サブカルチャーマシンガン

自分だけの「好き」を貫く為のブログ。

OTOTUNE/フレデリック

2016-02-21 | アルバム感想









夏のヒットソング変わってしまったって
全部全部全部全部僕のものだよ
夜のビーチサイド片っぽのシューズさえ
全部全部全部全部僕のものだよ
誰にもあげないから (トライアングルサマー) 











今作でも相変わらずのアレンジセンス、独特のメロディが冴えてるんですが
それに加えてさり気ないメッセージ性・・・みたいなものが感じられるようになったのが大きな変化じゃないでしょうか
「負けず嫌いだけが生き残る未来で」
「戦わない戦い方を僕たちは知っているはずなんです」
「大事なことは本人に言えよ」
「ゆっくり走ってゆったり笑ってるCAR(か)」

などなど、全体的に強気な歌声と疾走感のあるサウンドに乗せて気持ち良さを追求しながらも、
ちょいちょい聴き手に投げかけるような部分が存在していてそんな変化も面白い一作になっています
気が付けば、素直になれず勇気も持てず燻ったままの状況もままある日常生活に於いて
ちょっとした「背中を押す」要素が詰まっている快作に仕上がってるんじゃないでしょうか

それでいて、曲調もストレートに変化してるのか、と言えばそんな事もなく
フレデリックお馴染みのひねくれポップ感や煌びやかなアレンジが全体的に光っている
「変えた」(変わった、ではなく)部分と「変えてない」部分のバランスに優れた作品に仕上がっている、、、とも形容出来ると思います
それはご多分にオリジナルドラマー脱退の影響が大きかったんじゃないかな、とは思いますが
逆に言えば、そこからの「再起」を誓う・・・と言ったドラマ性に満ちた内容になっているとも言える
いつ、どんな事があって別れを経験するかも分からない、自分の行動がもしかしたら「何か」に繋がるかもしれない
だから、結局「動く」事が一番重要なんだ。と訴えかけている作品に聴こえなくもない
あくまで“フレデリックらしさ”を貫いた上で、
それでも“フレデリックらしくない”領域もバンバン攻めて行く
そんな「変える」勇気と「変わらない」良さに満ちたある種の転換作だと思います「OTOTUNE」は。


それにしても、三原兄の声は本当に特徴的でいいですね(笑
こんなに発音がクッキリとしているボーカルも中々居ないよなあ・・・と感じつつ
めくるめくアレンジの妙、派手に弾けてフックを残すバンドサウンドの充実感も素晴らしいです
王道のギターロック「FUTURE ICE CREAM」から、こんなん三原弟にしか書けんだろ、ってひねたメロディが炸裂する「UFO FOR YOU」
一番脱退の影響を感じさせる詞世界に仕上がってる「ハローグッバイ」はシンプルでありながら
さり気に高いメッセージ性を誇るこれからのアンセムになりそうな楽曲
最初聴いた時は「うわっ、ストレート過ぎ!?」ってなってしまった「トウメイニンゲン」は
よくよく聴けば、ちゃんとそこに居るのにも関わらず、口をつぐんだり行動しないせいで実質透明人間になっちゃってる現代人を皮肉っている曲になってます
例えば・・・
一つの大きな“流れ”があって、でも自分的には共感出来ないのにも関わらず
黙ってしまっていると結局それもまた流されてる事と同義になってしまう節があって
そうじゃなくて、自分の想いはちゃんと大手振って伝えなきゃ!って良さがある楽曲だと思います
透明になんてなるな、ちゃんとそこに居てくれ、、、っていう痛切なメッセージ性を含めて今ではとても好きな一曲
バンドとしても一つ殻を破ったような感触もあり、この曲もまた定番化していきそうな予感がします
でも逆にストレート過ぎる感じがむしろひねくれているなあ、って形容出来る曲でもあると思います(笑

後半からは、一気に往年の良さを感じさせるフレデリック・ワールドに突入
まずまんま歌謡曲のテイストの「USO」から始まり、
似たタイプではライブでの振り付けも面白いひねくれポップ「真っ赤なCAR」など“っぽい”曲もちゃんと入ってるのもまたニクい
この曲は歌詞はダジャレに見せかけて、何気にメッセージ性を感じさせるようなものであったりする工夫もまた冴えてますね
ライブ映えする曲でもあるので是非この曲もワンマンなどで定番化して欲しいなあ・・・と思いつつ
実は本作で一番好きなのが「トライアングルサマー」という楽曲
かなりのハイテンポ、早口でまくしたてるエレクトロポップナンバーで
なのに、ちょっとノスタルジックな感触があったり、歌詞の作中観も色々な意味でヘンテコで実にユニークな楽曲に仕上がってます
今の世の中は物凄いスピードで様々な物が流行り廃れて行く消費社会になってる(と、思う)
そんな中で「俺はずっとこれが好きなんや!」って意志を主張しているナンバーにも聴こえます
そういうトコもまた好きで、それとは別に単純にそのアレンジ力の高さも好みな最高のダンスチューンですね
個人的にライブでこの曲で延々と踊っていたい欲望があるんですけど(笑
それこそもう10分~15分くらいでも構わないから。
ただ、この間のワンマンで演らなかったので(残念!)
今年はどこかのライブでタイミング良く聴ければいいなあ・・・と願ってます
この曲に於けるストレンジネスの解放は正にフレデリックの中毒性ど真ん中の王道であり、
是非夏及び夏近い時期のライブで聴いてみたいところ
最後の「ひっくりかえす」もまたフレデリック節がよく効いているナンバーで
こういうよく分からんけど、でもなんかいいなあ、、、って思える曲を作るセンスはやっぱり凄いものがあると思います(笑
ただ、ある種の決意表明にも聴こえる節がありやはりその辺のバランス感も冴えてるな~という印象

一応ミニアルバムと言う体裁ですが、
曲数は8曲あり曲調・アレンジもバラバラなので
アルバム並みのボリュームで楽しめる作品だと思います
ただ、価格設定は2000円ちょいとやっぱりミニアルバムなんですよね・・・笑
フレデリックというバンドの歴史に於いて、重要な位置づけになる事間違いなしの意欲作。
この後に出されるであろうフルアルバムや全国ツアーなども(気が早いですが)今から楽しみですね













ちょっと大人になったかな?って聴いてて感じられた一作でもあるので
そんな「進化」もまた感じ取って欲しい一枚
今年は早くも対バンライブ、対バンツアー、そして新しいワンマンツアー等矢継ぎ早で活動が決まっていってる印象ですが
そういうのを見ていると2016年のフレデリックの変化や更なる進化にも期待したくなりますね。
今まで以上にメロディアスな印象も受けたので、次の作品も楽しみです。ライブでもバンバン演って欲しいですね。




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