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完全敗北。/アクタージュ act-age scene105「サイド乙」

2020-03-16 | アクタージュ
本当の演出家。








これまた物凄い勢いで主人公である夜凪ちゃんサイドを叩き潰して来たなあ、って感じました
よくよく考えれば化学反応を期待して不確定要素を入れ込む花子さんのやり方って、
役者を信頼してると言えば聞こえはいいですが逆の言い方をすれば役者の能力に責任転嫁している・・・とも言える
要するに、「期待する」だけだったら誰にでも出来るけど、「導く」事は演出家にしか出来ない事で。

確かに、
この物語では羅刹女の本懐が果たされてるとは言い難い
何故なら最後まで怒ったまま終わるのはカタルシスには物足りない
だからこそ、陸の「守り」を逆に固有の演出に変えて見事に”物語”に昇華して見せた
サイド甲の不細工だった部分すら「演出ですが何か?」とプラスの意味合いに変えて魅せた
結果的に、一瞬であったとしても羅刹女は救われて終われた訳で。







正直、
かなり巧い構成だな・・・と素直に感じられましたね。
凄く読者に伝わりやすい形で墨字さんが花子さんよりも格上、かつ、
「ちゃんと演出に命を懸けている。」事が伝わって来る仕事っぷりを描く
その上でその要求にきっちり応える事の出来る千世子の素晴らしさ・・・
化けた部分と、
元々持っているポピュラリティを組み合わせる事でより立体的な芝居を演出する。。という、
物語としての魅せ方も主演としての魅せ方も完璧に夜凪ちゃん達よりも純粋に上回った印象で、
そういう意味だと自分が手塩にかけた役者だからって一切の容赦なし、
完全に夜凪ちゃんらを完敗させるつもりで描いた見事な「羅刹女」に仕上がっていた、と思います
少なくとも、サイド甲がサイド乙に負けてるのは誰しもに伝わる素晴らしい105話目だったと感じました
完全に上回ってるだけじゃなく、さり気に花子さんへのメッセージ、
及び、陸の自己犠牲をカバーしてる抜かりの無さも墨字さんの手腕が伝わって来て流石だな、、、と。







ただ、
ここまで完璧に敗北を食らった夜凪ちゃんも心中穏やかではないでしょう
羅刹女の「救い」を描き、演出のレベルの違いを魅せつけ、主演の演技力でも差を付けた
完全に夜凪ちゃんが千世子の後塵を拝す展開になってしまった
何より、
千世子たちの方がちゃんとお客さんを楽しませ満足させていた。
それが夜凪ちゃんにとっては本当に悔しかっただろうし、改めて"天使の凄味”を思い知ったんだと思う。

だからこそ、今度は夜凪ちゃんが千世子を追い駆ける番ですね。
夜凪ちゃんが悔しさを感じる動機付けとしては十分だし、
今の夜凪ちゃんはちゃんと「千世子ちゃんに勝ちたい。」と思っている(と、思う)。
だからこそ、今一度主人公としての矜持や成長を見せて欲しい・・・!と思うとこれ以上なく熱い展開でもありますよね

正直な話、
最近の夜凪ちゃんはグングン伸びてる描写が多かったので、
ここまで完璧にねじ伏せられる描写自体が久々のように感じるんですよ
だから、ある意味これまた久々に(サブキャラではなく)主人公を応援したい気分になるんですよね
夜凪ちゃんを天然の怪物として描きつつ、きっちり悔しさも納得する形で味合わせてみせる
そんな作劇の素晴らしさが如実に光っていて本心から素晴らしい「リベンジ」だと思いました・・・!
ここからの夜凪ちゃんの"足掻き”にも期待大、です!





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