色々考えてたんですけど、
有り体な追悼記事は避けて、
純粋に「曲の感想」を行いたいと思います
やっぱり、思い出を振り返るよりも、単純に楽曲を聴き続けたいですからね。
幸せと言えば言えるような実感のない日々が過ぎるから
人間、満たされた振りや
恵まれた振りをするのは得意なんですけど
時にそれがある種の誤魔化しだったり言い訳になってしまうパターンが往々にしてあります
自分の望みも夢も何一つ叶ってないし報われてないのに、都合良く自分より境遇の悪い誰かと比べて満たされた振りをする
だけど、そんな言葉でその場しのぎに誤魔化したって、手前の本懐が果たされてないのは自分が一番良く分ってるんですよね
そもそも、自分は自分で他人は他人
俺には俺の勝ち取るべき幸福がある・・・
それに対して安易に妥協せずに自覚的になる事の大切さを歌ってくれている楽曲だと言えます。
そして、「幸せと言えば言える」って表現も秀逸ですよね
大抵の人が正直「幸せと言えば言える」状態だとは思います
だけど、
それを「これ以上頑張らない為の免罪符」にしてるようじゃただ無駄な人生が待ってるだけなのも明白で。
日々の、日常の幸福に気付くこともめちゃくちゃに大事なんですけど、それを自分を誤魔化す為の道具にしてちゃ、
結局一歩も進めないまま人生が終わってしまうな。。と最近良く感じますし感じさせてくれる曲だと思います。
オレは駄目な奴?と思う事が駄目な俺の法則
変わりたくて 変われなくて 何度も何度も捨てそうになる
この曲は当時一色さんが抱えていたであろう苦悩がどストレートに反映されている楽曲です
何かすれば空回ったり通じない想いに焦って自滅して
何もしなければ空っぽな感情を抱いてただただ虚しさを覚えるだけ
要領が悪かったり上手く立ち回る事が出来ないと結局八方塞になってしまって
成す術がなくなってしまうんです
「頑張る」と一言で表現するのは簡単ですが、
「頑張った」からといって何もかもが上手く行く訳じゃない
逆にその分ちっとも報われなくて精神的ダメージにすり替わってしまう事の方が圧倒的に多い
だけど、最終的には「頑張る」事を選択せざるを得ないからより苦しくなってしまう
自分を卑下したり軽視したりするのは何よりも簡単なことだけど、
自信を持たずに生きるのと自信を持って生きるのとでは心持ちと生む結果に大きな違いが生まれる
時折、「俺は駄目だから」という、ダメな自分に酔い痴れてしまって
それすらも免罪符にしようとする汚い自分も生まれてしまう
そういう・・・
心理的な葛藤が矢継ぎ早にバンバン飛び出してくるこの曲は、苦悩しながら生きている人の助けになってくれるんじゃないか、と思う。
本当はただ 信じたくて
・・・でも、
この曲の肝はやっぱりここだと思います
一色さんの歌声も裏声を使ってかなり必死なテイストに仕上げていて、
それだけでもこのワンフレーズに込めた想いが切実に伝わって来る・・・のが本音ですね。
本当は、ただ、信じたい。
想えば伝わると思いたい
頑張れば報われると思いたい
自分の可能性を信じたい
自分がもっとやれるって信じたい
自分の明日を信じたい
自分自身を信じたい
自分が「誰か」の「何か」になれる、って信じたい・・・
そんな気持ちが聴いてて涙腺に少し響くレベルで伝わって来る、
まさに“つばき流ロックンロール”の一つの到達点のような楽曲だったんじゃないかと
個人的には未だに聴いて励まされたり頷いたり、救われてたりしてる曲の一つ、です。
ちょっと思い出を語ると、
つばきの楽曲を知ったのは「ミュージックスクエア」で
テーマソングに使われていた「夢のあとさき」で好きになって音源を買うようになりました
同期のランクヘッド、ロストインタイム、椿屋四重奏、キャプテンストライダム云々、、、、、らと共に、
間違いなく自分の青年期前半を彩ってくれたロックバンドの一つ、でした。
訃報が流れても、あんまり大きな反響が無い風に見えたのが個人的には悔しかったんですが、
ただ、このレビューでつばきの曲に助けられてちょくちょく指標にさせてもらってた人間が確かにいる。。って
そういう事がちょっとでも伝わったらとても嬉しいですね。「いた」ではなく、「いる」ね。この曲未だにちょくちょく聴くし。