Pの世界  沖縄・浜松・東京・バリ

もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

頼む、お願いがあるんだ!vs 頼む、わかって欲しいんだ!

2014年06月26日 | ワヤン上演
「頼む、お願いがあるんだ!聞いてくれないか、今すぐ聞いて欲しんだよ。」
「なんだい、こんな夜中にどうしたんだよ。わかったよ。おまえは俺の親友だもんな。聞くさ、ちょっと待ってくれ。冷たい水でも飲ましてくれよ。目が覚めないんだ。」
「実は、俺の家族が、あるグループにぼこぼこにされたんだよ。おまえ、親友って言ってくれたよな。お願いだから、俺と一緒に、俺たちを襲ったグループをやっつけて欲しいんだ。」
「おいおい、ちょっと待てよ。いくらお前は親友でも、そのグループのこと俺はぜんぜん知らんし、そもそもそんなやつらと争いにでもなったら、俺の仲間もやられちまうかもしれないじゃないか。おまえのつらさはわかるが、おれだって仲間が大事なんだ。勘弁してくれよ。」
「そんなこというなよ。この前、おまえの持ち物を自分ものだとほざいていた奴を俺がしばいてやってたじゃないか。自分の時は助けてもらって、俺のときは助けてくんないのか?」
「そういうわけじゃないんだ。ただ、俺のグループには掟ってやつがあってね。俺のところに直接関係ない話には、首をつっこまないことになっているんだよ。お前にはちゃんとお礼をしたじゃないか。」
「そりゃお前の都合だろ?」
「でもな。俺は仲間が大事なんだよ。そいつらに、つらい思いをさせたくないんだ。わかってくれよ。わかって欲しいんだ。掟はそう簡単に破ることはできないんだよ。親友のおまえのためだからって、都合のいいように解釈を変えることなんてできないんだよ。なぜって、掟は過去の過ちの歴史の中から作られたものだからね。二度と過ちを犯したくないんだよ。だから頼む、わかって欲しいんだ!」