いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

合区と地方創生。 union of an electoral district and the creation of the region

2015-07-27 20:14:57 | 日記
 (1)参院改革としての「1票の格差」問題は2合区を含む「10増10減」案でこれまで最大4.77倍だった1票の格差を2.974倍(報道)に抑えるものが参院で可決され、衆院でも可決される見通しとなった。

 最高裁判決では最近の衆院選で1票の格差是正の目安として2倍以内に抑え、さらに抜本改革を求めているが、十分に応えているものではない。
 参院では鳥取、島根と徳島、高知を「合区」(union of an electoral district)としてそれぞれ1選挙区にして定数を4から2に削減した。

 (2)地方人口の減少に合わせた「合区」案は1票の格差是正に有効な手法ではあるが、今度は都市と地方の経済、人口格差を放置、助長するものであり、安倍政権の目指す地方創生(the creation of the region)に逆行するものでもあり、数値合わせの小手先論という印象はぬぐえない。

 合区案は避けられないが、議員定数を抜本的に見直して選挙制度、定数再編による都市と地方格差是正をはかる抜本対策が必要であり、解決のための手段、手法である。
 都市と地方の経済、人口格差是正を目指して、大都市圏の議員定数を削減すれば1票の格差是正を拡大するし、人口減少の地方の定数を増やしても同じだ。

 (3)議員定数の半減ぐらいの抜本改革を目指して「合区」案を全国に拡大する方法論(methodology)はある。行政機構の改革、道州制(provincial system)導入と合わせて合区案改革を全国的に拡大すべきだ。
 参院民主、公明党は「20県10合区」案を共同提出したが自民党ほかの「4県2合区」案可決で採決されなかった。

 (4)衆参両院の議席数について、国民総人口減少に合わせた必要最小公倍数の設定を検討、検証すべきだ。国会中継を見るたびにあれほど国会議員が必要だとは思わないし、議論中心の国政を阻害している。

 つまりは当選目当ての地域利益代表の議員意識が強すぎる。今回の合区案に対しても対象となった4県選出の議員、県民からは、いつもながらの県域内の声が国政に届かないとの不安、危惧が聞かれた。

 (5)こういう土着的、利権的、政治的意識が日本の既得権益政治を助長してきた。成立見込みの自民党ほかの合区案改革が4県にとどまったので、地元議員、住民に特に疎外感が強まった。

 全国的に行政機構改革、道州制(provincial system)導入を目指しての選挙区改革、合区改革となれば地域振興を目指しての一体感、協力、支援に視点を転じることもできる。

 (6)現在の選挙区を前提として「数」のやりくりで1票の格差是正をはかっても都市と地方の人口格差拡大のなかでは、根本解決にはならない。
 来年夏の参院選に向けては、何もしないよりは今回の「努力目標」(1票の格差2.974倍)が司法判断に前向きな取り組みとして評価されるという見方もあるが、司法が求めるものは国民の権利保障の抜本改革だ。

 (7)合区という前提理論が出てきたのだから、全国的な見直しで地方創生論とあわせて政治、選挙改革を断行すべきだ。

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