ひびレビ

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相棒16 第7話「倫敦からの客人」

2017-11-30 07:52:53 | 相棒シリーズ
相棒16 第7話「倫敦からの客人」

 右京のロンドン時代での相棒・南井十が来日していた頃、西田泰史が何者かに殺害される事件が発生した。事件現場の近くの池の中からは持ち主不明の携帯電話が発見され、そこには何者かと言い争っている動画や、時計の画像が保存されていた。
 更に、青木によれば持ち主は違法な品々の取引や殺人動画が投稿されている「ダークウェブ」にアクセスしていた形跡があったという。

 更なる2件の殺人事件の発覚、犯人説が濃厚だったダークウェブの住人の死と事件は二転三転していくが、当初被害者と思われていた西田が連続殺人犯という点で決着するかと思われた。
 しかし右京は、西田の死に関する違和感をとっかかりに、西田や平岡殺しの本当の犯人、そしてその計画を指示した真犯人をも突き止めたが、計画を指示した真犯人は全てのデータを消去した後、護送中に自殺してしまった・・・

 後日。南井がロンドンに帰る日。見送りに出向いた右京は、かつてロンドンでも同じような事件が起こったことを南井の前で振り返り、今回も真犯人の心を操った人物がいるのではないかという疑いを口にする。
 「光を当てれば影も濃くなる」犯罪を光と影に例える南井に対し、右京は「いつか全てを照らしてみせます。影が出来る余地などないほどに」と呟き、去りゆく彼を見送るのだった・・・


感想
 「右京さんが停職中だったのは3年前」ということを改めて突きつけられると、ダークナイトからそんなに経つんだなぁと、色々考えてしまいます。

 さて今回は右京さんのロンドン時代の相棒登場!
 「ロンドン時代の相棒が登場し、その相棒と抜群の相性を見せるかつての相棒に、今の冠城は危機感を覚える。しかし『今の僕の相棒は、冠城くんです』という発言もあり、右京は冠城とだから出来る捜査によって真相解決。かつての相棒はどこか寂しそうに、でもどこか嬉しそうに去っていく」・・・そんなよくありそうなハートフルなストーリーだと思った?残念!真っ黒だよ!(汗。

 右京さんに負けず劣らずの洞察力と推理力を発揮していた南井ですが、その犯罪者の心理を読み解くのに長けている能力は、犯罪者を篭絡することに使われていたようです。
 右京さんがラストに呟いていた「死をもって贖罪とする」云々は、右京さん自身の言葉ではなく南井の持論か、あるいは真犯人のスマートウォッチに送られてきたメッセージだったと思います。それをぶつけることによって南井に警告、ないしは挑戦の意を示したのだと思います。今後も出てくるのかもしれませんが、とりあえず目の前の青木とか日下部とか衣笠を何とかした方が良いと思います。


 事件の方は犯罪を取り締まるべき警察官が、ダークウェブに魅入られてしまい、ずぶずぶと漬かっていった末路が描かれていました。しかし話はそれだけで終わらず、自身を「異常」だと思っていた人物に関しても描かれることに。
 ダークウェブで初めて自分を肯定してくれる人に出会えた。「異常」ではなく受け入れられたことにより、きっと彼はその肯定してくれた人物、恐らく南井でしょうけども、その人物を心酔・敬愛するようになったことでしょう。

 自殺する前、彼が護送中に流した涙に関しては当初「腕時計は父親から買ってもらったものであり、その際に自分が殺人に関与していると知ってもなお庇ってくれたことに対し、初めて自分のした罪の重さや父の愛情を感じた」ために流した涙だと思っていました。しかし、実際は別の誰かからのメッセージを受け取ったことによるものだった模様。彼にとっては救いのメッセージであり、故にその指示に従っての自殺だったのかもしれません。ですが、見ている側としては何とも父親が報われない、見ていて心苦しくなる話でした。「父が自分を庇った」と知った時に見せた、あの苦い顔が何とも・・・

 
 ・・・とまぁ、事件は悲惨な結末を迎えたわけですが、影の首謀者と思しき南井の目的は何なんでしょうね。彼は自分の罪を認識できない犯罪者に対し、救いの手を差し伸べているつもりなんでしょうか。これまでの犯行に関するデータを消去させるのは自分にたどり着かないようにさせるため、ですかね。

 光を強く当てることによって生まれる影。その影から手を伸ばし、闇へと引きずりこむのが南井だとすれば、その影が出来る余地がないくらいに光を当て、犯罪者の逃げ場を無くし、罪と向き合わせるのが右京さんのように感じました。

 そんなこんなでまた次回。
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