サブカルチャーマシンガン

自分だけの「好き」を貫く為のブログ。

THE NOVEMBERS「10th Anniversary TOUR-Honeymoon-」@新木場STUDIO COAST 15.11.2

2015-11-03 | LIVE
                                     
昨日はノベンバのライブを観に新木場へ。









去年の新木場公演は都合が悪くて行けなかったので(DVDでは観たけど)、
個人的にはリベンジの意味合いも込めて参加した待望の夜でした
内容は、もう本ッ当に最高で正直堪らない気分でしたね
何度も泣きそうになったし、
胸が熱くなったし、
正にハネムーン、新婚初夜、聴き手とセックスを果たしたような濃密な一夜だったなあ。と振り返って思います
まあそういう表現は色々賛否あるかもしれませんが(笑
でも、小林くんが「来いよ」みたいなジェスチャーを何度もして
それにそれぞれのスタイルで呼応し、
それぞれに楽しんでいたオーディエンス(まあ圧倒的に棒立ちが多いんだけど、それはそれでちゃんと聴き込んでるって事で)の様子を観て
間違いなく誰もがTHE NOVEMBERSの音楽に陶酔して、お互いに信頼しあって、美しく共鳴しあっていたな、と
そんな風に今となっては感じてるんです
ずっと直立不動の人、ゆらゆら踊ってる、動いてる人、ヘドバンしてる人
ぶっちゃけ統一感は全くない
だけど、それはそれで“正しい”し、これもまた本来のライブの在り方の一つだとはっきりと思いました
聴き込みたい人は聴き込めば良い、リズムに乗りたい人は乗れば良い、ヘドバンしたい人はヘドバンすればいい
そんな「それぞれの楽しみ方」が許される稀有な空間こそノベンバが築き上げてきた“信頼”と“誇り”なんじゃないかな、ってしみじみと思いました
正直、個人的にはそんなリスナー達の態度/姿勢にもまたグッと来てしまったのが本音
これはこれでとても正しい在り方だと思う
まずはそんな事を伝えたいと感じました。

そして、新譜の曲がべらぼうに良かったです
ここ新木場、新代田、先月の仙台(めっちゃ良かった!)で既に聴いていた新曲群も更に表情豊かにビルドアップされてたし
初披露の新曲群もどれも心地良く、そして全体的にダンサブルな仕上がりになってたのが堪らなかったですね
先日感想もUPしましたけど、割と穏やかな作風の割にはライブで思った以上に映える印象で
その意味でも今ツアー「Honeymoon」はファンであればおススメです
少し髪を切って、また一つ(目線的な意味でも)男前になった小林祐介
流麗なギターフレーズを弾きこなすケンゴマツモト
しとやかにバンドを支える高松浩史、
そして今では繊細さと力強さを同時に感じさせる吉木諒祐のドラミングと
個々のメンバーの存在感が初期よりも随分高まって来たなあ・・・というのも感じられた公演でした
ちょっと俗的な言い方をすると、キャラが立って来た、それもMCとかではなくプレイ的な意味合いで、、、っていう
それもまた理想的だなあ、って思いますしこれからもまた更に個々がパワーアップしていくんだと思います
こう感じられた事も多分10年続けてきたからこそなんだろうなあ、、、って思うと感慨深いですね
ここ最近のライブとはまた違ったエンディングも提示出来ていた新しい形のワンマン、
是非お好きな方は触れてみて欲しいな、なんて風に思います。















どうでもいい事なんですけど、
自分の周りが男ばっかりでした
っていうか自分の前の方も男が随分多かった気がする
なんとなく(この日は)半々くらいなのかな・・・って感じましたが
まあこれだけラウドな音像だと野郎のファンもきっと多いんでしょうね。しかも皆お洒落!
こんなに大量のノベンバリスナーが集まる機会も早々ないんで内心相当はしゃいでましたよ。
考えてみれば、小ハコもコーストもこなせる立ち位置のバンドって稀有な気がする。
開演時間から15~20分程度経った辺りで「クララ」からライブは始まりました。

