トリからキノコ 自然見て歩き

足の向くまま気の向くまま トリからキノコまで
自然の中が心地よい

ホウロクシギ

2019-09-15 | 野鳥


ホウロクシギ(焙烙鷸)のホウロクは素焼きの浅い土鍋の事で、この鳥の腹の色を例えた名前
日本版レッドリスト絶滅絶滅危惧Ⅱ類

旅鳥 全国に飛来し海岸の砂浜 干潟 河口 水田などに居る
秋の渡りでは8月~10月頃まで見られる
関東地方以南に稀に越冬する
潮が引くと採食を始め カニを好んで捕り甲殻類やゴカイ類も食べる
カニの足を咥えて振り回し、足を落として食べる

雌雄同色
長くて下に曲がった嘴 褐色の腹
腰 上尾筒 翼下面は褐色で黒色斑が有る
大きな声で「ホーイーン」と鳴く
大きさ63cmで最大級のシギ

コオバシギ

2019-09-14 | 野鳥


オバシギに似ているがやや小型のシギ

旅鳥 秋の渡りは8月から10月半ばくらいまで見られる
干潟 河口 海岸の砂浜 水田などで見られる
秋の渡りでは幼鳥が多く見られる

潮の引いた水際などでゴカイ類や貝類、甲殻類を取って食べる
淡水域ではあまり採食しないが、ミミズ類や昆虫の幼虫などを捕っている

雌雄同色
夏羽では翼以外の全体が赤褐色
この時期は冬羽で、頭からの上面は淡灰褐色で体下面は白く、胸から脇腹に灰褐色の斑が有る
大きさ24cm

エリマキシギ

2019-09-13 | 野鳥


繁殖羽のオスは、大きな襟巻状の飾り羽があり、エリマキシギの名になった

旅鳥 秋の渡りは8~10月にかけてで、内陸の水田や湿地などに居る 数はあまり多くはない
浅い水の有る場所では、甲殻類ゴカイ類ミミズなどを捕り、休耕田などの草むらでは昆虫類や草の種子も採食する

オスの夏羽は、後頭から頸にかけて個体によって色と形態に変化の有る飾り羽が出る
白、黒、褐色、横縞など多様
時期的に日本ではオスの完全な飾り羽はほとんど見られない
冬羽は雌雄共に淡灰褐色で、上面は黒い軸斑と灰色の羽縁が目立つ
大きさはオス29cm メス22cm

コサメビタキ

2019-09-12 | 野鳥


秋の渡りの途中なのだろう 都心でコサメビタキが居た
サメビタキは羽色が灰褐色で鮫の色に似ていることから付けられた名前
サメビタキによく似ていて小型なのでコサメビタキと言う

夏鳥 5月から10月頃まで見られる
平地から低山の主に落葉広葉樹に住む
枝に垂直に止まり、飛び立って空中で昆虫などを捕らえ同じ枝に戻る空中採食を良く行う この動作から「こあがり(小揚り)とも呼ばれた

雌雄同色
頭からの上面は灰褐色で白いアイリングがあり、目先は白っぽい
喉から下尾筒は白っぽく、胸と脇腹に多少褐色味がある
大きさ13cm

メドハギ

2019-09-11 | 樹木 草花


茎を占いの筮(めどき)に用いたので、メドハギと言う
後世では竹を使った筮竹(ぜいちく)が多くなった 

マメ科の日当たりの良い草地や道端に生える多年草
茎は0.6~1m程になりやや木質化する
葉は3小葉からなり茎に密生する 小葉はくさび型~倒披針形で裏面に伏毛がある

8~10月に葉腋に数個づつ蝶形花を付ける
色は黄白色で旗弁に紅紫色の斑が有る
閉鎖花も葉腋に数個ずつ付く

果実は豆果で、扁平な円形または広楕円形
中に種子が1個入っていて、熟しても裂けない
閉鎖花由来の豆果は、開放花由来のものより萼片が短い傾向がある

キョウチクトウ

2019-09-10 | 樹木 草花


夾竹桃は中国名で、これを音読みにしてキョウチクトウになった
インド原産で江戸時代中期に渡来した

キョウチクトウ科の常緑小高木。株立ち状になり5m程になる
葉はふつう3個づつ輪生する 狭長楕円形で両端は尖り縁は全縁

花は6~9月に咲き、枝先に集散花序を出し次々に開く
花冠は5cm程の高杯型で、上部は5裂し平開する
園芸的な改良が盛んで花の色や形は変化に富む
紅色八重のヤエキョウチクトウが普通で、ほかに純白のシロバナキョウチクトウ、淡黄色のウスキキョウチクトウなど色々ある。明治になって入ってきた地中海沿岸原産のセイヨウキョウチクトウが関東以西の暖地に多く見かけられる

