いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

著作権70年時代。 era of copyright's 70 years

2015-07-28 20:15:04 | 日記
 (1)音楽を聞いたり、本を読んだり、鑑賞したり、作者に比べて利用者は趣味、嗜好にあわせて極めて気楽な気持ちで接している。音楽を創ったり、本を書くなど芸術作品を創作することを職業とする人はそれで生計を立てている訳だから、同じものでも作品に対する思いは全然違って当然だ。

 音楽家、作家、芸術家は著作権(copyright)を管理する事務所を持って利用状況を把握して自作品の著作物の管理をしている。
 盗作はもちろんのこと、勝手に変えて偽物をつくったりすれば著作権法違反で訴えて自作権利、権益を守るし、だから作詞を勝手につくり変えてパロディにすれば作詞者から訴えられて話題にもなる。

 (2)最近でも韓国で作家三島由紀夫作品の盗作問題が話題になっていた。一方でジャズのように「アドリブ」が当たり前で原曲がつくり変えられており、楽器編成では「アレンジ」による変曲性も避けられないところもある。

 もちろん先端的科学技術分野では世界文化、生活向上に広く寄与、貢献するために発明者、企業が特許権(patent right)を放棄して初めから先端的特殊技術、技能を自由に使用できるように配慮する場合もある。

 トヨタは自社開発の燃料電池車を早く世界規準として普及(diffusion)したい思惑もあって、特許技術を公開して広く自由に利用できるように対策した特殊なケースもある。

 (3)著作権保護は日本ではこれまで「作者の死後50年」として、著作権侵害には訴えが必要な「親告罪」として保護してきた。
 50年は、人生50年時代から半世紀ひと区切りとして日本社会では区切りのいい数字として時代の変化、変質をひとくくりするものとして認識されており、権利保障期間としても目安とされてきた。
 今回TPP交渉では、米国の「作者の死後70年」で統一される方向(報道)だ。

 (4)著作権収入は2014年では日本では海外から「受け取った」著作権使用料2000億円で、「支払い」は米国向けを中心に1兆円(報道)と歳出超過となっており、TPP交渉でも利益保護の米国の強い意向に従った格好となった。

 権利保障関係、意識が高い、強い米国社会をはじめ外国では著作権の保護期間は一般的に長く、「作者の死後70年」というのは出来るだけ長く保護するとした100年では長すぎるし、50年では短すぎるという出来るだけ長く保護するとした比較70年という象徴的な年限なのだろうと思う。

 (5)さらに権利侵害に対して「親告罪」ではなく訴えがなくても処罰できる「非親告罪」となる。作者の権利保障の強化にはなるが、文化、芸術の普及という点では著作権保護期間が延びることはマイナス効果だ。

 情報化時代、社会になって情報アイテムもスマートフォン、フェイスブックなど同時大量、高度で小型化、持ち運び自由になって利用度も高まっており、著作権保護期間の長期化は利用、普及、促進の時代に逆行している。

 (6)一方で日本では超高年令化社会を迎えて、平均寿命も男女80年を超える時代となっており人生50年時代からの脱却も必要となり、著作権保護の「作者の死後50年」から「70年」への移行は時代背景に沿ったものともいえる。

 作者の権利意識か利用者の利便性か、華やかな作品鑑賞の世界とは一味違うセンシティブ(sensitive)な背景問題だ。

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