ひびレビ

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「氷菓(実写映画版)」を見て

2017-11-08 07:54:03 | テレビ・映画・ドラマ
 「氷菓(実写映画版)」を見てきました。なのにFateの入場特典を渡してくれた職員さん、私確かにマスターですけど、今日は違うんですよ・・・もちろんお返ししました。

 
 神山高校一年、折木奉太郎。「やらなくてもいいことなら、やらない。やらなければならないことは手短に」をモットーとする彼は、姉・供恵の命により古典部に入部する羽目になる。そこで奉太郎は同級生の千反田えると出会う。
 奉太郎は千反田が「気になったこと」を解決していく中で、千反田からある依頼をされる。それは、古典部OBでもある彼女の叔父・関谷純から、幼い千反田が何を聞いたのかを思い出させて欲しいというものだった。
 関谷純は千反田に何を告げたのか、彼の過去に一体何があったのか。関谷純が作った文集「氷菓」にまつわる謎を解き明かす中で、奉太郎たち過去の真実へと迫っていく・・・


 原作・アニメともに何度も見ているので内容については把握していました。そのため「どんな映画なんだろう!」とワクワクしながら見たのではなく、「どんな風に実写化されているんだろう・・・」と若干ハラハラしながら観賞していました(汗。
 全体の感想を先に言うと「まぁ、こんな感じになるよなぁ」といったところです。可もなく不可もなく。実写化向きだろうとは思っていましたから、こんなもんだよなーというところに落ち着きました。

 良かった点を挙げると、まず間違いなく折木供恵を挙げます。アニメ同様姿は描かれず、声のみの出演ではありましたが、(おそらく)貫地谷しほりさんの演技が素晴らしく、アニメでゆきのさつきさんが演じられた供恵に似た雰囲気を感じたため、一番違和感なく受け入れられましたね。
 あとは関谷純の「悲鳴」にはゾクッとさせられました。アニメでは犬に噛まれるウサギのイメージとして描写されていただけなので、ああいった風に実際に聴くと結構くるものがありますね・・・でも何で途中で奉太郎のイメージ挟んだの?


 以下、気になった点や原作等との違いです。いや、本当に悪い映画じゃないんですけど、手放しで褒められるかと言われると・・・うーん(汗。一応ネタバレ含みます。

①登場人物
 どうしてもアニメの印象が強いのですが、個人的には摩耶花、奉太郎、千反田、里志の順番でイメージにあっていたと思います。千反田はちょっと目力が強すぎる気もしました。里志は「遠めには女と間違うようなうらなり青瓢箪」には見えないかなぁ・・・と。

②名前について
 千反田の叔父であり重要人物である「関谷純(せきたに じゅん)」が、実写映画版では「せきや」と読み方が変わっていました。パンフレットによれば「カンヤ祭」の意味に気づきやすくするためとのことですが、アニメでは普通に「せきたに」だったことを考えると、変える必要があったとは思いがたいです。
 また、「福部」のアクセントがアニメ版では「べ」のところに置かれていましたが、実写映画版では「ふ」のところに置かれています。どちらが本来の発音なのかは分かりませんが、アニメ版で散々慣れた後だと凄まじい違和感が・・・

③女郎蜘蛛の会と遠垣内先輩カット
 まぁカットされるだろうなーとは思ってましたが、ここら辺の件がマルッとカットされ、古典部の文集は古典部室内にあることになってます。
 それは良いんですが、その文集の在り処に奉太郎が気づいた際、摩耶花をやや乱暴にどかすシーンがありまして。いくら仲良しとは言い難い間柄だとはいえ、奉太郎に摩耶花相手にあんな行動を取らせるのはどうかと思いました。里志ならまだしも、摩耶花に対してすべき行動ではなかったと思います。

④「氷菓」って何?
 千反田家における仮説披露シーンのあたりで「氷菓」=「アイスクリーム」だと明かされます。気づく人はここら辺で気づくのでは。

⑤叔父の過去にあったことを知るのを恐れる千反田に対して
 「思い出したいんだろ?」とだけ。そりゃそうなんですけど、歴史的遠近法にも触れてあげてください・・・

⑥奉太郎の仮説組み立てシーンについて
 千反田の無言の視線に耐え切れず資料を持って部屋を飛び出し、たまたま空いていた部屋で慌てて考察・・・という流れなのですが、千反田の圧が凄まじいことになってました(汗。
 とはいえ、初めて入った人の家で、たまたま空いていたからってその部屋に資料を広げて考え出すってどうなんだろうと。

⑦千反田家からの帰り道
 摩耶花も参加し、摩耶花のヒロインっぷりが上がっていたように感じました。

⑧糸魚川先生
 原作、アニメ版ともに「折木の唯一の問いに対する返答として、古典部に真実を語る存在」であった糸魚川先生が「反対運動がヒートアップした際、火薬が近くで爆発したため、今でも右耳が聞こえない。更に格技場での火事にも巻き込まれるが、関谷から救助される」という経歴の持ち主になっていました。
 重要人物っぽい感じで出てくるのですが、あれは普通の一教諭かと思ったら、実は!的なのが良いんだと思います。あと、折木が推論を組み立てたという説明が無いのは、うーん・・・

⑨関谷純
 名目上のリーダーになった経歴が「貧乏くじを引かされた」ではなく、上記の「糸魚川先生を助けてから『優しい英雄』と祀り上げられた」となっています。退学の時期のズレについては特段触れられていなかったように思えます。
 また、ラストでも彼の生死について触れている場面もあります。冒頭に上手く繋げたとは思うので、あれはあれで良かったかと。


 気になったのは概ねそんなところです。カットしつつも上手いことまとまっていると思いますし、過去の闘争シーンや関谷純が学校を去るところを描写してくれたのは良かったです。関谷純の行く末についての改変は、私はアリだと思います。アニメも「正体見たり」で改変がありましたし。
 
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