いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

密約と解党。  secret agreement

2010-03-10 19:53:36 | 日記
 60年、70年頃の「利権」と結びついた自民党政権時代には、政治家の「腹芸」という
のがあって、利権関係者と政治家が目と目が合っただけで「よっしゃ」と暗黙の了承で約束
事が成立した既得権政治が横行していたと聞く。

 高度の機密性とか言われて、国民に開示されることもなく、都合よく政治家の利益だけで
行政が恣意(勝手気ままに)に運用されることがあっては、結果として国益を将来にわたっ
て重大に損なうことになる。

 (1)60年安保改定、69年沖縄返還交渉にかかわり、日米の間に国民に開示されること
のなかった「密約(secret agreement)」があったことは、その後50年経過する間に米国
で公開された関連する外交文書でその存在が知られるところとなり、71年には記者のスク
ープで現実のものとなったが、自民党政権は一貫して「密約などない。引き継ぎも受けたこ
とはない。」と主張してきた。

 (2)09年政権交代により、民主党政権は公開された膨大な米国および外務省公文書類
の中から、関連する外交文書、コピーをもとに「安保改定、沖縄返還にかかわる密約」につ
いて第三者機関を設置して検証、調査してきた。
 この結果、外務大臣が指摘した4項目の内、3項目について「密約があった」と確認でき
る検証、調査報告結果が出た。

 (3)関連文書類は「不自然な欠落」があったり、「大量の文書欠落」が見受けられて、ま
た一部重要な証拠文書が当時の交渉当事者(首相)の親族が個人的に保有していたりと、
当時の「外交密約」の存在を消滅させる意図が見えるものとなった。
 指摘4項目のうち、3項目までもが国民に開示されることもなく、秘密裏に対外国と約束
されていたことが確認されたことは、もはや「密約」のレベルを超えて「本交渉」の中心核
がベール(veil)に包まれての拘束、約束されたことを意図する。

 安保改定、沖縄返還を名目とした米国(米軍)のアジア戦略の「核シフト」だったと言え
る。

 (4)「密約」の中には、「日本への核持込みの容認」、「返還時の沖縄基地の原状回復補
償費の日本肩代わり」と、日本政府の「非核三原則(持たず、つくらず、持込ませず)」の
テーゼ(these)に違反し、また膨大な原状回復費の「国民負担」で、政府が自ら基本政策
を放棄し、国民に過度な負担を強いる、国益を重大に損なうものとなっている。

 「核持込み」では、そもそも核の配備を公開しない米国(米軍)の戦略と艦船寄港をめぐ
って日米双方の解釈上の問題も指摘されているが、取ってつけたような意図で、持込みの
確認しようもないことを盾に暗黙の了解のもとに、非核三原則の基本政策を放棄したことは
間違いないだろう。

 (5)高度な外交機密性の名のもとに国民に開示されることのなかった外交機密「密約」が、
①米国で公開された外交文書類で発覚すること、②「密約」に直接かかわり、09年半ばま
で政権を担当した自民党政権が一貫して、この「密約」を否定してきたことで、高度な機密
性が、すでに国益を将来にわたって重大に損なうものであることが証明された。

 (6)密約の解明は、政権交代による政治責任の透明化、進化の「果実」であり、国民に背
いた「自民党」は「解党」すべきだ。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする