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もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

息子からのメール

2012年07月12日 | 家・わたくしごと
 何か用がなければ沖縄に住む高校生の息子の携帯にメールをすることはない。だいたい息子に直接伝えなければならないことなんてそうそうあるものではない。昨日、久しぶりに彼に連絡することがあって、なるべく必要以外のことは書かずにメールをした。「元気にしてるか?」くらいは書いたけれど。それでも携帯メールに慣れていない私は、10分くらいかけてメールを書いた。
 しばらくして、返信が来た。だいたい返信なんてくること自体が奇跡である。驚いて開いてみると、「分かりました」の一言。「こっちはこんなに一生懸命メールうってんのにこれだけかよ」と思いたくもなるが、考えてみれば、僕がお願いしたことを、文句も言わず了承してくれているわけだ。
 今もいつ来るかわからないメールを待ち続けている人たちが、この世界には数えきれないほどいるはずだ。何をしていても携帯が気になってしかたがないし、夜も肌身離さず携帯を握っているとか……。それはそれでちょっと切ないけれど。そんな皆にとっては、「もしもし、元気にしてるよ。」って声を聞くだけで、その心は十二分に満たされるのだと思う。
 そう考えてみれば僕はありがたい息子を持ったわけだ。別に返事を期待していたわけではないし、待ち続けていたわけじゃないけれど、それでも彼は(面倒だと思ったに違いないが)、父親に返信した。ふと昨日届いたメールを開いてみた。別に書いてある言葉が増えているわけでもないし、色が変わっているわけでもない。
 一行にも満たない短い文章を、ぼんやり眺めているうちに、なんだかそんな自分がおかしくなって一人笑い。たぶん、嬉しいんだよ。たぶんだよ。たぶん。何か満たされたわけじゃないんだけどさ、きっと笑ってごまかしているんだよ。一人暮らしなのにね。いったい誰に対して恥ずかしいんだろうね。
 

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