(1)厚木基地の住民騒音訴訟で東京高裁として初めて自衛隊機の飛行差し止め(flight ban)と将来にわたる損害賠償を命じる判決を下した。
日本の安全保障に果たす自衛隊の役割を認めた上での住民密集地域における夜間、早朝の自衛隊機の騒音問題に対して、住民の平穏な日常の生活環境を守ることが優先されるとの東京高裁として初めての判断を示したものだ。
調布飛行場での民間小型機の離陸直後の周辺住宅への墜落事故被害もあって、住宅密集地に囲まれた都心近郊の飛行場の安全、環境が注目されるなかでの、厚木基地の自衛隊機の夜間、早朝飛行差し止めの判決だ。
(2)26日に首相補佐官が講演で「法的安定性は関係ない。わが国を守るために必要なことを憲法が駄目だと言うことはあり得ない」(報道)と発言したことに、自衛隊機の住民騒音訴訟に基づいて司法から出された明確な「回答」であった。
日本の安全を守るために、「何」をしてもいいということではなく、日本の安全保障は必要だが国民の日常生活、権利を犠牲にしてまで認められない、住民の生活権が優先されるというのが今回の司法判断だ。
(3)安倍首相や官房長官があれこれと補佐官発言を擁護しているが、今回の司法判断を受けてコンプライアンス(compliance)に欠ける首相補佐官を解任させるべきだ。
安倍首相は国会審議で、肝心なのは内閣がどう考えるかであって、補佐官個人の発言の問題でない趣旨発言をしているが、その内閣の姿勢を示す意味でもそれにそぐわない考えの首相補佐官は処分(解任)しなければ国民の信頼もないし、理論的整合性が保てないことになる。
(4)憲法には当然の制約はある。それが国の自己規律のテーゼ(these)だ。憲法第9条で国際紛争を解決する手段としての戦力を保持せずに、交戦権を有しないのだから、自衛隊を海外の同盟国の紛争地、戦闘地に派遣して戦争に参加させることなど、憲法が認めていないのはあきらかだ。
もしそうしたいのなら、憲法改正を国民に問わなければならないのであって、最初から「憲法が駄目だということはあり得ない」などと、憲法を恣意的に都合よく作り変えるかのような発言は立憲民主主義日本の内閣の首相補佐官としては不適格であり、これを擁護、理解するとなると安倍内閣の考えも正さなければならない。
(5)安保法制案の問題は、安倍首相が言うように日本を取り巻く安全保障環境が大きく変わったのは安倍首相自らの政治姿勢が原因のひとつであり、ことさらに原因をつくりだしておいて日本の安全保障政策、安保法制案の必要性を強調して、憲法理解だけでは安全を守れないかのごとき立憲民主主義否定の安倍野望政治のシナリオにある。
(6)冒頭の厚木基地住民騒音訴訟による自衛隊機の飛行差し止め判決は、司法からの憲法遵守、国民主権尊重、重視の蓋然(がいぜん)性を示したもので、今の政治に大きく欠けている問題提起でもある。
憲法学者の多くが違憲だとする安保法制案が司法の判断に委(ゆだ)ねられることがあれば、「差し止め」判断になる可能性はある。
(7)国会は冒頭の司法判断を受けて日本の安全保障政策、審議中の安保法制案について、出来ることと、出来ないことを明確に区分して、攻撃的な安全保障論ではない合わせて中国、韓国との関係改善、アジア安定に向けて外交努力を進めなければならない。
日本の安全保障に果たす自衛隊の役割を認めた上での住民密集地域における夜間、早朝の自衛隊機の騒音問題に対して、住民の平穏な日常の生活環境を守ることが優先されるとの東京高裁として初めての判断を示したものだ。
調布飛行場での民間小型機の離陸直後の周辺住宅への墜落事故被害もあって、住宅密集地に囲まれた都心近郊の飛行場の安全、環境が注目されるなかでの、厚木基地の自衛隊機の夜間、早朝飛行差し止めの判決だ。
(2)26日に首相補佐官が講演で「法的安定性は関係ない。わが国を守るために必要なことを憲法が駄目だと言うことはあり得ない」(報道)と発言したことに、自衛隊機の住民騒音訴訟に基づいて司法から出された明確な「回答」であった。
日本の安全を守るために、「何」をしてもいいということではなく、日本の安全保障は必要だが国民の日常生活、権利を犠牲にしてまで認められない、住民の生活権が優先されるというのが今回の司法判断だ。
(3)安倍首相や官房長官があれこれと補佐官発言を擁護しているが、今回の司法判断を受けてコンプライアンス(compliance)に欠ける首相補佐官を解任させるべきだ。
安倍首相は国会審議で、肝心なのは内閣がどう考えるかであって、補佐官個人の発言の問題でない趣旨発言をしているが、その内閣の姿勢を示す意味でもそれにそぐわない考えの首相補佐官は処分(解任)しなければ国民の信頼もないし、理論的整合性が保てないことになる。
(4)憲法には当然の制約はある。それが国の自己規律のテーゼ(these)だ。憲法第9条で国際紛争を解決する手段としての戦力を保持せずに、交戦権を有しないのだから、自衛隊を海外の同盟国の紛争地、戦闘地に派遣して戦争に参加させることなど、憲法が認めていないのはあきらかだ。
もしそうしたいのなら、憲法改正を国民に問わなければならないのであって、最初から「憲法が駄目だということはあり得ない」などと、憲法を恣意的に都合よく作り変えるかのような発言は立憲民主主義日本の内閣の首相補佐官としては不適格であり、これを擁護、理解するとなると安倍内閣の考えも正さなければならない。
(5)安保法制案の問題は、安倍首相が言うように日本を取り巻く安全保障環境が大きく変わったのは安倍首相自らの政治姿勢が原因のひとつであり、ことさらに原因をつくりだしておいて日本の安全保障政策、安保法制案の必要性を強調して、憲法理解だけでは安全を守れないかのごとき立憲民主主義否定の安倍野望政治のシナリオにある。
(6)冒頭の厚木基地住民騒音訴訟による自衛隊機の飛行差し止め判決は、司法からの憲法遵守、国民主権尊重、重視の蓋然(がいぜん)性を示したもので、今の政治に大きく欠けている問題提起でもある。
憲法学者の多くが違憲だとする安保法制案が司法の判断に委(ゆだ)ねられることがあれば、「差し止め」判断になる可能性はある。
(7)国会は冒頭の司法判断を受けて日本の安全保障政策、審議中の安保法制案について、出来ることと、出来ないことを明確に区分して、攻撃的な安全保障論ではない合わせて中国、韓国との関係改善、アジア安定に向けて外交努力を進めなければならない。