オーディオをはじめられて5年くらいの方が「ケーブルによる音の違いが判る」と自慢げにお話でした。ようは「だから私はオーディオマニアです。」と認めて欲しかったのかも知れません。
私の回答は「音の違いは小学生の子供さえ判る。自分の欲しい音がどうしたら出せるのか?」が問題です。第一自分が欲しい音が本当に判っているのか?と言うことです。この趣味の持つ深みが理解されていない方が多いように思います。その為には「沢山のシステムの音」を客観的に、主観的に聴くことが求められます。
私は常々言っていますが、この趣味をはじめてから、毎日聴いて20年未満の方は「初心者」、30年聴いて「中堅」、30年越えて初めて「一人前になれる可能性がある」と。自分の経験でそう考えています。
20代や30代の若い評論家が色々記事を書いていますが、正直言って「判っていない」としか言いようが有りません。どれくらいの機器の使いこなしを経験しているのでしょう?WEのサウンドや今までにど級クラスのSPやアンプが多々排出されています。中には世評で名機と言われるものも沢山あります。それらが本当の実力を出している所を聴いたことがあるのでしょうか?
20代や30代の評論家は私から云えば所詮「初心者」です。40代の方でも50代の方でも「初心者」が多いです。どんなシステムでも「それなり」に音を出してきます。その環境も様々です。それらを客観的に捉えて的確なアドバイスや使いこなしのテクニックをマスターするにはそれなりの理論と実際の経験が要ります。
現在のオーディオショップでは90%以上のところが「音の良し悪し」が判らないで「販売」に専念しています。高価格の商品を売れば「営業成績」が上がるからです。
私は「判る方」の為だけに商品を供給しようと考えて起業しました。企業としては非常に辛い「営業方針」です。それでもやはり自分と同じサウンドを求めている方がいるおかげでもう4年にもなりました。毎月薄氷を踏む思いをしながらも「自分の求めるサウンド」を追求しています。
そのおかげでほとんどの機器が「オリジナル」になりつつ有ります。商業ベースの商品は「音の良し悪し」と違う方向に流れていく物だと思います。この辺の「音の違い」が判るようになるためにはやはり30年以上の体験と思考が必要です。