果実は袋果 花の多さの割にはあまり見つからない
10cm程の線形で直立して付く
熟すと縦に割れて、赤褐色の冠毛の付いた種子を出す

葉や樹皮を取り日干しにして、煎じた液で患部を洗うと打撲の腫れ、痛みに効果がある
強心成分もあるが素人療法で心臓病に使うのは危険

カジノキの実

2019-09-09 | 樹木 草花


面白い形のカジノキの実が生っていた

クワ科コウゾ属の山野に野生化している落葉高木 10m位になる
葉は互生して葉身は10~20cm左右不ぞろいの卵型 切り込みの無いものから3裂~5裂するものまで浅く又深く裂けて色々な形があって面白い

花は雌雄別株で、5~6月に咲く
雄花序は長さ6cm程の円筒形で小さな雄花がびっしり付く
雌花序は1cmほどの球形で、花被片は合着して袋状になり、花柱は1個で7mmほどの長さがあり糸状のボンボンのように外に伸びて良く目立つ

果実は集合果 2cmほどの球形で 花被と子房の柄が肥大して液質になりそう果を包み これが多数集まって集合果を作る
8月には橙赤色に熟し食べられる
さっぱりした甘みのある美味しい味だ

ヒオウギ

2019-09-08 | 樹木 草花


今日は24節季の白露 早朝涼しくなって草木に露がおり白く見える頃
都心ではそんな様子は全くなく、しかも今夜は台風襲来

ヒオウギはアヤメ科の日当たりの良い山地の草原に生える多年草
葉が扇状に出て 平安の頃の桧の扇に由来してヒオウギ(桧扇)となった

葉は長さ40cm程で、花茎は60cm~1mで背が高い
上部で枝を分けて数個の苞を付け中から2~3個の花を出す
花の時期は8~9月
3cm程の花で、花被の内外片は同形同大で平開する
内側に暗赤色の斑が多数ある一日花で次々咲く

果実は蒴果、3cm程の楕円形で熟して裂けると、光沢のある黒い種子が現れる
種子は球形で5mm程 漆黒さがあまりに黒いので、「ぬば玉」「うば玉」と呼ばれ「黒」の枕詞として使われた

9月頃に根茎を掘り水洗い後日干しにする
これを煎じて飲むと扁桃炎 去痰によく効く 漢方名「射干(しゃかん)」

キボシカミキリ

2019-09-07 | 虫類


都心周辺の公園では一番出会うカミキリムシの一つ
体に黄色い斑紋がありこれが名前になっている。黄色の斑紋は死ぬと白くなってしまう

イモムシ型の幼虫で越冬し、成虫は5~10月にかけて見られる
黄色の斑紋の入り方は、地域によってまた個体によっても変異がある
触覚が長く体長の2倍以上ある

食べ物はクワやイチジクなどクワ科の生木の樹皮や葉を好む
幼虫も成虫と同様にクワ科の生木を食べる
大きさは3cm近くあった

クサグモ

2019-09-06 | 虫類


生垣や公園などの樹木の中に、汚く網が張られているのを良く見るがクサグモの仕業

8月に白い多面体の卵嚢を作る
その卵嚢の中で子グモは2齢幼体の段階で冬を越す
春先の幼体は頭胸部が赤く腹黒くて、成体とは異なっている
成体は7月から10月まで見られる

網は棚網で、比較的明るい場所の草木の間に張る
網は複雑で、シート状の棚網部とその上に引かれた迷網部、棚網の奥に作られたトンネル状の管状住居からできている
住居の奥に卵嚢を作る
多くのクモは網が壊れるとそのままか全面張替えをするが、クサグモは網を修理して使う
網には粘着性は無く、虫は不規則に貼られた網に当たってシート部に落ちたら 素早く噛みつきエサにする