この「クララ」がまず温か味たっぷりで堪らなかったんだなあ
美メロも聴き応えがあったし、目の前で、大ハコで観るノベンバが提示する「美しさの形」に触れてるのが恍惚も恍惚だった
後半は強く歌うポイントもあったりして音源にはない“熱さ”も感じられたのも良かったです
続く「バースデイ」で一気に鮮烈な音像へギアチェンジ、大ハコという事もありガッツリ盛り上がるテンション
この曲では小林祐介のギターを弾く姿、その眼光がカッコよすぎて痺れるような想いでした
じんわりと沁みる「chernobyl」に胸を打たれながら、
ここでまた新譜から一曲「心一つ持ちきれないまま」

この曲は生で聴くとペーソスの放出具合が凄まじくて思わず聴いてて泣きそうになる
曲調やアレンジは違えど、割と初期~中期に近い作中観ですよね
キメのギターフレーズ一弾きで瞬間的な格好良さを演出する小林祐介、
まだあんまりライブで演奏されてないだろうに、早くも息ピッタリなバンド演奏もまた心地良かった


個人的に特に陶酔してしまったのが「裸のミンク」
スロウダンス出来るような美しくも踊れるエッセンスがとても心地良い。
正直ライブで盛り上がりそうにない曲かなあ、と思ってただけに
周りの客がゆらゆら身体を動かしてスロウダンス・パーティみたいになってたのが嬉しい収穫でした
そして、「Don't let me down(がっかりさせないで)」と歌うサビとのギャップもやっぱり凄く気持ち良くて
耳障りの良いアレンジで挑発的なメッセージを歌う~っていう方向性はやっぱツボだなー、と
個人的に深く感情移入しながらも聴き入っていました。
シンプルなようでいて、奥深く、そして切実な曲だなあ、って。より好きになれた感覚。

ケンゴマツモトの琴線を揺さぶるような感傷的なギターフレーズが堪らなかった「dnim」、
この曲も大ハコに映えて映えて見事な選曲だと
そんなケンゴマツモトが引き続き轟音のギターソロを弾き倒して完全に魅了された「鉄の夢」
書いてて気付いたんですけど、2曲でケンゴマツモトの「流麗」と「暴力」を上手く味わえる構成になってたんですね
そんなテンションを爆発させるように「236745981」では吉木諒祐のドラミングが火を吹きアンサンブルの逞しさを存分に見せつける
特にアウトロの部分の長い轟音が実にオルタナティブな印象を放っていて痺れるくらい格好良かった


「NOVEMBERSの始まりの一曲を演ります」と言って
今回無料配布されたデモCDにも入っている「marble」を演奏
意外と今の曲にも違和感なく混ざっていて、
思ってた以上に彼らの行って来た事は一貫性があるんだな、ってまじまじと感じました
それはお世辞とかじゃなく、素直に思った事です

新譜から「エメラルド」、
やっぱりこの曲は聴いてて自分らしさを取り戻せる、ただの一個人に戻れる、戻りたくなる効力のある曲だなあ、と
小林祐介の美しいボーカルも聴き応えがあって素晴らしかった、、、と素直に感じつつ
逆にこれはそこまで期待はしてなかった「出る傷を探す血」が存外に良くてビックリしました
新譜の中では個人的に影が薄いっちゃあ薄い曲なんですけど、ライブで聴くと音源以上に感情を爆発させていて
正直めちゃくちゃ気持ち良かったし、この曲は感情を爆発させてくれた方がより感情移入出来るなあ。。って感じましたね
押し黙らない、自分らしさを消さない、異物になる事を恐れない。そんな滾る気持ちにさせてくれた好演でした。
凄く良かった・・・のも束の間
そこから一気に、映画で言えばシーンが切り替わるように鮮烈にならされたのが「dogma」
あの演出はむっちゃ格好良かったなあ、、、と振り返っても惚れ惚れしますが
高松浩史の爆音ベースもまた心地良くて気分を盛り上げてくれました
感情を引き続き爆発させつつ、
続く「Blood Music.1985」で更にキレッキレの音像を披露、ロックンロールの良さをフル活動させたようなアグレッシブさに感動
正に生き様を叩き付けるが如くの熱演でしたが、「Xeno」でそんなアッパーモードを益々加速させたのには驚きました

