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もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

ガムランの調律

2011年03月19日 | 那覇、沖縄

 今、バリの芸術大学の先生で、ガムランの調律のできる方が沖縄に滞在している。昨日から、ほぼ20年間調律していないゴング・クビャルを調律してもらっているのだ。
 バリの楽器の調律は、ピアノの調律と違い、楽器の置いてあるスタジオを一見すると工事現場である。グラインダーで鍵盤を削る音、竹のひびに塗る木工用ボンドのにおいで充満する。調律師は、鍵盤と鍵盤を耳元でしずかに打ち合わせる。かすかなうなりに耳を傾ける。
 夜に、この楽器を使ってメンバー達が練習をした。なんだか別の楽器のようだ。購入してから20年、楽器は再び生まれ変わった。調律とは、そんな力をもっている行為だ。私たち演奏以上に、なによりも喜んでいるのは、楽器たちだろう。