涼をとる。となると風鈴の音なんて聞こえるわけはない。しかし、それでも風鈴を家の中にかけて、クーラーの冷気や扇風機の風で、風鈴を楽しむ人がいるらしい。こうなると風鈴はもはや、自然の風を感じる音具ではない。
 さて、我が家の風鈴だが、マンションのベランダの洗濯物干しをかけるフックに一年中吊り下げられている。こうなると四季とは無関係である。かみさんによると、この風鈴は洗濯物に糞を落とす鳥除けなんだそうである。しかし鳥の寝静まる今晩もベランダでは風鈴が悲しく鳴り響いている・・・。