「驚きました」・・・とはいうものの、この流れは定番っちゃあ定番なんですよね
じゃあ何に驚いたか、って言うと物凄くハイテンポだったんです
元々テンポの速い曲なのに、
更にソリッドにスピードアップした音像が正直凄すぎて
この短期間にここまでアレンジをマイナーチェンジしてくるのか・・・と感心してしまいました
そんな「Xeno」は、勿論格好良いに決まってる!益々洪水化したアレンジがノベンバの意志の強さを物語っていました
そして、「断念が奴らをきつく野蛮に結びつけるんだ」って歌詞にも感情移入して強く握り拳を作っていましたね
こういう手前を貫き通さんとするパワーをもらえるのがノベンバの音楽のストロングポイントだと、はっきりと感じた好演でした。
超格好良かった!!


「Misstopia」で思いっ切り回るミラーボール、闇の中を抜けたかのようなエッセンスにも感動し
美しいメロディ、美しい言葉、そして美しい演奏とノベンバの“美”を集結させたような一曲に仕上がっててそれもまた良かったです
最後の曲は「きれいな海へ」だったんですが、これがまた一応ワンマンでは初披露という事なのに
定番っちゅうか、代表曲感が既にあって嬉しかったし、気持ちアガりましたね
そして、作中観に浸っている時にこの曲でも不意に泣きそうになりました
凄くドラマティックで美しい曲だな・・・と思いつつ、
覚悟なんかも感じたりして、
背中を押された気分でした
それは自分がノベンバファンだから余計に感情移入したんではなく
自然と曲の持つドラマ性と背中を押すフレーズに励まされた、、、って事で
やっぱり(自分にとっては)名曲だなあ、と感じつつ本当に海の中にいるようなアンサンブルもまた恍惚でした
こういう曲で終わっても違和感がなかったのがまた嬉しい 明日を生きる活力をもらえるような、
美しくも力強いワンマンでした。本当にありがとうございました。











1.クララ
2.バースデイ
3.chernobyl
4.心一つ持ちきれないまま
5.裸のミンク
6.dnim
7.鉄の夢
8.236745981
9.marble
10.エメラルド
11.出る傷を探す血
12.dogma
13.Blood Music.1985
14.Xeno
15.Misstopia
16.きれいな海へ

17.今日も生きたね











アンコール前の小林祐介のMCで、
「この10年間、仲良く・・・いや、仲良くない時もあったけど(笑)」ってぶっちゃけてました 笑
「お互いに良い11月にしましょう。」という言葉を残して「今日も生きたね」でフィナーレ
しんしんと降り積もる雪の様な楽曲にしみじみしながらも、最後の咆哮にも似た小林祐介の歌声にまた感動する
この曲は最近自分の好きな表現者がよく亡くなられる事もあってより胸に響いてしまった
幼いころの記憶も何故か思い出しつつ・・・
最後まで彼らの美しさを魅せつけて終わった最高のツアー初日だったと思います

まあ、勿論それは自分が勝手にそう感じているだけで
THE NOVEMBERS自身にとってどうだったのかは分かりませんが
少なくとも個人的には本当に素敵な夜、掛け値なく尊いステージだった、というのが本音ですね
特に「裸のミンク」に於ける穏やかだが強いメッセージ性の放出、
そして更にパワーアップした「Xeno」の名演、
大好きな「きれいな海へ」で素直に泣きそうになれた事が個人的ハイライトでしたかね
本当に、このツアーは良い。新譜の曲達も良い。複雑な心境にいちいちタッチしてくれる手さばきが堪らない。
今は、そんな気持ちを伝えたい心でいっぱいです。(ちょっとクサいかも分かりませんが)素敵な契りを、どうもありがとう。
胸に残る瞬間だらけのライブでした。まだまだツアーは続くので、行かれる予定のある方は楽しんで。自分もまた観たいな、と思ってます。




コースト名物、入口の掲示板の文字が変わっている演出もまた粋でした。