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きっとこの部屋の息苦しさは
私達二人の二酸化炭素のせい
言いたいこと言わない
理由もないのに口を紡ぐ
そのかわりで吐き出した
ため息は私をひどく虚しくさせる
この曲は、本作の中でも一番好きな曲・・・いや、「フェイバリットボーイ」とちょっと迷うけど笑
うん、でも、やっぱり一番好きな曲、、、かな。あんまり断定するの好きじゃないですけどね。
正直、
この曲に関しては、
「よくこんな曲書けたな!」っていうのが率直な感想で、
ここまで人間特有のモヤモヤした気持ちを曲の歌詞として落とし込めてる楽曲も早々無いと思うんです
なんていうのかなあ、凄く細かいところまで人の心情を描写出来てるな、って深く感じますね。
ちなみにこの曲は、
宮崎朝子さんがリリース前に最も好きな曲に挙げていて、
でもそういう曲って往々にしてややマニアックだったりするんですけど、
この曲に関しては本当にファンの間でも高評価の名曲だったんで朝子さん間違いないな、って(笑
ただ、
この曲の良さを文字にするのは結構難しい
それでも敢えて言葉にしてみると、
正しくない感情と
正しい感情を、
両方漏れなく歌ってるような曲に感じるんです
自分が間違いなく抱えてる強い本音があって、
ただ、それは自分のエゴだったりわがままだったりもした場合・・・
結局、
強く感じてる事があっても、
強く言えなかったりするんですよ
口に出しちゃいけない個人的な感情
口に出した瞬間に“間違い”になっていく
けど、
間違ってても、
自分が「本当に思ってること」だった場合、どうします?っていう・・・
そういう曲に感じるし、そういう状況を描いてるとても複雑な歌詞にも感じます。
突き詰めれば、
分かり合えない人とは、
どれだけ思い入れがあったとしても、
永遠に分かり合えない、その狭間でずっと苦しむだけ。という
ある種物凄い達観した作中観なんですよ
その上で、
最後まで徹底的に分かり合わずに、
この先も関わり合う事で何かしらの軋轢が生まれるのならば
一生このままでいい
二人の中にある(あった)感情は一瞬でも本物だったんだから、
その喜びも距離感も誰に知られずともお互いだけが知ってれば良い
だから、もう二度とそんな空気が生まれぬよう関係自体を葬る歌なんですよね。
完全に諦めて潔く消滅する感じがまた切なくて大人っぽくて、沁みて・・・っていう、
正直今までのキャリアの中でも随一の名曲に仕上がっていてこの曲もっと売れてもいいかな、と笑
嫌いにもなれなかったよな
最後まで中途半端な二人よ
どうか永遠に目を覚まさぬよう
しかし、
売れてもいいかな。とは感じますけど、
間違いない名曲の割に所謂「分かりやすさ」はそこまで無いので、
今のままファン大絶賛の名曲!ってポジションでもそれはそれで良いと思う
よくよく考えれば刺さる人にはとことんまで刺さる類の楽曲なのでね。
めちゃくちゃシリアスな歌詞の割には、
メロディもアレンジもポップで
ミドルチューンなのにかなり聴きやすい曲に昇華されてるのも素晴らしい
何かに必死にしがみつくのもいいですけど、
時にはお互いの分かり合えなさを察して潔く身を引くのも一つの「正解」で。
そういう大人になった気持ち、センチメンタルを最大限に表現している名曲で、
その上で「嫌いにもなれなかった」というフレーズがまた色々な意味合いで象徴的で、
聴いてるとある種達観しつつも胸を締め付けるような感傷も味わえる、唯一無二の楽曲ですね。
「お互いだけが知ってればいい」というフレーズがまた聴いてると気持ち泣けます。
この世にはどうにも出来ないことがあって、
そのどうにも出来なさと、
そこからの大人な価値観を紡ぎ出している、
今のシシャモだから書けた渾身の一曲として完成されています。
行き場をなくした自分の気持ちに自分で蹴りを付ける、その潔さと切なさが何より素敵で大好きな曲です。
少なくとも、ここまで事細かく複雑なモヤモヤ感を歌詞として曲として表現している曲は、
あんまり聴いた事がなかったし、最後に完全に諦める辺りは本当聴いた事なかったです
それも自分の中の判断だけで諦めてるのが物凄く生々しくて発明とすら感じますね。
「私の夜明け」系統の曲だと思いますが、
「私の夜明け」も約1年半越しくらい?でようやくライブで聴けたので、
是非この曲も一回生で聴いてみたい・・・ですね。泣きそう。