雪原を行くと点々とウサギの足跡が伸びていた
二つ横に並んだ跡が後ろ足 縦に二つあるのが前足
ウサギと言うと昔お坊様から聞いた今昔物語に載っている仏教説話を思い出す
サル キツネ ウサギの3匹が居る所へ貧しい身なりの老人がやってきて 何か食べ物を下さいと頼んだ
サルとキツネはあちこち走り回り食べ物を持ってきて火を熾し老人に与えたが ウサギは何も持ってくることが出来なかった
嘲笑されたウサギは「どうか私をお召し上がりください」と言って火に飛び込んだ
たちまち元の帝釈天の姿に戻った老人はウサギの行為を徳として 衆人に知らしめるため月にウサギを連れて行った
ざっとこんな話だったと記憶している
大震災からそろそろ一年近いこの時期 中々示唆に富んだお話だ