卵嚢

アメンボ

2019-09-05 | 虫類


水の上をスイスイとアメンボが行く
飴のような甘い香りがするのでアメンボの名になったと聞いたことがある

カメムシ目アメンボ科の虫 池などの淡水に居る
アメンボ科イトアメンボ科を合わせて約30種居る

アメンボはアメンボ科で、細長い体や脚が特徴の水生カメムシ
成虫で越冬するが、冬は水辺をはなれ土中などに居る
4月~10月頃まで見られる

体は黒色で触角は長く体の2分の1以上あり 腹端に鋭い棘が2本ある
脚の先端は水を弾き、すばやく移動できる 中脚腿節の長さが体長より短い
翅は腹の大部分を覆う長翅型と、腹の4分の1ほどが見える短翅型がいる
食べ物は肉食で、水に落ちた虫などの体液を吸う
大きさは15mmほど

リスアカネ

2019-09-04 | 虫類


リスアカネのリスはイギリスのトンボ学者F.Risに献呈されたことに由来する

平地から丘陵地の森の中の池 のような環境に生息し、7~10月まで見られる
生息地は局地的で数も少ない
羽化後は森周りの樹木の高い所になどに留まっている
成熟すると水辺に戻り、低い枝先などに止まり縄張り行動をする
交尾は植物上で行い、連結したまま倒木の有る水際などで打水産卵をする メスの単独産卵もある

翅先端に黒褐色斑が有る
成熟したオスは腹部のみ赤色となる
大きさは4cm程

ウラナミシジミ

2019-09-03 | 虫類


小さく可愛い素敵な模様のチョウ
薄茶色の波模様に、オレンジと大きめの黒い紋の模様 更に尻尾(尾状突起)がある

小型のシジミチョウで前翅長は15mmほど
越冬態は不定 幼虫は淡緑色で節間がくびれた細長いワラジ型の体形
成虫は4月から12月まで見られる
暖地で越冬して、年数回発生し世代を重ねながら北上 秋には北海道でも見られる

食草はエンドウ ダイズなどマメ科の栽培種を好むが、クズ ハギなどマメ科の野生種も利用する
草原 農地 公園など平地から丘陵地のマメ科植物の見られる場所に生息し、日中草地上を飛翔し、マメ科植物など各種の花を訪れる 

ザクロの実

2019-09-02 | 樹木 草花


ザクロはザクロ科ザクロ属の1属2種(ザクロとヤエザクロ)の小さい科
西南アジア原産 日本には平安時代に入って来たと言われている
西アジアでは昔から子孫繁栄、豊穣の象徴

落葉小高木 5m程になる
本年枝は4稜があり、短枝の先は棘になる
葉は対生で3cm程の長楕円形で全縁

花は6月 枝先に5cm程の朱赤色の花を付ける
花弁は6個、萼は筒状で上部は6裂し肉質で光沢がある
果実は5cm程の球果 先端に萼片が宿存する
果皮は厚く熟すと不規則に裂開し、外皮が淡紅色の種子を多数出す
種子の外皮は甘酸っぱい液を含み食べられる
最近、大型で赤く皮の薄い甘みの多いザクロがあるが、アメリカで改良されたペーパーシェルと言う品種

熟して裂開した果皮を、手でちぎり取り広げて日干しにしたものを煮立たせ、
火を止めて冷め加減のものでうがいをすると口内のただれによく効く

花(6月のもの)

サンゴジュの実

2019-09-01 | 樹木 草花


サンゴジュの赤い実がたわわに生っていた
赤い果実が沢山付き、果序の枝まで赤く染まる様子を珊瑚に見立てた

スイカズラ科ガマズミ属の常緑高木 20m程になる
葉は対生で、葉身は長さ7~20cmの楕円形 縁は全縁か波状の鋸歯がある
表面は光沢があり、裏面は全体に細かい腺点がある
葉はサンゴジュハムシの好物でよく被害に遭っている

花は6月 枝先に10cm程の円錐花序を出し、6mm程の小さく白い花を多数つける
果実は核果 8mm程の楕円形で8月頃から赤くなり、熟すと黒くなる
核には深い溝が1個ある