バリに通い始めたころは火葬儀礼を見るのが珍しく、よく見に行ったものだ。火葬そのものより、そこで演奏される多種多様なガムラン音楽に興味があってよく通った。当時のスライド写真もたくさん残っている。ところがこの10年はほとんど火葬儀礼に足が向かなくなってしまった。もちろん火葬儀礼を知らない学生などを案内することはあっても、関係者の火葬儀礼でなければ、「ただ見るために」行くことはなくなった。いろいろな理由があるが、その一つは、熱くて、暑いからである。
当然、遺体を火葬するため「熱い」のである。そして、儀礼は雨の降らない季節の「真っ昼間」に開催されるわけだから、当然、暑いのである。太陽が天頂にある時間、この火葬儀礼会場にいるのは、熱中症との戦いといっていい。わずかな日陰があれば、多くのバリ人はその場所に「押しくら饅頭」のように集まってくる。それはそれで暑苦しいのである。
久しぶりにカランガッスムの火葬儀礼に行く。目的は音楽以外にも知人に会うことだったが、それはそれでとても多くの成果があった。と同時に、なんだか若い頃、こんな光景に胸を躍らせていた自分を思い出せたことが一番よかったかもしれない。歳を重ねていることが原因なのかどうかはわからないが、なんとなく最近、「初心」を忘れかけている。だからこそ、そんなことを考える機会になった。しかし、やっぱり、火葬儀礼は熱く、暑かった。帰って「ぐったり」だったことはいうまでもない。
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