サブカルチャーマシンガン

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【アルバムレビュー】よすが/カネコアヤノ

2021-08-17 | アルバム感想
                    







1.抱擁
2.孤独と祈り
3.手紙
4.星占いと朝
5.栄えた街の
6.閃きは彼方
7.春の夜へ
8.窓辺
9.腕の中でしか眠れない猫のように
10.爛漫
11.追憶






今年はもうきっと何処へも行けない
憎らしい暑い夏も
今では恋しく思えるよ (栄えた街の)






これは良いアルバムですね・・・
正直“名盤”と言って差し支えないんじゃないでしょうか
その前に、
カネコアヤノの音楽ってどのくらい届いてるんだろう?という事は気になりますね
なんでしょう、
作ってる音楽のクオリティと
今現在の知名度が比例している感覚が(個人的には)無いんですよね
かといって、
「もっと売れても良いのに。」って言葉は押しつけがましい上に安易な感じがするので、
敢えて言わないんですけど、、、でも、
今作を聴くと素直に「すっげえ良い音楽作ってんな。」とは思いましたよね。

カネコアヤノの音楽を聴いていると、
今時珍しいくらい真面目にオルタナティブロックを追求してて素晴らしい!ってなりますね
勿論曲によっては純正なポップスだったりふり幅も広いと思います
ただ、
90年代後半~00年代初頭のオルタナの影響をかなり受けてるように感じました
それもまあ自分の想像であって実際どうなのかは分からないんですが。。
 全体的にけだるげな雰囲気にグッドメロディ、
テンポの速い曲は1曲もない、
でも、
後ろで鳴ってるエレキギターの音色が心地良く良質なボーカルも相俟って気持ち良く聴ける、、、
とか、
そういう風に書くとイメージし易いでしょうか
 それと、
歌詞の世界観に関しては全体的に達観的だと思うんですけど、
そういう中でも祈りにも似た感情を想いを込めて歌に託してる感覚・・・が、
とても秀逸で、聴いてて胸に来る瞬間がホントに多い音楽だなあ、とも強く感じたりもしました
基本達観してるんだけど、どこかで「報われたい。」って気持ちを捨ててない感じ、、、
個人的に聴いてて何度もグッと来たしカネコアヤノさんの歌詞の特徴なのかな、と。






眠りが浅い
唯一見た夢は 君と喧嘩する夢
私は決して良い人じゃない (腕の中でしか眠れない猫のように)




推し曲は、
「爛漫」とか「孤独と祈り」とか「栄えた街の」とか気に入ってる曲はかなりあったので、
やっぱり結構迷ったかな・・・
「爛漫」は、
直接的な言葉を一切出さずに、
あくまで芸術的な応援ソング、、、応援ソングなのかな?笑
うん、でも、聴いてると胸が震える類の静かなる闘志が漲っている秀逸なオルタナティブロックかな、と.。
「孤独と祈り」は軽快なアレンジとメロディも心地良い彼女の音楽性を象徴するような曲
賑やかなアレンジがアクセントにもなってる「星占いと朝」も素敵な曲だし、
美メロ煌く現代を歌ってるような歌詞も印象的な「栄えた街の」も沁みる曲だと思う
その意味では、
更に現代に於ける強い欲求を歌っている「閃きは彼方」も刺さる一曲に仕上がってるし、
勿論現代的なだけじゃなくて限定的にしない事によるエバーグリーンな感じもあったりして・・・
そのバランス感覚もまた秀逸でした
アルバム後半に入ってる「春の夜へ」「窓辺」もグッドメロディが光る粒揃いの楽曲群で、
全体的に良くない曲が無いので最後までスッキリ聴ける作品になってると感じます。
 ただ、
テンポの速い楽曲は先述の通り1曲も入ってないので、
そういう意味では過度にJ-POPに慣れてる方は注意かもしんないです
まあでも、個人的にはこういう音楽の良さを分かって欲しい~って気持ちの方が強いかな・・・笑
決してキラーチューンてんこ盛り!という感じじゃないので何度も聴くのも良いかもです。

で、
個人的に推しの3曲
「抱擁」はホント名曲だと思いますね
こんな名曲から始まってる~という時点で本作は勝っている、と断言しても良い
この曲はカネコアヤノさんの特徴でもある祈りを歌に乗せる~というものの
最もシンボリックな楽曲に感じられて・・・
多分、
この世にはどうしようも出来ない事の方が多くて、
でも、やっぱり報われたくて、、、みたいな、そういう気持ちが一番伝わって来る曲の様にも思いました
また「抱擁」ってストレートなタイトルも良いですよね ありそうで無い感じが。
 「手紙」は、
単純にメロディが一番良いように思えたので赤字にしました
この曲はアレンジも雰囲気も純粋な古き良き王道のポップス風味に仕上がっていて、
それもまた聴いてて心地が良いですし、
彼女のメロディメーカーとしての才能が強く感じられる一曲になってるかなあ、と。
 最後、
「腕の中でしか眠れない猫のように」という曲は、
個人的に出会いの曲だったんです
きっかけは、
いつもの通りNHKのラジオからだったんですけど・・・
アレンジだけ聴くと物凄いド直球のオルタナティブ・ロックなんですよね
多分この曲が一番オルタナ色強いかな~
加えて、
歌詞の「私は決して良い人じゃない」「私たちいつも頑張ってるね」っていうフレーズが大好きで。
正直・・・
聴いてて救われたような気分になりましたね
前者は自虐心を、
後者は承認欲求を満たしてくれるフレーズで・・・
恐らく一番二番でこのフレーズがセットになってるのがより良いんでしょうね
個人的には、ずっと自分で自分の事を「良い人ではない。」と強く感じながら生きて来たので、
引用させてもらった上記の歌詞に関してはよくこういう事を歌ってくれた!って気分になりましたし、
その後「頑張ってる」ってフレーズが来るのも本当に素晴らしくて、、、
聴いててちょっと泣きそうになります。。
感情移入の度合いに関してはナンバーワンですし、
緩やかな感じのAメロからサビで一気に燃え上がるメリハリも何度聴いても最高です
個人的にロックファンがカネコアヤノを聴くならこの曲が入り口かなあ、とは思いますね
事実、自分がこの曲をきっかけにしてアルバム購入にまで至りましたので。









カネコアヤノさんのアルバムを通して聴いたのは今作が初めてでしたが、
想像以上に心地良く琴線にも触れる音楽だな、と素直に思いました
全体的にアンセムっぽくて、
雰囲気も洗練された感じの音楽なので、
J-POPとは色々な意味で趣の違う音楽だとは感じるんですけど(勿論J-POPも素晴らしいし全然聴きますよ)、
それでも色々な人に届いて欲しいな・・・と感じざるを得ないくらい質の高い音楽に感じました。
素晴らしかったです。。