サブカルチャーマシンガン

自分だけの「好き」を貫く為のブログ。

People In The Box「空から降ってくる vol.8」@新木場STUDIO COAST 15.11.1

2015-11-02 | LIVE











ちなみに長過ぎるので正式タイトルは省略しましたが、
正しくは、
「空から降ってくる vol.8~正真正銘の全国ツアー!これ以上の全国ツアーってある?ねぇー?ねぇぇぇーーー?編~」です
・・・物凄いドヤ顔感たっぷりで個人的には大好きなツアータイトルです(笑
パンク・メロコア系のバンドならばしょっちゅう全県ツアーに近い事やってる印象がありますけど、
People In The Boxとか、後この日のMCにも出て来ましたけど鶴みたいなバンドが全都道府県ツアーをやってくれるのって正直かなり意味のある事だと思います
それはなぜかと言うと、あくまで個人的に・・・なんですけど、やっぱり地方を細かく、本当に細かく回ってるのってそういうパンク・メロコア系か
或いはセールス的に大成功を収めているグループが目につくような気がしていて
ピープルや鶴みたいなバンドが全県ツアーやってるところなんて殆ど目にしてなかったので。
今は地方からも発信、もっと言えば地方を拠点に盛り上がるグループやイベントも増えて来ているので
ピープルや鶴の流れに乗って色々なバンドがこういうツアーを企画してくれればいいな、って思っています

で、個人的に2年半ぶりにPeople In The Boxのライブを観に行った訳なんですが
あそこまでドラムバンドでしたっけ?って思いました
以前はもっと波多野裕文がフロントマンとしてバンドを率いてるイメージがあったんですが
この日観たらとにかく山口大吾のドラミングが凄い 完全にバンドの中核を担っているような、
リズムからアンサンブルを作って行くような刺激的なバンドに変化していて、
かといって波多野裕文は波多野裕文で時折鬼のようなギターソロを弾き倒すし、
しかもベースの福井健太もそんな二人に完全に調和してるベースを弾きこなしてて、かなり久々のピープル観賞だったんですが、
以前は以前で物凄く良くてそこに嘘はないんですが、本音であの頃以上に「ライブバンド」になったんだなあ・・・って感じてしまいました
かなりフィジカルの面で進化が見受けられたというか、それは全都道府県ツアーをこなした事で鍛えられて来たものも当然あったと思うけど
正直People In The Boxまだまだこれからじゃん、まだまだこれからが面白いんじゃん!って素直に思えたのが大きかったですね
何故ならばある程度完成されて来たようにも思えてたけど、ライブ観たら2年半前とは印象が全然違ってたので
やっぱりめちゃくちゃ面白くて追い駆け甲斐のあるバンドだな~、と(笑
特に大吾さんは波多野さんとタメを張るくらいの存在感、プレーでバンドを引っ張ってたイメージなんで
ピープルがセールス的にもクオリティ的にも安定して活動を続けられている理由がこの日には詰まってた気がする。
なんというか、すごく、「バンド」でしたわ。すげえ楽しそうだった。ワクワクしました。












一曲目でいきなりキラーチューン「ニムロッド」を凛として放つ
相変わらず「あの太陽が偽物だってどうして誰も気付かないんだろう」ってフレーズが心に沁みました
そこから「はじまりの国」と初っ端から人気曲を惜しみなく放出!自分みたいな久々に参加するよ~って人間にも優しいセトリで正直助かった
先述のように、大吾さんのドラムが凄い まるでドラム=歌みたいな存在感でもってアンサンブルを引っ張って行く
波多野さんのサビのボーカルも安定感があってとても心地良く聴けた
「翻訳機」「手紙」をじっくりと聴かせると、
ここもまた大吾さんのハッとするようなドラミングが鮮烈的だった「映画綺譚」に陶酔
一音一音が自分にとっては刺激的で支える~ってよりは他のパートとバチバチのバトルをしているかのような
そんな刺激的なアンサンブルが兎角素敵で、また曲自体も音源以上に気持ち盛り上がる印象で上手く化けてるなあ、と

「あなたのなかの忘れた海」も非常に良かった
つくりものさ、何がいけないの?っていう作中観に考えさせられながら聴いていました
世の中フェイクばっかりだけど、フェイクで元気になったり心洗われたりする人もいる訳で・・・
そんな風な事を感じながらも、旧譜コーナーと称して「失業クイーン」、
よく聴いてた曲なのでちょっと懐かしいなあ。と思いつつ
歌詞の物悲しさにも胸打たれていました
心の中の空しい部分に触れてくれるというか・・・素敵な歌と演奏だった。「Frog Queen」でも特に大好きな曲なんで嬉しかったですね
アンサンブルの呼吸もバッチリだった「天使の胃袋」、ハンドクラップも飛び出した「金曜日/集中治療室」で明らかなロック・モードにギアチェンジ
そして一体感を作り出す演出もよく考えられていてこの辺もまた進化を感じた部分ですね
ちゃんと変化を加える事によってダレずに聴ける工夫というか。
「金曜日/集中治療室」の「めちゃくちゃにして、やろうよ」の部分は非常にアガったし、
あの辺でクラップパートが入るのもある意味狂気じみてて(笑)素敵だと思いました。


