いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

レディース・サッカー。 ladies soccer

2015-07-08 19:35:23 | 日記
 (1)歴史の違う男子サッカー地図とは世界勢力図が違うとはいえ、あきらかに体格差(physical difference)のある世界を相手にサッカー女子日本代表が4年前のサッカー女子W杯を制覇して、今大会も決勝に進出して見事な2位となったことはすばらしい大健闘と評価できる結果だ。

 サッカー女子W杯出場の欧米各国代表と日本女子代表が並ぶと男子と女子ほどの体格差がありながら、これまで豊富な運動量と早いパス回しサッカーでことごとく僅差のゲームを勝ち上がり、4年前と同じ米国と決勝戦を交えた。

 (2)W杯開催地カナダという同じ北米大陸での米国の地の利に、決勝戦は日本より1日休養の多い日程にも恵まれて、ゲーム開始早々から波状攻撃を仕掛けて目論みどおり開始16分で4得点をあげてゲームを決定づける主導権を握ってしまった。

 日本女子代表は前半早々の大量失点で得意のパス・サッカーも展開できずに、大きくボールを米国陣営に上げて日本攻撃陣が米国ディフェンダーの裏を突き一歩先に出てゴールを狙う戦法を多く活用したが、米国代表の有利な体格と固いディフェンス能力の中でなかなか得点を奪えなかった。

 (3)それでも前半を4対1で折り返して、後半早々7分に相手陣内中央付近のフリーキックからゴール中央に上げたボールに澤選手が飛び込んで米国ディフェンダーと競り合って、高い米国選手のヘッディング・クリアーボールがそのまま米国ゴールに飛び込んでオウン・ゴールを引き出して後半開始早々に4対2まで詰め寄った。

 この展開までは追う立場の日本代表の理想的なゲーム運びとなってまだ十分に戦える点差、試合展開であったが、その直後に気力、体力、意欲すべてを奪うかのように米国代表に5点目を奪われたことがすべてで、くやまれる結果となった。
 と、同時にこれからという時に決定的な1点をすぐ奪うところに今大会の米国代表と日本代表の実力のはっきり違うところであった。

 (4)米国代表は戦前のコメントからも開始早々からの攻撃を予想させて、地の利、日程の利、体格の利の「3利一体」を活かした前半勝負に出たと見られる。
 さらに決勝戦を前にオバマ大統領が会見でサッカー女子W杯決勝進出の米国代表の話にあえて言及して、バイデン副大統領をW杯決勝に派遣する気合いの入れようで何が何でも4年前の雪辱に国をあげての意欲を示していた。

 (5)前半早々大量点を入れて歓喜の輪に集まる米国代表の白いユニフォームが陽射しに輝くはつらつ堂々とした体格の向こう側に、距離感の開き以上にこじんまりと小さい濃紺ユニフォームの日本代表の円陣を組む姿が比較対象的に写し出された報道写真が印象的だった。

 今大会ファイナルの結果はどうあれ、欧米代表に混じって日本女子サッカーが4年前は優勝し、連覇の期待を背負って今大会は2位と体格差とは異質の存在感(identity)を示したことは見事というしかない。

 (6)しかし今後は体格差、技術力を補うスピード、パス・サッカーの精度、熟度を上げる試練(ordeal)が課せられている。

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