ここから今年出した新譜のパートへ、
「空は機械仕掛け」をじっくりと聴かせた後に
「数秒前の果実」「海はセメント」で一気に場を盛り上げる、
そして後者ではちょっぴり切ないフレーバーを感じつつ
これが思ってた以上にライブ映えしていた「セラミック・ユース」の前衛的なサウンドもまた堪らなかった
超ブリブリのベースとサビの性急なアンサンブルが兎角気持ち良くて新譜の中でも「映画綺譚」と並んでライブの印象が良かったです
波多野さんのボーカルも堂々としていて美しさにも似た格好良さを感じました
「そしてきみは考えを変えた」
「季節の子供」と壮大なメロディとアンサンブルを響かせて、
「風が吹いたら」でそんな構成をキュッと締めあげるように纏めてたのもまた印象的でした

これも自分はライブでは初めて聴いたんですが思ってた以上にキマってた楽曲「聖者たち」
かなりハイテンポで攻めてるアレンジなんで途中まで分からなかったほど
コーラスワークも見事でこの辺からも息のピッタリさ加減を感じたり
別にシングル曲だから、って訳じゃないですけど
正直定番になるに相応しいんじゃないかってくらいバッチリな仕上がりでめちゃくちゃ格好良かったです

「逆光」も音源以上に攻めてたなあ・・・
音源だとダンサブルな印象なんですけど、ライブで聴くとダンサブルってよりかは物凄く“獰猛”な感じがして堪らないですね(笑
ライブも終盤になるのに一切クオリティが大雑把にならないアンサンブルの精度の高さに感動
続く「球体」でもそのグルーヴ感が完全に持続されていてもう演奏を聴いているだけで興奮しちゃうようなパートでしたね
この曲でも大吾さんの攻めるようなドラミングが見事でしたが若干ファンキーさも感じられる出来栄えで
この曲もまた久々に聴きましたが、間違いなくあの頃よりも進化している、よりフィジカルがグレードアップしている演奏のように思えました
歌詞のテーマにも感情移入しやすい曲ですし、大事に育てて来たんだろうなあ・・・って気もして最高でした
正直陶酔しちゃってたほどこの2曲は素晴らしかったですね。後半になればなるほどストイックに気持ち良くなってた印象。

万感の想い、という言葉が似合う「JFK空港」を感動的に響かせ本編は終了、
相変わらず大吾さんのお茶目なMCも健在でしたが(笑
でも、「あの頃みたいで良かった。」というよりは
「あの頃以上に格好良かった!」って素で思えたのは正直嬉しかったし、やっぱ良いバンドだな。って改めて感じれて想像以上に得るものが大きかったワンマンでした。
素敵な約2時間45分を、ありがとうございました。そして全都道府県ツアー、お疲れ様でした!!








1.ニムロッド
2.はじまりの国
3.翻訳機
4.手紙
5.映画綺譚
6.あなたのなかの忘れた海
7.失業クイーン
8.天使の胃袋
9.金曜日/集中治療室
10.空は機械仕掛け
11.数秒前の果実
12.海はセメント
13.セラミック・ユース
14.きみは考えを変えた
15.季節の子供
16.風が吹いたら
17.聖者たち
18.逆光
19.球体
20.JFK空港

21.おいでよ
22.ユリイカ
23.ヨーロッパ

24.気笛










アンコールでは波多野さんがこのツアーに何か所も来てくれた方、地方から来てくれた方に感謝を述べ
大吾さんも「初めて行く土地が多かったけど、そこで待っててくれた人が多かった。」とお客さんに対する感謝の気持ちを伝えていました
実際やってみたらかなりしんどかったそうなので(笑 しばらくは全県ツアーはやらないそうですけど
鶴みたいにもう一度全県ツアーをする気持ちも心理的に分かるし、「また来ます」って言っちゃったから嘘はつけない
だから「いつか(また)やりたい」と言ってたのが中々男らしくて素敵だな。と思いました

アンコールの曲も良くて、
特にメンバー間のコンビネーションの絶妙さを感じた「おいでよ」
そして壮絶なギターソロを弾き倒して終わった「ヨーロッパ」が鮮烈的でお気に入りでしたね
ああいう感情を爆発させるようなギターソロとアクションは大バコで観るとより気持ち良くて最高だった
最後の一音でバシッとまとめるようなドラムもまたカッコよくて完全に魅せられてしまいましたね
「君の胸騒ぎが本当になるといいな」
色々な意味合いに捉えられるこのフレーズ
帰りの電車の中で、
とてもポジティブな想像を浮かべながらこのフレーズを反芻させていました。
いちリスナーとして誇れる、そして誇るべきツアーファイナルだったと思います。
面白かったし、楽しかったし、そして格好良かった!
今後どういう変遷を遂げていくのかも楽しみです。